米4月鉱工業生産【今週の為替相場予測】|2021年5月10日週

米4月鉱工業生産【今週の為替相場予測】|2021年5月10日週

こんにちは。鈴木郁夫です。

今週の、為替相場予測です。

【2021年5月10日週】概況・展望

先進国ではワクチン普及率が急速に伸びてはいるが、反面、後進国では感染者数が急拡大するなど、未だに予断を許せない外部環境にある。ただ、相場への影響は限定的になっており、むしろ、主要国の大規模な追加経済対策により、株式市場では過剰流動性資金の元に史上最高更新するなど、実体経済を反映したとは言い難い状況にある。ファンダメンタルズ的には、先週末発表された米雇用統計の冴えない結果を受けて、米テーパリング観測が後退しており、ドルロングの手仕舞いが優先されている。ただ、パウエルFRB議長が雇用の最大化を広範且つ包括的な目標とみなしていると発言し、インフレよりも雇用を優先する方針を強調しており、一過性の悪材料になる可能性もある。市場では米雇用統計の悪材料を背景に、米国の早期テーパリング観測の後退気味になっており、ドルロングを手仕舞う動きが優先されている。

一方、相場自体は統計的にはドル円相場が過去数年間でドル円108円前後中心に、2,3円前後の上下動を繰り返しているが、ユーロ円は115円前後から130円台まで13%程度上昇、ポンド円は130円前後から150円台と15%上昇、そして、豪ドル円は70円前後から85円台まで20%も上昇しており、円安及びドル安が急ピッチで進行しているとも言える。また、シカゴIM通貨先物でも円ショート高止まりと共に、ユーロロングとポンドロングが警戒レベルまで積み上がっており、過度なクロス円高期待は自重局面に差し掛かっている。

【2021年5月10日週】注目経済指標

雇用統計の悪化を踏まえて 、早期のテーパリング観測は後退しているが、今週は明日の米3年債入札も含め、米10年債入札、そして、米30年債入札が控える中、米4月消費者物価指数、米4月生産者物価指数、そして、米4月小売売上高の低調な数値が予想されており、相対的にはドル売りの流れが一段と加速する可能性も視野に入れる必要性がある。ただ、米中対立構造なども踏まえて、有事のドル買いは健在であり、更なるドル売りには黄信号が灯っている。

注目指標

  • 10日(月)特になし
  • 11日(火)独5月ZEW景況感調査(期待指数) 72.0←70.7
  • 12日(水)米4月消費者物価指数(CPI)(前年同月比) 3.6%←2.6%
  • 米4月消費者物価指数(CPI)(前月比) 0.2%←0.6%
  • 13日(木)日3月国際収支・貿易収支 8132億円←5242億円
  • 米前週分新規失業保険申請件数 50.0万件←49.8万件
  • 米4月卸売物価指数(PPI)(前月比) 0.3%←1.0%
  • 14日(金)米4月小売売上高(前月比) 1.0%←9.8%
  • 米4月鉱工業生産(前月比) 1.2%←1.4%
  • 5月ミシガン大学消費者態度指数・速報値 90.0←88.3

乖離幅チャート分析

2つの通貨ペアの乖離幅から売買シグナルを見つける。チャートはシンプルイズベストが重要!主要8大通貨から高金利のマイナー通貨まで幅広く活用可。ドル円相場を基軸に、他の主要通貨との比較及び乖離幅で売買を模索する手法です。FXをエンジョイしながら収益チャンスを掴むためには、一目瞭然のチャートが求められています。

2021年5月10日乖離幅チャート分析

【乖離幅チャート分析の見方】
ドル円のみユーロ相場(ユーロ円VSユーロドル)の乖離幅から判断。他の主要通貨は対ドル円相場との乖離で売買の判断基準となります。乖離幅が拡大した時点で強弱の売買シグナルが発生します。基本的には通常よりも強めの売買シグナルが発生してからの始動が効率的です。

各通貨ペア動向

各通貨ペアの動向です。

ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)

2021年5月10日ドル円⇔ユーロから見るドル円相場(ユーロドル⇔ユーロ円)

  • 平均乖離幅 0.0630
  • 現状乖離幅 0.0709→0.0651

先週の売りシグナル109.30円から下落基調を強めており、今週は弱めの売りシグナルドル円108.60円が点灯している。
★買いターゲット(108.00円)

ユーロドル(ユーロ円-ドル円)

2021年5月10日ユーロドル(ユーロ円-ドル円)

  • 平均乖離幅 22.25円
  • 現状乖離幅 22.05→23.50円

先週の弱い売りシグナル1.2017から上昇を速めており、今週は通常の売りシグナル1.2164が点灯している。
★買いターゲット(1.2000)

豪ドル(ドル円-豪ドル円)

2021年5月10日豪ドル(ドル円-豪ドル円)

  • 平均乖離幅 24.10円
  • 現状乖離幅 24.95→23.40円

先週の様子見0.7717から上昇に転じており、今週は通常の売りシグナル0.7845が点灯している。
★買いターゲット(0.7730)

ポンドドル(ポンド円-ドル円)

2021年5月10日ポンドドル(ポンド円-ドル円)

  • 平均乖離幅 41.80円
  • 現状乖離幅 41.70→43.30円

先週の弱い買いシグナル1.3815から上昇を速めており、今週は利益確定売りを伴い、弱めの売りシグナル1.3987が点灯している。
★買いターゲット(1.3900)

本ペットチャートは3~5段階で少な目からの分散投資をお勧めします。売買シグナルは添付のチャートを参照してください。尚、最終的な投資判断は投資家ご自身の責任で行なうようお願いします。

豪ドル見通し5年後 豪ドルの5年後見通しは?100円超えの可能性や相場分析から見る買い時とは【2022年最新】