ポンド円見通し 12月16日高値へ迫り12月3日からの上昇二段目入りを伺う

ポンド円

おはようございます。大塚亮です。

2021年12月23日の相場分析です。

概況

ポンド円の12月22日終値は152.384円、前日比0.995円高と大幅続伸した。取引レンジは152.582円から151.101円。21日に前日比1.323円高と大陽線で反騰入りしたが、この日もドルストレートにおけるドル全面安とクロス円の全面高からの円安も重なって大幅上昇を続け、12月16日のFOMC後に付けた高値152.634円に迫っている。

ポンドドルが12月20日安値1.31736ドルからの上昇を継続、23日早朝には1.33622ドルを付けて16日夜高値1.33746ドルに迫ったが、ドル円も22日深夜に114.366円へ上昇して16日早朝高値114.268円を超えて12月4日早朝安値112.559円以降の高値を更新した。このためポンド円は深夜にかけてはポンド高と円安の両面から押し上げられ、深夜以降はドル円が反落したもののポンドドルの上昇継続で高値圏を維持した。

テクニカルポイント 12月3日からの上昇二段目入りを試す

ポンド円は10月20日高値158.219円から12月3日安値148.983円まで大幅下落してきたが、今年7月や9月の下落時と同様に150円割れを買い戻されて確りして12月16日高値152.634円へ上昇した。12月20日に再び150円を割り込んだものの12月3日安値からは底上げしており、12月16日高値を超えれば12月3日安値からの上昇は二段目に入る。

150円割れから148円台中盤にかけて下落したところを何度も買い戻されて岩盤的な下値支持帯を形成してきたのだが、今回の上昇が二段上げへと進めば153円台までの戻りレベルを超えてより本格的な上昇へと発展する可能性が開けると思われる。
日足の一目均衡表では先行スパンが153.50円台から154.40円にかけてのゾーンにあるため、まずは先行スパン到達への上昇を試し、あるいは突破してゆく可能性もあるところとして注目したい。

注目情勢 英国での新規感染者10万人をこえる

英国の新型コロナウイルス新規感染者数は12月22日に10万6100人となりパンデミック発生以降の最多を更新した。オミクロン株の比率も急激に高まっており爆発的な増加ペースだが、12月17日に9万3000人に達したところから9万人前後規模の推移が続いて頭打ちへの期待も出ていたが、一挙に最多を更新してきたことで今後も一段と増加してゆくことが懸念される。
ジョンソン英首相はクリスマス前の規制強化について否定的な見方を繰り返しているが、死者数も増加しており、スコットランドやウェールズでは感染拡大防止への規制強化が打ち出されている。
12月21日、22日とNYダウが連騰、欧州株も高く、市場は景気後退を伴うほどの悪化状況にはならないと楽観的ではあるが、欧米のキリスト教圏におけるクリスマスによる人流拡大と感染急増も懸念されるところだ。

短期テクニカル

ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちと反落を繰り返すリズムがある。
12月16日夜高値を起点とした下落期が12月20日夜安値で一巡して揺れ返しの上昇期に入っているところとし、21日午前時点では21日夜から23日夜にかけての間への上昇余地ありとした。
22日深夜へ高値切り上げてからも152円以上を維持しているのでまだ上昇余地ありとみるが、既に16日夜高値から4日を経過しているので152円割れからはいったん下落期に入るとみて23日夜から27日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では12月21日夜の上昇で遅行スパンが好転、深夜には先行スパンも上抜き、その後も両スパン揃っての好転を維持しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、遅行スパン悪化からはいったん下げに入るとみて安値試し優先とし、その際は先行スパン上限を試すとみる。

60分足の相対力指数は12月21日深夜に80ポイント到達まで上昇してからはその後の相場の一段高でも指数のピークがほぼフラットな弱気逆行型となているので55ポイント割れからは下落期に入るとみて40ポイント前後への下落を想定する。

12月23日の売買戦略

12月16日夜高値と面合わせする水準まで戻したことで目先はいったん利益確定売りも出やすいところとみるが、調整安に入る場合は落ち着き処を探りつつ押し目買いの機会と考えたい。
152.70円から153円手前は戻り売りにつかまりやすいとみる。
152円割れからはいったん下げに入るとみて151円台中盤(151.70円から151.30円)を試すとみる。151.50円以下は押し目買いされやすい水準とみる。

12月23日の主な予定

  • ドイツ
    ー16:00 11月 輸入物価指数 前月比 (10月 3.8%、予想 1.1%)
    ー16:00 11月 輸入物価指数 前年同月比 (10月 21.7%、予想 22.3%)
  • 米国
    ー22:30 新規失業保険申請件数 (前週 20.6万件、予想 20.5万人)
    ー22:30 11月 個人所得 前月比 (10月 0.5%、予想 0.4%)
    ー22:30 11月 個人消費支出(PCE) 前月比 (10月 1.3%、予想 0.6%)
    ー22:30 11月 PCEデフレーター 前年同月比 (10月 5.0%、予想 5.7%)
    ー22:30 11月 PCEコアデフレーター 前月比 (10月 0.4%、予想 0.4%)
    ー22:30 11月 PCEコアデフレーター 前年同月比 (10月 4.1%、予想 4.5%)
    ー22:30 11月 耐久財受注 前月比 (10月 -0.5%、予想 1.6%)
    ー22:30 11月 耐久財受注・輸送用機器除く 前月比 (10月 0.5%、予想 0.6%)
    ー24:00 12月 ミシガン大学消費者信頼感指数確報値 (速報 70.4、予想 70.4)
    ー24:00 11月 新築住宅販売件数・年率換算件数 (10月 74.5万件、予想 77.0万件)