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この記事では、フィボナッチリトレースメントの使い方を、FX初心者の方にもわかるよう噛み砕いて解説します。
フィボナッチリトレースメントとは、中世で最も才能があったと言われているイタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが発見した「フィボナッチ数列」を用いて相場を分析するツールの一種です。
「名前からして難しそう」というイメージを持つかもしれませんが、実は使い方はとてもシンプルですし、有利にトレードができる強力な武器として役立つことでしょう。
最後まで読んで、フィボナッチリトレースメントの使い方をマスターしていきましょう。
目次
フィボナッチリトレースメント手法とは
フィボナッチリトレースメントは、黄金比を用いてトレンドの押し目買いや戻り売りを推測するテクニカル分析方法です。
上の画像を見てわかるように、フィボナッチリトレースメントの水平線の価格帯で反発が起こっていますよね。
フィボナッチリトレースメントを使えば、押し目や戻りが起こる場所を予め推測できるので、かなり勝率の高いトレードができます。
フィボナッチリトレースメントで使われている数値「フィボナッチ比率」について、さらに深堀りしていきましょう。
フィボナッチ数列とは
フィボナッチ比率の話をする前に、比率の元となる「フィボナッチ数列」から解説しす。
フィボナッチ数列とは、数学者レオナルド・フィボナッチが発見した自然界の法則性を数式化したものです。
- <2つ前の項と1つ前の項を足し合わせていくことでできる数列>
- α1=α2=1
- αn+2=αn+1=αn(n≧1)
これだけでは、ほとんどの人がちんぷんかんぷんだと思うので、フィボナッチを解説した例題をご覧ください。
このようなうさぎの殖え方が、フィボナッチ数列そのものを表しています。
フィボナッチ数列には不思議な法則性があり、代表的なところで言えば「隣り合う数字を足すと、その次の数字となる」という特徴があります。
- <フィボナッチ数列:1 , 1 , 2 , 3 , 5 , 8 , 13 , 21 , 34 , 55 , 89 , 144 ・・・>
1+1=2
1+2=3
2+3=5
3+5=8
5+8=13
8+13=21
13+21=34
21+34=55
34+55=89
55+89=144
・
・
・
フィボナッチ数列で出てくる数字は、全て1か自分自身でしか割ることができない「素数」という特徴もあり、とにかく不思議な数列です。
フィボナッチ数列は自然界に多数存在しています。
例えば植物の花びらは「3枚、5枚、8枚、13枚・・・」と、フィボナッチ数列に当てはまることが多いですし、松ぼっくりやパイナップルの表皮なども、この数列が当てはまると言われています。
自然界に点在する数列を用いて導き出されたのが、フィボナッチリトレースメントでも使われているフィボナッチ比率です。
フィボナッチ比率とは
フィボナッチ比率とは、フィボナッチ数列の数字を用いて導き出したとある法則性を持った比率のことです。
先ほど列挙したフィボナッチ数列を参考に、実際に比率を出してみましょう。
- <隣り合う数字を1つ後ろの数字で割った場合>
フィボナッチ数列:1 , 1 , 2 , 3 , 5 , 8 , 13 , 21 , 34 , 55 , 89 , 144 ・・・
1÷1=1
1÷2=0.5
2÷3=0.67
3÷5=0.6
5÷8=0.625
8÷13=0.615
13÷21=0.619
21÷34=0.618
34÷55=0.618
55÷89=0.618
・
・
・
どんどん「0.618」へと近づいていく
- <隣り合う数字を2つ後ろの数字で割った場合>
- フィボナッチ数列:1 , 1 , 2 , 3 , 5 , 8 , 13 , 21 , 34 , 55 , 89 , 144 ・・・
1÷2=0.5
1÷3=0.33
2÷5=0.4
3÷8=0.375
5÷13=0.384
8÷21=0.380
13÷34=0.382
21÷55=0.381
34÷89=0.382
・
・
・
どんどん「0.382」へと近づいていく
- <隣り合う数字を1つ前の数字で割った場合>
- フィボナッチ数列:1 , 1 , 2 , 3 , 5 , 8 , 13 , 21 , 34 , 55 , 89 , 144 ・・・
1÷1=1
2÷1=2.0
3÷2=1.5
5÷3=1.667
8÷5=1.6
13÷8=1.625
21÷13=1.615
34÷21=1.619
55÷34=1.618
89÷55 1.618
・
・
・
どんどん「1.618」へと近づいていく
- <隣り合う数字を2つ前の数字で割った場合>
- フィボナッチ数列:1 , 1 , 2 , 3 , 5 , 8 , 13 , 21 , 34 , 55 , 89 , 144 ・・・
2÷1=2
3÷1=3
5÷2=2.5
8÷3=2.666
13÷5=2.6
21÷8=2.625
34÷13=2.615
55÷21=2.619
89÷34=2.617
・
・
・
どんどん「2.618」へと近づいていく
このように導き出された数値は「黄金比」と呼ばれ、人間が直感的に最も美しいと感じやすい比率だと言われています。
例えば、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「モナリザの微笑」や、iPhoneを開発しているApple社のロゴマーク、サラリーマンが使用している名刺の形など、デザインの世界でかなり使われています。
そんなフィボナッチ比率こと黄金比は、FXを始めとするチャート分析でも高い効果を発揮することから、フィボナッチリトレースメントを始めとする「フィボナッチ〇〇」というツールが生み出され、有力なテクニカル分析方法として確立されました。
ここまでちょっと難しい解説をしてきましたが、先程出てきた計算式などは覚えなくても大丈夫です。
重要なのは黄金比率で最もメジャーな数値、「38.2」「61.8」「1.618」この3つだけは必ずで覚えておけば十分です。
フィボナッチの定義と有効的な使い方フィボナッチリトレースメントのメリット
フィボナッチリトレースメント最大の魅力は、押し目や戻りをピンポイントで予測できるということ。
テクニカル分析でよく使われるインジケーターやプライスアクションは、全て相場の動きに遅れて形成される遅行指標ですが、フィボナッチリトレースメントは、相場の動きよりも先を予測できる先行指標なので、値動きの予測を格段に立てやすくなります。
例えば、このような場面でフィボナッチリトレースメントを使ってみましょう。
遅行指標を使ったトレードの場合、売買のサインがいつ来るかわからないので「気づいたらチャンスを逃していた」なんてことを経験した人も多いかと思います。
しかし、フィボナッチリトレースメントのような先行指標であれば、どの価格に近づいたらエントリーすればいいかが明確になっているので、IFD注文を活用すればほったらかしでもチャンスを逃さずにトレードできます。
さらに、押し目や戻りが発生しやすい価格帯がピンポイントでわかるので、利益を大きく狙えるのもメリットですね。
スキャルピングのように細かく利益を獲っていく稼ぎ方の場合、獲得pipsが少ないとスプレッド負けをしがちですが、押し目の底や戻りの天井を狙えば高勝率で大きく利益を狙えます。
IFD注文とは?FX取引を自動化できる注文方法を解説フィボナッチリトレースメントのデメリット
フィボナッチリトレースメントは先行指標として有効とお伝えしましたが、先を見通せて予測を立てやすい分、予測通りに反発しない場合もあります。
例えば、この画像をご覧ください。
フィボナッチリトレースメントを引いて戻り売りを狙っていましたが、「38.2%」「61.8%」ともに機能せずに突破されていますよね。
このようにフィボナッチリトレースメントを引いたから必ず的中する、というわけではありません。
そのためフィボナッチリトレースメントを単体で使うのではなく、他のインジケーターやツール、プライスアクション、環境分析を組み合わせて、多くのトレーダーの視点を取り入れることをオススメします。
また、フィボナッチリトレースメントに限らず、フィボナッチ系ツールの大きな弱点として、使う人の「裁量」が大きく影響します。
フィボナッチリトレースメントを例に上げると、どこを起点に、どこを終点にラインを引くかで勝率も大きく変わってきます。
このようにローソク足のヒゲと実体でフィボナッチリトレースメントを引き方も変わってきますし、その影響で意識する価格帯もズレてきます。
そのため、ドンピシャで押し目や戻りを的中させるにはある程度の熟練度が必要でしょう。
フィボナッチリトレースメントの引き方については、後述する「ラインの引き方」で詳しく解説していきます。
FXのローソク足の見方とは?分析のコツや注意点を解説フィボナッチリトレースメントの使い方
ここからは、いよいよフィボナッチリトレースメントの引き方について解説します。
まずは、MT4(メタトレーダー4)でフィボナッチリトレースメントを表示させてみましょう。
上のツールバーからFと書かれた点線のマークをクリックしてください。
もし、見つからない場合はツールバーを右クリックして「カスタマイズ」を選択して、非表示の中から、フィボナッチリトレースメントを選択して挿入ボタンをクリックしましょう。
フィボナッチリトレースメントを選択した状態で、ドラッグアンドドロップすることでこのようにチャートに引くことができます。
この時、始点が100.00%、終点が0.0%になるので覚えておきましょう。
別の挿入方法として、チャート上のツールバーから「挿入」→「フィボナッチ」→「リトレースメント」と選択すると、同じように表示できます。
【基本】ラインの引き方について
フィボナッチリトレースメントを引くときに意識してほしいのが「トレンドの押し目や戻りを狙う」ということ。
これはチャートで具体的な例をあげながら解説します。
まずは、ダウ理論でトレンドの発生を確認して、最安値を始点(下落トレンドなので最高値)に直近の高値(下落トレンドの場合最安値)へとフィボナッチリトレースメントを引きます。
※チャートは青のラインまでしか形成されていないと仮定します。
フィボナッチリトレースメントで明らかになった「23.6%」で押し目買いができれば、きれいに利益が取れますね。
再び最高値を更新したらフィボナッチリトレースメントも引き直しましょう。
トレンドの押し目を狙っていくので始点はそのまま、終点だけを最高値に動かすことで、新たに押し目になりやすい価格帯を推測できます。
ポイントをまとめると、
- トレンドの始点から直近の高値(安値)へと引く
- 高値(安値)が更新されたら、始点は動かさず終点だけ引き直す
この2つを意識するだけでも、かなり勝率が高くなるでしょう。
【応用】ラインの引き方について
さらに応用的な使い方として、サポレジラインを見極める水平ラインとしても活用できます。
このようにレンジ帯のサポレジラインとして、きれいに機能していますね。
普段、水平ラインを使わないという方や水平ラインを引くのが苦手という方でも、フィボナッチリトレースメントを引くだけで、機能しているラインがすぐに見つけられるのでオススメです。
重視すべき割合とは
ここまでの解説では、黄金比の「38.2」「61.8」「1.618」で反発が起きやすいので意識しましょうとお伝えしましたが、これ以外にも重視すべき割合があります。
波形の半値「50.00」
相場の格言で「半値戻しは全値戻し」と言われるように、トレンド1波の中で半値(フィボナッチリトレースメントの50.00)まで戻ってくると、その勢いのまま全値まで戻ってくる可能性があります。
なぜ半値がここまで意識されるのかというと、波形の50.00を境目に買いと売りの目線を切り替えるトレーダーがいるからです。
値動きを「波形」と表現するように、相場は上がったり下がったりを繰り返しているので、半値まで戻ってくると「トレンドが反転したかも」と考えるトレーダーが多くなります。
さらに、半値まで戻してきたことによって、買いでポジションを持ち始める人、売りのポジションを決済する人たちが出てきて、上昇がさらに加速することも考えられます。
このような分析から、フィボナッチリトレースメントの50.00のライン(半値)は重視されやすいのです。
ABCDパターン「100.00」
そしてもう1つ、100.00も重要視されやすいポイントです。
相場の値動きは一直線に伸びているわけではなく、上がったり下がったりを繰り返して、波形を描きながら動いていますよね。
その波形の中で最も美しい形が、ABCDパターンと呼ばれるプライスアクションです。
このように、ABとCDの波形がほぼ同じ長さと傾きで形成されていると、そのポイントで反発が起こりやすいと言われており、多くのトレーダーが注目しています。
ABCDパターンを見つけるには、まずフィボナッチリトレースメントを引いてABCを見つけましょう。
そして、Bを始点にAまで引いたフィボナッチリトレースメントをCに移動させると、D地点が明確になりましたね。
このようにフィボナッチリトレースメントを使えば、高勝率のABCDパターンを見つけやすくなります。
さらに、ABCDパターンやフィボナッチリトレースメントを応用して、高勝率で爆発的な利益を狙える「ハーモニックパターン」の使い方を、こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧くださいね。
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