突然ですが、FXの為替相場にも特定のサイクルがあるといわれているのをご存知ですか?
「市場に参加している人によって相場は変わるんだから、相場の動き方はランダムなんじゃないの?」
すでに相場の仕組みを学んだ方はそんな風に考えるかもしれませんが、「エリオット波動理論」を説いたラルフ・ネルソン・エリオット氏は、ある一定のサイクルのもと相場は動いていると考えました。
有名な理論なので、もしかしたら「エリオット波動理論」の名前を聞いた方もいるかもしれませんね。
今回は、「エリオット波動理論」について理解を深めるとともに、実際の相場を確認しながら、トレードでの活用法にも目を向けてみたいと思います。
「エリオット波動理論」を学ぶことで、難しいインジケーターを使うことなく相場の動きを予測できるようになれば、トレードのチャンスを逃さないトレーダーになれるはず!
FXでより稼げるトレーダーになりたいと考えている人は必見ですよ^^
「エリオット波動理論」をしっかり理解して、あなたのトレードの幅を広げましょう。
目次
相場のリズムを掴め!エリオット波動理論とは?
先ほども簡単に説明したとおり、「エリオット波動理論」は相場の持つ一定のサイクル(規則性)を捉えたものです。
アメリカの株式アナリストであったラルフ・ネルソン・エリオットが提唱したものですが、この相場の値動きは株価に限らず、もちろん為替相場にも当てはまる相場分析法なんですよ!
具体的に確認していきましょう。
ラルフ・ネルソン・エリオットの「エリオット波動理論」によると、相場の動きは【5つの上昇波動・3つの下降波動】があるといわれています。

上の図を見てもわかるように、上昇の5波を細かく見てみると「上昇→調整→上昇→調整→上昇」といったかたちになっています。
トレンドの相場というのは、一気に上り詰めるのではなく、じわじわと上昇していくんですね。
そして下落の場合は、「下落→調整→下落」といったかたちで、上昇する時よりも短いスパンで下っていきます。
このようなジグザグと相場が進んでいく様子は、実際のチャートを見たことのある方なら見覚えのあるかたちかもしれません。
ここでユーロドルの日足チャートに当てはめた図も見てみましょう。

このように、相場が上昇したり調整したりしながら進んでいる様子が確認できます^^
ただし、実際の相場ですぐさま第1波を捉えて、トレンドの頭から尻尾まで利益にすることはまず無理だと思います。
トレンドが発生したタイミングで捉えることはできませんからね。
そこで今度は、エリオット波動理論をトレードに活かすためにも、それぞれの上下に動く波動が持つ特徴について、ひとつずつ確認していくことにしましょう。
第1波
初期の上昇。しかし先ほども触れたように、ここで上昇トレンドに入ったと判断する人はほとんどいない場面です。
多くのトレーダーは、直近の下降の戻りとして一時的に値上がっていると判断します。そのため、第1波は後付で判断できる部分ということですね。
第2波
初期の上昇に対する反動の下落。第1波の押し目ですね。
そのため、第1波の底値は下回らない状態の時に、第2波と判断できます。そのまま下落する場合は下降トレンドの継続です。
この場面では、第1波の時に底値を判断して買いエントリーしたトレーダーが、一旦の利益確定をすることで下げています。
また、まだ上昇トレンドの形成を判断できる場面ではないため、この第2波が深く入ることも多々あるのが特徴といえます。
第3波
「エリオット波動理論」の中で最も大きな上昇を見せるといわれる波、それが第3波です。
多くのトレーダーがここで上昇トレンドに入ったことを認識する場面でもあるため、大きな動きを見せます。
ここまで売り目線でポジションを持っていたトレーダーは、この第3波で決済(ストップロスにかかるものも含めて)をします。
そのうえ、トレンドを確認して買いエントリーをするトレーダーも現れる場面なので、ダブルの圧力がかかった結果、力強い波動になる傾向があります。
第4波
第3波の上昇に対する調整になる押し目の下落です。
大きく伸びた第3波の利益確定で売られるために下落するものの、勢いのあった第3波の上昇に遅れて参加するトレーダーによる買いもあるため、この第4波は一時的な調整となります。
また、第4波は第1波の高値よりも下に値をつけないのも特徴です。
そこまで下落してしまうと、そのままトレンド転換となってしまう可能性があります。
第5波
第4波の押し目が、直近の安値を超えずに上昇していきそうだと判断できたとき、トレーダーは「まだ上昇の勢いがある」と判断して買いエントリーするため、再び第5波として上昇が見られます。
ここで買いエントリーが少ないとうまく波を形成できず、そのまま下落してしまうこともあるのですが、エリオット波動理論的には第5波まで形成されると見ています。
こうした理由もあるため、第3波の高値を抜けないフェイラー(未達成)が発生する可能性もあります。
A波
第5波からの下落ですが、この時点では押し目のようにも見えるため、まだ下落トレンドの発生と判断することのできない場面です。第1波の時と同じですね。
そのため、ほとんどのトレーダーはA波を事前に察知してトレンド転換だと気づくことができません。
B波
A波という下落に対する反動の上昇ですが、ここもまた実際には判断に迷うところでしょう。
A波の戻しなのか、第5波の勢いに乗って上昇する場面なのか、どちらとも捉えることができる場面です。
まだ上昇トレンド中だと判断したトレーダーの買い目線によって、一時的に上昇している場面と見ることもできます。
C波
多くのトレーダーが下落の目線に切り替わる場面ですね。これまでに比べても大きな下落となりやすいところです。
B波が確定する際にこの高値は、直近の高値より下回ることになるので、このC波は下落トレンドであろうと多くのトレーダーが考えます。
以上の合計8つの波動を総称して「エリオット波動理論」と呼ばれています。
このような波動の特徴を意識しながら、再度先ほどのチャートを見てみましょう。

最初に確認した時よりも、それぞれの動き方を意識して眺めることができましたか?
ちなみに、このエリオット波動理論は、長期足から短期足まで幅広く確認することができます。
また、この波動の動きは短期的にも、そして長期的にも繰り返されるサイクルだとされていて、それぞれの周期に名称もついているんですよ^^

100年以上の目線で相場を眺めても特定のサイクルが見受けられるなんてすごい理論ですね……!
長期足を確認して相場の方向性を確認する際に、意識してみることによる気付きもあるかもしれませんよ。
エリオット波動理論の拡張!? エクステンションとは?
ここまでお伝えしてきているように、エリオット波動理論で説かれている相場のサイクルを理解できれば、相場の予測をするうえでだいぶ重宝しそうですね。
しかし、実際のチャートを確認してみてもわかるように、なかなかハッキリとわかりやすい形状を見せてくれるものではありません。
そのため、実際の相場を確認しながら少しずつ見る目を養っていく必要があるでしょう。
その際にぜひ覚えておいてほしい特徴のひとつに「エクステンション(拡張)」というものがあります!
これは下記の図のように、大きな波の中に小さな波を確認できる現象です。
大きな波の中に見られる小さな波もまた、5つの波形を作り上げているのがポイントとなります。

このエクステンションは第1波、第3波、第5波の中に見出すことができます。
どこで発生するかは相場によって異なるわけですが、多くの場合は「1度エクステンションを確認したらほかの波動では見られない」といわれています。
たとえば第3波でエクステンションが発見されたとしたら、そこで大きな上昇が見られるうえに、第1波、第5波ではエクステンションしないので、それほど大きな波形にならないだろうと考えられます。
ちなみに、第1波でエクステンションが出ることは少ないともいわれています。
第1波はまだ、多くのトレーダーが上昇トレンドと判断していない状況ですから、波長が拡張される現象は見られにくいんですね^^
「大きな波の中に起きる小さな波」と言葉で説明すると、簡単なようでいて、実際の相場で正しく判断するのは難しいと感じられるかもしれません。
これもまた経験によって鍛えることができますから、まずは過去相場を練習台にして、少しずつ慣れていきましょう!
エリオット波動理論:まとめ
ここまで、相場の動きにはサイクルがある、ということを伝える「エリオット波動理論」をご紹介してきました。

トレンドを味方につけることができれば、一度に大きな利益を得られるようになります。
理論というと難しそうに感じてしまうかもしれませんが、その内容はシンプルで、なおかつ相場を捉えるのに効果的なものです。
ぜひ、エリオット波動理論を習得して、あなたのトレードスキルを広げていってくださいね!