ポンド円 米連銀議長講演後のドル安一服だがポンド円は151円台序盤で確り

ポンド円 米連銀議長講演後のドル安一服だがポンド円は151円台序盤で確り

おはようございます。大塚亮です。

2021年8月31日の相場分析です。

概況

ポンド円の8月30日終値は151.220円、前日比0.087円高と小幅続伸した。取引レンジは151.279円から150.947円。

8月30日は英国市場がバンクホリデーで休場、英国初の新規材料はなく、米国市場も中古住宅販売保留件数他は主要指標の発表なく手掛かり難、先週末のパウエル米連銀議長講演からのドル全面安も一服の動きで全般に小動きだった。

8月27日夜のパウエル米連銀議長によるジャクソンホール・シンポジウムでの講演は、年内に量的金融緩和による債券購入等の縮小=テーパリングを開始するのを妥当としたが、テーパリング終了から早計な利上げへは進まないと強調したことで市場はハト派的内容として株高・米長期債利回り低下反応となり、為替市場はドル全面安となった。ポンド円はポンドドルの上昇を背景に27日深夜には151.509円へ上昇したが、一方ではドル円が反落したことに上値が抑えられたために8月26日夕高値151.583円超えには至らなかった。

8月30日は重要イベント通過と週明けの市場心理の落ち着きもあり議長講演からのドル安も一服、ポンドドルがほぼ横ばいの推移となり、ドル円も午前へ続落した後はジリ高の推移だったため、ポンド円も151円を若干割り込むところは買われつつ151円台序盤にとどまっての小動きにとどまった。

注目ポイント ポンドドルはダブル底形成試し

ポンドドルは8月19日未明のFOMC議事録公開後のドル高局面で8月20日安値1.36023ドルまで下げたところを起点として上昇基調に転じてきた。8月26日午前高値で1.37668ドルを付けたところから27日午前には1.36799ドルまでいったん下げたものの、パウエル議長講演をきっかけとして28日未明に1.37801ドルへ上昇して26日午前高値を上抜いた。その後は新たな高値更新へ進めずにいるものの30日夜に1.37341ドルまで小反落したところは買われて確りしており、一段高状態を維持しつつ高値更新を伺う位置取りとなっているようだ。

8月20日安値では7月20日安値割れを回避して持ち直しているため、さらに続伸に入れば7月20日と8月20日の両安値をダブル底とした上昇期の継続感も強まってくるところだが、そのためにはまず7月30日高値1.39825ドルからの下げ幅に対する半値戻し1.37924ドルを超えてさらに続伸してゆく必要があると思われる。また週末の米雇用統計を強気=ポンド高ドル安で通過する必要があり、雇用統計内容が市場予想を上回る改善となる場合には8月6日の米7月雇用統計からドル全面高となったような展開を再燃しかねない側面も抱えている。当面は雇用統計前の段階としてやや動き難い展開かもしれないが、9月1日にはADP米民間雇用報告やISM製造業景況指数の発表もあるため、やや先取り的な動きがみられるかもしれない。

短期テクニカル分析

ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちとピークアウトを繰り返すリズムがある。8月20日夕安値を目先の底として上昇期に入ってきたが、26日夕高値でいったんピークを付けて27日午前安値へ下落したが、そこからの持ち直しで高値更新を伺うところへ戻しているので、20日夕安値から5日目となる27日午前安値を直近の底として新たな上昇期に入っていると思われる。高値形成期は31日夕から9月2日夕にかけての間と想定されるので151円を割り込んでも回復するうちはまだ一段高余地ありとし、26日夕高値超えからは152円を目指す上昇を想定する。ただし、151円割れから続落に入る場合は弱気転換注意として27日午前安値試しとし、底割れからは新たな下落期入りとなる点に注意する。

60分足の一目均衡表では8月27日夜の反騰で遅行スパンが実線を上抜く好転に入り、先行スパンからも上抜けてきたが、その後は横ばいが続いているため方向感にはやや欠ける。先行スパンからの転落を回避するうちは上向きとして遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパン転落からは下げ再開を警戒して遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は横ばい推移のために50ポイント割れを切り返しつつ60ポイント前後では抵抗にあっている。50ポイントを割り込んでも回復するうちは上昇余地ありとし、65ポイント超えからは70ポイント超えを目指す上昇を想定する。ただし45ポイント割れからは下向きとして3ポイント前後への下落を想定する。

8月31日の売買戦略

ポンド円は上昇一服での横ばい推移だが、8月26日夕高値と27日深夜高値を結ぶほぼフラットなラインを抵抗線とし、24日夜安値から27日午前安値を結ぶ右肩上がりのラインを下値支持線とすれば三角持ち合いの様相であり、上昇一服後の一段高へ進みやすいところとみる。

151円から150.85円までのゾーンは押し目買い有利とし、26日夕高値151.58円超えからは152円を目指す流れとみる。26日高値を超えた後も152.25円以上での推移なら1日も高値試しを続けやすい展開とみる。

150.85円割れからはいったん下げやすくなるご注意して27日午前安値150.465円試しへ向かうとみるが、底割れ回避から151円台回復へ戻すところからは上昇再開とみる。

8月31日の注目経済指標

  • ドイツ
  • 16:55 8月 失業者数 前月比 (7月 -9.10万人、予想 -4.00万人)
  • 16:55 8月 失業率 (7月 5.7%、予想 5.6%)
  • 英国
  • 17:30 7月 消費者信用残高 (6月 3.0億ポンド、予想 4.4億ポンド)
  • 17:30 7月 マネーサプライM4 前年同月比 (6月 6.9%)
  • ユーロ圏
  • 18:00 8月 消費者物価指数速報値 前年同月比 (7月 2.2%、予想 2.7%)
  • 18:00 8月 消費者物価コア指数速報値 前年同月比 (7月 0.7%、予想 1.5%)
    • 米国
    • 22:00 6月 米連邦住宅金融局住宅価格指数 前月比 (5月 1.7%、予想 1.9%)
    • 22:00 6月 ケース・シラー米住宅価格指数 前年同月比 (5月 17.0%、予想 18.5%)
  • 22:45 8月 シカゴ購買部協会景況指数 (7月 73.4、予想 68.0)
  • 23:00 8月 コンファレンス・ボード消費者信頼感指数 (7月 129.1、予想 124.0)