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FXにおいて環境認識は、最上級の必須テクニックです。
具体的なやり方については、様々な書籍やサイトで学ぶことができますが、読んだだけでは身につかないのが環境認識の難しいところ。
そこで本記事では、環境認識のトレーニングとして、実際のチャートから5つほど例題を出題していきます。
環境認識について正しく理解できているかどうか、ぜひ本記事の例題に挑戦してみてください!
目次
FXにおける環境認識とは
FXにおける環境認識は、以下の確認を目的としています。
・トレンドの方向性
・レンジ相場か否か
・トレンド転換のタイミング
FXで大きく稼ぐためには、トレンドに上手く乗じることが重要となりますが、そのための準備として環境認識があるわけです。
しかし環境認識は、決まりきったやり方が確立されているわけではなく、初心者トレーダーにとっては何をすべきか不安に感じるのではないでしょうか。
基本としては、テクニカル指標を用いて定量的にチャートを分析することですが、とりわけ以下に従って環境認識することをおすすめします。
・トレンドライン
・水平線ライン
・移動平均線
・エリオット波動
・ダウ理論
次節より示すチャートを見て、上記のどの手法が使えそうなのか、実力試しと思ってぜひ環境認識のトレーニングに挑戦してみてください。
FXは環境認識で9割決まる!初心者が習得すべき環境認識のコツ7選!FXの環境認識トレーニングで実践すべきこと
本記事では、FXの環境認識について5問出題していますが、初心者からすればどういったポイントに注目すればよいか分からないかもしれません。
前節で環境認識の目的や、確認すべき項目を列挙しましたが、初心者が全てを網羅するのは難しいでしょう。
そこで、まずは以下の3点をトレード毎に確認することをおすすめします。
1.上位足でトレンドを確認する
2.レジサポラインを確認する
3.トレンドの戦略を立てる
以下より、それぞれの詳細について解説します。
1.上位足でトレンドを確認する
トレンドを確認する際は、必ず日足以上の上位足で行ってください。
以下はドル円チャート、直近12ヶ月の日足チャートです。
2024年は、年始から7月まで緩やかな上昇トレンドが継続しており、そこから大きな下落を見せています。
9月中旬からは、また上昇トレンドに転じているため、現状では上目線という認識を持っておきたいところです。
2.レジサポラインを確認する
トレンドの方向性を確認した後は、レジサポラインを確認していきましょう。
先ほどと同じチャートに、目立つ水平線を引いてみました。
目的としては、水平線と現状のレート帯との位置関係を把握するためです。
現状では、ちょうど水平線を上抜けたタイミングであることが分かります。
3.トレンドの戦略を立てる
最後は、トレンドがどこまで継続するのか、戦略を立てておきましょう。
この工程を済ませておくことで、後々エントリーの精度に大きな差が生じるためです。
水平線を上抜けた後は、次の水平線(水色)までは伸びると見立て、各種インジケーターでタイミングを測りながらエントリーすると良いでしょう。
大事なのはトレンドの方向性を見極め、意図しない逆張りエントリーを防ぐことです。
FX環境認識トレーニング 例題5選
ここからは、環境認識のコツを掴むための例題を解説していきます。
どのような思考でチャートを見るべきか、ぜひ参考にしてみてください。
環境認識トレーニング1
以下のチャートは、米ドル円(USD/JPY)の4時間足チャートです。
チャートの形状を見て、どの分析手法が使えそうか、ぜひ一度考えてみてください。
パッとみたところ、チャートの形状は明らかな下落トレンド、環境認識を進めるためにはトレンドラインが役立ちそうです。
実際にトレンドラインを当てめてみましょう。高値同士を結ぶとトレンドラインは以下のようになります。
これで、チャートの方向性は大体捉えることができました。
さて、ここからチャートはどのように値動きしていくでしょうか。
上で示した赤のトレンドラインの影響力は大きく、その延長線上である青のトレンドラインも、かなり的確に値動きを捉えていることが分かります。
このようにトレンドラインによる環境認識では、エントリーの方向性、また逆張りエントリーの反転箇所に目星を付けれるようになるため、ぜひとも習得しておきたいテクニックです。
環境認識トレーニング2
以下のチャートは、ユーロドル(EUR/USD)の4時間足チャートです。
ひと目見てわかるのは、若干上昇トレンドで推移しつつも、現状ではほとんど値動きが見られないということ。
チャートの右側に移るにつれて、レンジ相場が目立つようになってきているため、水平線ラインを引いてみましょう。
レジスタンスラインだった水平線が、次第にサポートラインに役割シフト(ロールリバーサル)しており、複数回にわたってレンジブレイクが阻止されていることが分かります。
レンジブレイク後はトレンドが生じやすいため、抜けるまでは様子見、あるいは陽線・陰線が数本連続して並んだことを確認して、順張りしていくことをおすすめします。
FX環境認識トレーニング3
以下のチャートは、ポンドドルの日足チャートです。
2022年を通してほぼ下落トレンド、10月あたりからトレンド転換して、上昇トレンドに移行していることが分かります。
チャートに大きな転換点が確認できるとき、意識しておきたいのがダウ理論の1つ「トレンドは転換の明白なシグナルが出るまで継続する」という考え方です。
ここで指す明確なシグナルとは、トレンド転換前に出現した直近高値を乗り越えるか・乗り越えないか、と考えてください。
直近高値を突き抜けるようであれば、そのまま転換せずに上昇トレンドが継続する見通しです。
一方で直近高値ラインで反転、あるいは直近高値ライン付近でレンジ相場気味に推移するようであれば、トレンド転換も起きやすいということを覚えておきましょう。
FX環境認識トレーニング4
以下のチャートは、ニュージードル米ドル(NZD/USD)の日足チャートです。
チャートの形状を見て、どの分析手法が使えそうか、ぜひ一度考えてみてください。
こちらのチャートで環境認識を行うためには、上述した「トレンドライン」や「ダウ理論」を用いてもOKですが、移動平均線も非常に役立つので紹介しておきます。
チャート上に、期間の異なる移動平均線を3本(短期・中期・長期)表示させましょう。
2020年を通して移動平均線が上向きのパーフェクトオーダー、非常に強い上昇トレンドを形成していることが分かります。
一方で、2021年3月頃からは移動平均線がほぼ横ばいになっており、トレンドがかなり弱まっていることから、転換点も近い様子。
実際、移動平均線が横ばいになったあたりがトレンドのピークで、その後は約2年近くにわたって下落トレンドを形成しています。
チャートを見てわかる通り、2021~2022年のNZDUSDは、移動平均線のパーフェクトオーダーに従ってショートポジションを仕込むだけで勝てる環境でした。
移動平均線のパーフェクトオーダーは、初心者にも扱いやすく、高い精度でトレンドの方向性を捉えることが出来ますので、手軽な分析手法としてぜひ取り入れてみてください。
FX環境認識トレーニング5
以下のチャートは、ユーロ豪ドル(EUR/AUD)の日足チャートです。
チャート全体を見ると、各所にトレンドラインや水平線を引くことが出来るものの、それ故にこれからどう推移していくのか読みにくい状態と考えられます。
そんな時に役立つのが、チャート上に出現するエリオット波動を読み取る環境認識。
エリオット波動とは「チャートの値動きは推進と調整を繰り返す」という考え方であり、これに当てはめることで、相場の方向性やシナリオを見通すことが出来ます。
チャートの右端に注目してみると、丁度エリオット波動の第5波を超えて、C波に差し掛かっている局面です。
完成してからでなければ中々エリオット波動に気づくことは出来ませんが、チャートの値動きは、必ずエリオット波動のいずれかの波に含まれます。
気づいたタイミングが第3波や第5波であれば、大きくpipsを稼げるエントリーチャンスになりますので、現在レートがどの波に位置しているか考える習慣を持っておきましょう。
環境認識トレーニングのコツ
ここからは、ワンランク上の環境認識を習得するためのコツをお伝えしていきます。
環境認識は、トレーダーごとにやり方は異なりますが、おそらく勝てている大半のトレーダーが以下のコツを意識しているはずです。
コツ1:マルチタイムフレーム分析
前節では、1つのチャートだけにスポットを当てて環境認識の具体例を示しましたが、リアルタイムでは複数の時間足まで確認(マルチタイムフレーム分析)しておくべきです。
複数の時間足を見ると上画像のように、1時間足では下落トレンド、4時間足では緩やかな上昇、日足では上昇トレンドというように、時間足ごとにトレンドの方向性が異なる局面が頻発します。
このような状況では展開が読めないため、エントリーを見送ったり、また上位足のトレンドへ順張り意識を向けて、下位足で逆張りを仕込んだり、より柔軟な立ち回りができるようになるはずです。
コツ2:上位足を重点的にチェック
トレンドは上位足にいくほどチャートに大きな影響をもたらします。
例えば、5分足の上昇トレンドは1時間足の下落トレンドの飲み込まれることが多く、1時間足のトレンドも4時間や日足のトレンドには及びません。
そのため環境認識を行う際には、上位足ほど入念にチェックしておく必要があり、逆に言えば下位足の環境認識の意義は薄いと言えます。
スキャルピング等の短期トレードに挑まないのであれば、4時間足・日足・週足だけをチェックしておけば十分事足りるでしょう。
コツ3:通貨強弱まで確認すべし
通貨強弱とは1つの通貨において、どのくらい買われているか、また売られているのかを分析する手法です。
例えば、「米ドル」の需要が高まり「日本円」の需要が低くなった時、米ドル円のチャートでは上昇トレンドが発生します。
基本的には、通貨強弱(需要)の差が大きくなるほどトレンドが生じやすくなり、差が開かなければレンジ気味に推移していくため、相場シナリオを立てる際に役立ちます。
環境認識の一環として通貨強弱までチェックしておくことで、その日に扱うべき通貨ペアが見えてくるようになるでしょう。
通貨の強さでFX相場を分析!通貨の強弱とは?トレード手法、注意点も解説コツ4:ファンダメンタルズも考慮
トレンドの方向性が掴めるのは、チャート画面だけではありません。
チャート外の情報、つまりファンダメンタルズのによる分析も必要になることがあります。
例えば2024年のメキシコペソは、年始から6月まで緩やかに上昇トレンドを形成していましたが、新大統領の就任や日本円金利の上昇など、政治や経済情勢を理由に大きく価格を落としています。
このような大きなトレンド転換は、テクニカル分析だけでは推し量れません。
運用する通貨ペアに関する情報は、FXアプリのニュース機能などを有効活用して、日々仕入れておきましょう。
まとめ:FX環境認識はトレーニングあるのみ!
本記事では、FX環境認識のトレーニングとして例題を5つほど出題しました。
冒頭でもお伝えした通り、環境認識に決まったやり方はなく、記事中のチャートの見方についても一例に過ぎません。
とはいえ、ある程度の基本やセオリーは確立されており、全てはチャートの方向性を確認するために行われます。
不用意にエントリーして含み損を抱えないためにも、ぜひ日頃から環境認識のトレーニングに励んでみてください。
以上、参考にしていただければ幸いです。