パウエル発言を再吟味も、既に月末を睨んだ展開【2021年8月30日】

パウエル発言を再吟味も、既に月末を睨んだ展開【2021年8月30日】

おはようございます。だいまんです。

2021年8月30日の相場分析です。

昨日のマーケット

金曜日の海外市場は、注目のカンザス連銀シンポジウムにおけるパウエルFRB議長の講演を前に、FRB要人から次々とタカ派発言が伝わったことで、一時ドル買いが出るも、パウエルFRB議長は、「年内のテーパリング開始が適切になり得る」と述べる一方、「テーパリングは利上げ時期を示す直接的なシグナルではない」、「足もとのインフレ上昇は、一時的なものである可能性」と従来の見方を繰り返したことで、当面は緩和的な金融環境が続くとの見方から、米長期金利が低下、株高をともなってリスクオンの流れで終了した。

尚、米10年物国債利回りは、1.358%から1.307%まで低下、米経済指標としては、7月個人所得やPCEデフレーターが予想を上回ったが、個人消費支出は予想から変化はなく、8月ミシガン大消費者信頼感指数の確報値が、予想を下回ったが、影響は限定された。

ドル円は、110.27を高値に109.78まで下落、ユーロドルが、1.3735から1.1802、ポンドドルは、1.3702から1.3781まで反発した。

一方クロス円では、ユーロ円が129.75、ポンド円は151.53、オージー円は80.36、NZD円は77.08、カナダ円は87.20まで上昇した。

8月30日の注目材料

  • ムンバイ市場休場(クリシュナ神生誕日)、イスタンブール市場休場(戦勝記念日)、ロンドン市場休場(サマーバンクホリデー)
  • 08:50 (日) 7月小売業販売額 [前年同月比] (前回0.1% 予想2.1%)
  • 08:50 (日) 7月百貨店・スーパー販売額・既存店 [前年同月比] (前回-2.2% (-2.3%) 予想1.9%)
  • 10:30 (豪) 第2四半期企業在庫 (前回2.1%)
  • 10:30 (豪) 第2四半期企業税引き前利益 (前回-6%)
  • 10:30 (豪) 第2四半期企業総利益 (前回-0.3%)
  • 16:00 (スイス) 8月KOF景気先行指数 (前回129.8 予想125.9)
  • 18:00 (ユーロ圏) 8月消費者信頼感・確定値 (前回-5.3 予想-5.3)
  • 18:00 (ユーロ圏) 8月経済信頼感 (前回119.0 予想118.0)
  • 21:00 (独) 8月消費者物価指数・速報値 [前月比] (前回0.9% 予想0.1%)
  • 21:00 (独) 8月消費者物価指数・速報値 [前年同月比] (前回3.8% 予想3.9%)
  • 21:30 (加) 第2四半期経常収支 (前回11.8億加ドル)
  • 23:00 (米) 7月住宅販売保留指数 [前月比] (前回-1.9% 予想0.5%)
  • 23:00 (米) 7月住宅販売保留指数 [前年同月比] (前回-3.3% 予想-8.5%)
  • 23:30 (米) 8月ダラス連銀製造業業況指数 (前回27.3)
  • 米疾病対策センター・ブースター接種の必要性巡る会議

8月30日の相場見通し

金曜日の海外市場は、注目のカンザス連銀シンポジウムにおけるパウエルFRB議長の発言が、それほどタカ派的でないと好感する展開となりました。ただ、パウエルFRB議長は、はっきりと「年内のテーパリング開始が適切になり得る」と述べています。若干楽観的過ぎる感じもありますが、今週は米国の8月雇用統計が控えています。もし、強い結果が見えた場合、こういった面が今週再認識される可能性の残っていることは注意しておきましょう。

経済指標としては、日本の7月小売業・百貨店・スーパー販売額、豪第2四半期企業在庫・税引き前利益・総利益、スイス8月KOF景気先行指数、ユーロ圏8月消費者・経済信頼感、独8月消費者物価指数・速報値、加第2四半期経常収支、米国では、7月住宅販売保留指数と8月ダラス連銀製造業業況指数などが発表されます。

総じて大きな材料はありませんが、独8月消費者物価指数・速報値などが弱い結果となった場合、ユーロ相場に良い影響を与えないでしょう。

その他、株価や米長期金利の動向に引き続き注意ですが、ロンドン市場が、サマーバンクホリデーで休場となります。参加者が減少すること、また月曜日で、ポジションが取りづらくなること、既に月末を睨んだ展開となり易いことは、留意しておきましょう。

8月30日のデイ・トレード戦略

本日のデイトレード戦略です。

ユーロドル

  • 予想レンジ:1.1750~1.1850
  • 基本戦略: 戻り売場探し
  • 予想時間:07:18 予想時レート:1.1799

上値を1.2351や1.2266でCapされて、下落が1.166でまで拡大も現状はこの位置を維持しており、日足のスロー・ストキャスティクスが反転気味で、一定の反発もあるかもしれない。ただ、既に月足のスロー・ストキャスティクスが、デッドクロスしており、今後も上値の重い状況が続きそうだ。

上値は、1.1805の戻り高値を越えて、1.1835-58の戻り高値が視野となるが雲の下限が控えており、売りが出易い。1.1909の戻り高値を越えて1.1930-45、90日移動平均と絡む1.1975の戻り高値を越えても、1.1995-1.2007の下落スタート位置に雲の上限が控えている。更に超えても1.2009、1.2032-57、1.2094-1.2101の日足の窓の上限、1.2135-48の戻り高値を超えても1.2193-95,1.2218-55が抑えると上値は追えない。あくまで直近高値の1.2254-66を超えて、1.2285の戻り高値を目指す動きとなるが、上抜けは不透明で、1.2349の今年の高値をしっかりと超えて、1.2400のサイコロジカル、月足からは、1.2414-1.2476の戻り高値圏、1.25のサイコロジカルまで視野となる。ただ、1.2555の戻り高値を越えるかは、現状不透明となる。

一方下値は、1.1726-35、1.1690の戻り安値が維持されると堅調も、1.1664の安値や1.1650のサイコロジカルを維持出来ずに、1.1603の安値を割れるケースで、その場合調整が深まり、それ以前の高値1.1495から1.1422ゾーンまで視野となるが買いが入り易い。またもし割れても1.12-1.14ゾーンは、揉み合いを経たゾーンで、こちらも買いが入り易い。あくまで1.1168の戻り安値を割れるまでは、堅調相場が続くと見たい。

従ってデイの戦略としては、下段チャートをご覧頂くように、直近週間でユーロドルは、陰線陽線が、交互の動きとなっていることは注目。明日に月末を控えていることもあって、ドルの買い戻しも入り易く、今週陰線となることに注目して、気持ち悪くても戻りでは売りを検討したい。

上値は、まずは1.1802-05が抑えるか確認して売るか、売っても、1.18ミドル、1.18後半まで慎重に売り場を探して、ストップは1.1909越え。ターゲットは、1.1726-35が維持されると利食いも、割れるなら1.17前後では、利食いを優先したい。また、こういった維持では、1.1664をストップに買いも検討できるが、その場合は、1.17ミドルが抑えると利食いで、超えても1.18を前にしっかりと利食いたい。

パウエル発言を再吟味も、既に月末を睨んだ展開【2021年8月30日】

パウエル発言を再吟味も、既に月末を睨んだ展開【2021年8月30日】

ユーロポンド

  • 予想レンジ:0.8520~0.8620
  • 基本戦略: 戻り売り
  • 予想時間:07:46 予想時レート: 0.8570

ユーロポンド相場は、0.9157や0.9218-30で、ダブルトップ的に上ヒゲをつけて、日足の長期サポートを割り込んで0.8451まで下値を拡大も現状はこの位置を維持して反発的。ただし、既にスロー・ストキャスティクスは買われ過ぎ圏で反転下落に入っており、再調整の動きが見えるか注目したい。

下値は、0.853-49の戻り安値で、転換線と絡む位置を維持すると強いが、割れると基準線の0.5222,0.8484-0.8506の戻り安値圏が視野となるが、維持では良いが、0.8460や0.8451の安値を割れると、相場は崩れ月足からは0.8426、0.8339の戻り安値までターゲットとなる。一旦こういった位置は買いが入り易いと見るが、このリスクは0.8282や0.8273の安値割れとなる。

一方上値は、0.8589―94の雲の上下限と絡む位置が抑えると弱い。超えて0.8610―60の戻り高値圏が視野となるが、抑えると上値追い出来ない。0.8671/72の上ヒゲを超えて、0.8691-0.8701の戻り高値圏が視野となるが、上抜けは不透明で、あくまで0.8720や0.8731の戻り高値をしっかりと超えて、一定のあく抜け感から0.87850、0.8792-98などが視野となるが、売りが出易い。超えて0.8919-35,0.8989-97、0.9037-49、0.9077-0.9106が順次視野となるが、やれやれの売りが出易い。あくまで0.9157や0.9218-30の上ヒゲを超えて0.9259まで視野となるが、上抜けは不透明。ただ、ユーロポンドは、こういった上昇では、ほとんどのケースが上ヒゲで終わることは留意しておきたい。あくまで、0.9292を超えて、0.9325、0.9388なども視野となるが、0.9498の高値を越えるかは不透明。ただ、もし超えるなら0.9616の2016年10月の不透明な上ヒゲまで視野となる。

従ってデイの戦略としては、月末でポンドに買い戻しが入り易いこともあって、慎重に売り狙いとなるが、上値は0.8589-94が抑えることを確認して売っても、これを越えるなら止めるスタンス。ターゲットは、0.8543-58の戻り安値圏が維持されると利食い優先も、割れても0.8520-30では利食いを優先したい。またもし、0.8589-94を越える動きがあっても、0.8610-40では売り直しで、このストップは0.8670越え。この場合のターゲットは、0.8589-94が逆サポートされると利食いで、割れても0.8543-58を前に利食いを優先したい。

パウエル発言を再吟味も、既に月末を睨んだ展開【2021年8月30日】