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FXで取引をした経験があれば「スワップポイント」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
FXには通貨の売買によって得られる利益の他に、実はポジションを保有しているだけで得られる利益もあるんです。
それがスワップポイント。
ということで、今回のエフテンでは、意外と知られていないFXのもう1つの稼ぎ方、スワップポイントについてご紹介していきます。
目次
FXのスワップポイントとは
まず、スワップポイントがどういったものなのか、説明していきましょう。
FXは通貨と通貨を交換することで、その差額で利益を生み出すわけですが、実はこの時に金利の交換も行われているんです。
2つ国の通貨の間に金利差が生じていると、その差額を調整するためにスワップポイント(金利差調整分)の受け取りや支払いが発生します。
スワップは、ポジションを保有して翌営業日を迎える度に、その日数に応じた金額を受け取り、あるいは支払うことになります。
※証券会社によって異なる場合があります
具体的には、どのようなパターンだとスワップポイントで利益が出るのでしょうか?
それは「金利が高い国の通貨を買って、金利が低い国の通貨を売る場合」です。
例えば、米国の金利は0.25%、日本の金利は-0.1%としましょう。
その場合、米ドルを買い、円を売りとすると、
0.25%(米ドル) - 0.1%(円) = +0.15%(金利差)
となり、+0.15%の金利差益、つまりスワップポイントが受け取れます。
逆にマイナススワップと言ってスワップポイントを支払わなければならないパターンもあります。
それが「金利が低い国の通貨を買って、金利が高い国の通貨を売る場合」です。
例えば、先ほどの数値を変えて米国の金利は0.1%、日本の金利は-0.25%とします。
その場合、米ドルを買い、円を売りとすると、
0.1%(米ドル) - 0.25%(円) = -0.15%(金利差)
このように、低金利の買いで、高金利で売りとなると、マイナススワップとなってしまうので、支払いが発生してしまいます。
スワップポイントで利益を得たい場合は、必ずマイナススワップになっていないのか、注意する必要があります。
スワップポイントの計算方法
それではここからは、具体的にどのような計算式でスワップポイントが算出されるのかをご紹介します。
1年間のスワップポイント÷365日=1日あたりのスワップポイント
計算式は上記のようになっています。
例として、金利差が1.4%とした場合のAUDJPYで計算してみましょう。
【条件 1豪ドル=80円 1万通貨保有】
1年間のスワップポイント
- 80円×1万通貨×1.4% = 11,200円
1日あたりのスワップポイント
- 11,200円÷365日 = 約30円
と、このように、AUDJPYで取引した場合、1日あたり約30円のスワップポイントが発生し、1年間ならスワップポイントだけでも1万1200円の利益になることがわかりました。
このようにスワップポイントを上手く利用すれば、毎日コツコツと利益を生み出すことも十分可能になります。
【FX会社別】スワップポイントの利益率
スワップポイントの利益を目的としてトレードする場合に、意識してほしいのが、証券会社によって同じ通貨ペアでもスワップポイントに違いがあるということ。
つまり、あなたがすでにどの通貨ペアで取引を行うか決めているのであれば、その通貨ペアのスワップポイントが有利な証券会社を選ぶのも重要です。
以下は、2つの証券会社が公表している1日のスワップポイントの比較です。
※2021年02月24日時点、各証券会社サイト掲載数値参考
GMOクリック証券 ※10Lot
- 南アフリカランド/円 93円/日 → 33,945円/年
- メキシコペソ/円 37円/日 → 13,505円/年
みんなのFX ※10Lot
- 南アフリカランド/円 71円/日 → 25,915円/年
- メキシコペソ/円 51円/日 → 18,615円/年
こちらを見てもらうと分かる通り、南アフリカランド/円であれば、GMOクリック証券のほうが、利益率は高いですが、逆にメキシコペソ/円は、みんなのFXのほうが利益率は高くなります。
このように、2つの会社を比較しただけでも大きく利益率が変わるので、証券会社を選ぶ時の参考にしてみてください。
スワップポイントを計算する場合の注意点
さて、ここまで「スワップポイントは利益になる」という話を伝えてきましたが、もちろんメリットばかりではありません。
ここからは、スワップポイントで注意しなければいけないポイントについてご紹介しましょう。
注意点1:金利はリアルタイムで変動する
もっとも注意しなくてはならないのは、スワップポイントがプラスだった通貨ペアが、一転して、マイナスになる可能性があるということです。
各国の金利は常に変動しているため、短期間のうちに大きく金利が動いてしまうこともあり得ます。
例えば、基本的にオーストラリアは日本よりも金利が高いのですが、突然日本の金利が5%に上昇し、オーストラリアの金利が1%に下落する、なんてことだって絶対に起きないとは言えません。
そうなると、具体的にどうなるのか?
シュミレーションしてみましょう。
オーストラリア 金利 1% 買い
日本 金利 5% 売り
金利差:1% - 5% = -4%
【条件 1豪ドル=80円、1万通貨保有の場合】
1年間のスワップポイント
- 80円 × 1万通貨 × -4% = -32,000円
1日あたりのスワップポイント
- -32,000円÷365日 = -約88円
このように、1年間でなんと-3万2,000円のマイナススワップになり、毎日-88円の支払いが発生してしまうのです。
金利の動きを前もって知ることはできませんが、定期的に変動する金利をチェックしながら、保有するポジションを管理していきましょう。
注意点2:新興国通貨にも注意しよう
先ほどはリアルタイムで変動する金利に注意しよう、とお伝えしましたが、具体的にどのような通貨に注意しなくてはならないのでしょうか?
数ある通貨の中でも、特に注意すべき通貨というものがあります。
それは、新興国通貨です。
新興国通貨はスワップポイントの高さが魅力ですが、新興国というのは政治的・経済的に不安定なことが多く、下落リスクもつきまとうもの。
実際に、高金利通貨として知られるトルコリラは、何度か大暴落が起きた過去があります。高金利であることだけに注目して闇雲にスワップポイントを狙っていたら、それ以上の大損失を招いてしまうでしょう。
また新興国である以上、暴落どころか、通貨自体が消失してしまうこともあり得ます。
もちろん注意さえしておけば、新興国通貨自体は高金利でスワップポイントを狙いやすいものになりますので、そうしたリスクがあることを念頭においておきながら、トレードを検討しましょう。
スワップポイント狙いの運用に適した通貨ペア
最後に、スワップポイントが期待できる、注目の高金利通貨ペアをご紹介します!
せっかくならスワップポイントでも利益を出していけるように、ここでしっかりと狙うべき通貨ペアを絞っておきましょう。
通貨ペア1:トルコリラ/円
高金利通貨の代表格として有名な通貨ペアです。
2014年頃から日本のFX会社がトルコリラ/円を取り入れたことで、その名は広く知られるようになり、投資家からの人気が年々上昇しています。
この通貨が流通しているトルコという国は、製造業が発展し、工業製品を輸出していますが、地理的に優位なためEUのほか中東へも輸出が拡大。
さらに総人口の半分が32歳以下という点から、労働人口、そして消費のけん引役が多い国としても期待されています。
先ほどはリスク面についても説明しましたが、上手に付き合えば効率よく利益を積み上げられる、スワップポイントの代表格のような通貨ペアですね。
通貨ペア2:メキシコペソ/円
メキシコでは近年、工業化が急速に進んでおり、自動車・機械・電子機器などが主要産業となっています。そうした国の発展性から、メキシコペソにも注目が集まっているんですね。
ただし注意すべき点としては、輸出の80%以上が米国向けであること。
つまり、米国の景気動向がペソ相場に大きな影響を与えている状況となっています。
米国に完全に依存した経済構造であるものの、一方で米国とメキシコの対立関係も続いているため、この対立が強まるとメキシコ経済へのダメージが大きくなるでしょう。
ある程度米国との関係が落ち着けば、さらに高金利通貨として力を発揮することも期待できます。
通貨ペア3:南アフリカランド/円
南アフリカは、金、プラチナ、パラジウムなどの鉱物資源に恵まれた世界有数の資源国です。そのため資源国通貨として知られ、相場への影響が大きいです。
近年、高金利通貨として知られていた豪ドルやNZドルの金利が低下してきたこともあり、新たな高金利通貨がトレーダーたちから求められていました。そんな中で台頭してきた南アフリカランドは、まさに期待の通貨として注目を集めています。
ただし、資源大国の通貨とはいえ、手放しにトレードはできません。
労働市場が不安定なことでも知られており、鉱山労働者などの長期ストライキがランド売りを誘うなどのケースがみられるので、スワップポイントを狙う際は注意が必要です。
これらの通貨ペアは新興国としてのリスクにさえ気をつければ、高額スワップポイントを狙いやすいので、スワップポイントで利益を効率的に手にしたい方は、ぜひ、積極的に狙ってみてください。
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