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FXの通貨には「メジャー通貨」と言われる取引量の多い通貨と、「マイナー通貨」と言われる取引量の少ない通貨の、2つに分けられることが多いです。
一般的にメジャー通貨と言われているのは、米ドル(USD)、ユーロ(EUR)、円(JPY)、ポンド(GBP)、豪ドル(AUD)、カナダドル(CAD)、スイスフラン(CHF)の7通貨が挙げられるでしょうか。
取引量の多い通貨ペアは、流動性が高く、取引が安定しているので、なるべくリスクを抑えてトレードしたい方におすすめです。
上記7通貨以外はマイナー通貨と呼ばれていて、取引量が多くないことから、トレードされることはあまりありません。ただ中には、トルコリラやメキシコペソのように、金利の高さから人気が出る場合もあります。
今回記事で紹介するのは、一般的にはマイナー通貨ですが、場合によってはメジャー通貨に入ることもある、NZドル円について解説していきます。
NZドル円はマイナー通貨に括られることも多いですが、差益狙いのトレードでも、スキャルピング、デイトレード、スイングトレードと、トレードスタイルを選ばず稼いでいくことができますし、リスクの度合いもメジャー通貨と遜色はありません。
通貨の特徴がわかれば、FXで効率的に稼げるので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
ニュージーランドドルの基本情報
「ニュージーランドドル」はその名の通り、ニュージーランドで使われている通貨です。
通貨の特徴を知るための第一段階として、ニュージランドと、ニュージーランドドルの基本情報を解説していきます。
ニュージーランドについて
ニュージーランドはオセアニア地域に位置する島国で首都はウェリントンです。
ニュージーランド主流は酪農業のため、経済面では貿易依存度(輸出+輸入)が高く、GDPの約70%を占めています。
主な輸出先はオーストラリアと中国。
なので、この2カ国の経済は、ニュージーランドの経済にも影響を与えると言われています。
ニュージーランドドルの特徴その1:時間
為替市場は大きく4つの市場に分かれています。
- オセアニアタイム(6時〜8時ごろ)
- 東京タイム(8時〜15時ごろ)
- ヨーロッパタイム(15時〜21時ごろ)
- ニューヨークタイム(21時〜6時ごろ)
効率的に稼いでいくなら、値動きが活発な時間帯でトレードするのがおすすめです。
ニュージーランドドルの場合ですと、オセアニアタイムと東京タイムの重なる、朝8時ごろから10時くらいまでの2時間。
ヨーロッパタイムの終盤である20時頃から、ニューヨークタイム中ごろの25時前後(深夜1時ごろ)までの約5時間。
1日の中でこの2回のタイミングが、動きやすいと言われています。
もちろん「NZD/JPY」と「EUR/NZD」では、通貨の組み合わせが違うので、動き出す時間に多少の差は出ますが、大体は上記の時間帯に当てはまります。
スキマ時間に稼ぎたいスキャルピング目的の方は、ぜひ参考にしてください。
ニュージーランドドルの特徴その2:相関関係
通貨には「相関関係」というものが存在し、通貨Aが上がると、通貨Bも上がる、といった具合に、関連性のある動きを気をする通貨があるんです。
【ポンド】
ニュージーランドの国旗には、イギリスの国旗である「ユニオンジャック」が入っていますよね。
ニュージーランドはかつてイギリスの植民地支配を受けていました。
そのため現在もイギリス連邦に加盟しています。
そうした関係性から、イギリスの通貨である「ポンド」とは少なからず相関関係があり、ポンドが下がれば、ニュージーランドドルも下がる傾向にあります。
【オーストラリアドル】
先述したように、ニュージーランドの経済は、隣国のオーストラリアの影響を受けやすい状況にあります。
なので、オーストラリアドルが上がれば、ニュージーランドドルも上がる傾向が見られます。
ポンドとの相関関係も絡めると、「GBP/AUD」が上昇していたなら、GBP/JPYやGBP/USDよりも、「GBP/NZD」のほうが上昇しやすいと考えることができます。
ニュージーランドドルの特徴その3:愛称
ニュージーランドには「キーウィ」(kiwi)という鳥が生息していて、この鳥はニュージーランドのシンボルとして有名です。そして「キーウィ」という言葉は、ニュージーランドの人を指す言葉としても使われています。
こういった背景から、FXのトレーダーの中には、ニュージーランドドルのことを「キーウィ」と呼ぶ人もいて、「NZD/JPY」のことを、「キーウィ円」と言ったりします。
ニュージーランドドルの特徴その4:世界一早い市場
ニュージーランドの為替市場である「ウェリントン市場」は日本時間で5時~13時の間でオープンしています。
このウェリントン市場、実は世界で最も早く開場する市場なんです。
ニューヨーク市場が日本時間で21時~6時まで開いているので、ニューヨーク市場がクローズしてから、ウェリントン市場がオープンする流れです。
また、為替市場は基本的に土日は閉まっているので、休日を終えて週明けに初めてオープンする市場はこのウェリントン市場ということになります。
そのため、週末に為替に影響する動きがあった場合に一番に影響を受けるのはウェリントン市場なのですが、私たち日本人は、朝の7時過ぎまでトレードすることができないので、トレードに影響はないと言えます。
ニュージーランドドルの特徴その5:ボラティリティが高め
ドル、ユーロ、円といった取引量の多い通貨は、安定している分、売りと買いの注文が常に飛び交う状態なので、値動きが少ない傾向にあります。
その点から見るとニュージーランドドルは、それらに比べれば取引量は少ないので、ボラティリティは比較的高めです。
メジャーな通貨ですと、ポンドがボラティリティの高さで有名ですが、ポンドの場合は必要証拠金も高くなってきます。
ですが、ニュージーランドドルの必要証拠金は、低く設定されていることが多いので、FXの醍醐味である、ロットを上げたハイレバレッジのトレードも、実現しやすくなっています。
FXのボラティリティとは?基礎知識を初心者向けに解説!近年のニュージーランドドルの相場
ニュージーランドドルを取り巻く、近年の相場環境については、各通貨ペアで異なるので、代表的な「円」と「ドル」の相場を見てみましょう。
NZD/JPY(ニュージー円)
ニュージー円は、2016年頃から長期で下落していました。
そんな中発生した、2020年のコロナショックによって、短期間でさらに一気に下落しましたが、「59.447319」の価格で止まり、そこから年明けまでずっと上昇を続けています。
明確な高値圏まで、まだ500pips以上離れているので、「83.926763」ラインを超えてくれば、引き続き上昇していくと思われます。
NZD/USD(ニュージードル)
ニュージードルもニュージー円と同じく、長期で下落していましたが、コロナショックによって短期的に急落し「0.546367」の価格で反発。
その後も年明けまで上昇しましたが、明確な高値圏である「0.756069」付近で、一旦下がってしまったので、今後は「0.546367」と「0.753545」のレンジ帯で動いていくかもしれません。 通貨ペアとは?正しい選択で投資で成功するために!
考えられるニュージーランドドルの変動要因
次に、予想されるニュージーランドドルの変動要因を紹介します。
ニュージーランドの主な経済指標は以下のようなものがあります。
・消費者物価指数・・・消費者の行動を把握するもの(上昇すれば景気が良い、下落したら景気が悪い)
・失業率・・・労働者の雇用状況(上昇すると景気が悪い、下落すると景気が良い)
・GDP (国内総生産)・・・国内で新たに生み出されたモノやサービスの付加価値の総額(上昇すれば景気が良い、下落したら景気が悪い)
・貿易収支・・・輸出入の収支のこと(輸出額が輸入額を上回ると景気が良い、輸入額が輸出額を上回ると景気が悪い)
・政策金利・・・経済をコントロールするために金利の調整を発表するもの(景気が良いと金利を引き上げて経済の過熱を止める、景気が悪いと金利を引き下げて経済を刺激する)
上記のうち、GDPと政策金利は特に注目度が高いので、指標の発表内容を意識すると良いでしょう。
それでは、ニュージーランドドルがどのような値動きの変動要因があったか、詳しく見ていきましょう。
変動要因1:GDP
2020年は、新型コロナウイルスが世界中に蔓延した影響(コロナショック)により、各国の経済が低迷してGDPが低下しました。
ニュージーランドも例外ではなく、新型コロナウイルスの影響で2020年のGDPは大幅な落ち込みとなりました。
年 | 1Q(1-3月) | 2Q(4-6月) | 3Q(7-9月) | 4Q(10-12月) |
---|---|---|---|---|
2017年 | +1.1% | +1.1% | +0.8% | +0.8% |
2018年 | +0.8% | +1.2% | +0.2% | +1.1% |
2019年 | +0.5% | +0.5% | +0.7% | +0.1% |
2020年 | -1.2% | -11.0% | +13.9% | -1.0% |
※各数値は、対前四半期の実質GDPの推移です。
特に2020年2Q(4-6月)は、前四半期に対して-11.0%の大幅なマイナス成長となりました。
ちなみに2020年4月から6月といえば、新型コロナウイルスが全世界に感染を拡大させ、海外ではロックダウン、日本では緊急事態宣言と、全世界で未曾有の被害が発生した時期です。
しかし、ニュージーランドは政府による徹底した感染抑制の施策により、早期に経済活動を再開。
翌3Q(7-9月)には、2Qを大きく上回る+13.9%となり、新型コロナウイルスの蔓延が始まる前の1Q(1-3月)すらも上回りました。
ちなみに、他の先進国と比べても、ニュージーランドのGDPは非常に高く、大きな期待が寄せられていることがわかります。
その上、実質的なGDPの成長となれば、ニュージーランドドルの買いが増えて、さらなる上昇が期待できるでしょう。
変動要因2:政策金利
もともとは高金利通貨として認知されていたニュージーランドドルですが、政策金利は0.25%と、かなり低く設定されています。
コロナウイルスの感染拡大による経済回復の遅れやデフレ(物価の低下により消費が抑えられ、経済の活性化が抑制されること)により、長期的な低金利状態が生まれやすいことが背景にあります。
そのため、政策金利の低水準が今後も続くようであれば、景気が悪化する可能性があるので注意しましょう。
なお、2020年5月には経済支援策として、500億ニュージーランドドル(約4兆円)の基金を創設して、景気好転の後押しがなされました。
しかし、政策金利はこのまま長期的に据え置かれることが予想されているので、今後も金利が低水準で置かれる可能性が懸念されています。
また、ニュージーランド準備銀行(各国の中央銀行と同じ役割を持つ銀行)はマイナス金利の可能性すらも示唆していることから、今後、ニュージーランドの政策金利の発表時には注意が必要です。
これだけ押さえておけばOK!ファンダメンタルズの見方ニュージーランドドルの今後の見通し・予想
ニュージーランドは、コロナの抑え込みに成功したため、早期の経済回復が期待されています。
さらにニュージーランド準備銀行(中央銀行のこと)は、金融緩和を行っていくと発表したため、国内外から景気復活の期待が高まっています。
ニュージーランドドルの上昇要因
相関関係以外でニュージーランドドルが上昇するとすれば、雇用統計、小売売上高、CPIなどの経済指標が、市場予想を上回る良い数字の場合です。
特にメインとなるのが酪農業ですから、「乳製品」の商品価格が上がっているなら、ニュージーランドドルにもいい影響が出るかもしれません。
ニュージーランドドルの下降要因
ニュージーランドドルが下落するとすれば、雇用統計や小売売上高などの経済指標が、市場予想を下回る悪い数字の場合です。
また、金融緩和などが起これば、一時的な下落もありえます。
各社が予想するニュージーランドドルの見通し
続いて、ニュージーランドドル円の今後の見通しについて、主要な証券会社や銀行が開示している情報を見てみましょう。
FXや投資に限らず、ネット上では1つの情報を過信しないで、同じ情報でもいろいろな媒体の意見を参考にすることで、多面的な視野で情報の良し悪しを見定めることができるでしょう。
特にインターネットでは、間違った情報やデマの情報も含まれている可能性があるので、情報を発信している会社、個人は信頼できるのか?他のサイトや媒体で同じような情報が発信されているか?と、注意深く確認していきましょう。
SMBC信託
まずは、SMBC信託銀行のニュージーランドドル円の見通しです。
8月のニュージーランド(NZ)ドルはもみ合い。
NZ準備銀行(RBNZ)は8月18日の会合で予想外の政策金利据え置きを決定。
新型コロナウイルス変異株の新規感染者が急増し、全土対象の都市封鎖を延長した。
ただ、当局は景気回復に自信を示し年内の利上げに布石を打っている。
金利先高観は根強く、NZドルは上昇基調に戻り、7月高値を超える展開を予想。
SMBC信託銀行 Global Research Monthly 2021年9月号 より原文のまま抜粋
新型コロナウイルスの感染拡大により、都市封鎖(ロックダウン)など経済活動の低迷が続いているものの、景気の回復は順調なので楽観視をしていると分析しています。
そのため今後金利が上昇すれば、ニュージーランドドルの買いが加速して、景気の回復がより加速すると予測しています。
インヴァスト証券
続いて、インヴァスト証券のニュージーランドドル円の見通しです。
それでは以上を踏まえて、NZドル円相場の今年の見通しと戦略についてお話します。
ただ、あくまで新型コロナウイルスの感染が、最悪の事態まで再拡大しないことを前提としています。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ファンダメンタルズ面での比較は、為替市場であまり意味をもたなくなっています。世界が正常に戻るまでは、こういった状況が続くでしょう。従ってテクニカル面を中心に、2021年の戦略を考察しています。
今年のNZドル円相場の想定レンジは、NZドル円相場の過去11年の年間平均変動幅となる13.36を参考に、66.00~79.00とします。ただ、強ければ69円前後が下限となるかもしれません。
基本的な戦略は押し目買いですが、ただ、既に高値圏にあって、上値追いは厳しい状況です。
早期には、72円前後が維持されると強く買っても、-78円が抑えると利食っておくのが良いでしょう。また、78.86の戻り高値が上値を抑えるなら、モメンタムのピーク感と伴って、売りも検討されそうです。あくまで78.86を超える動きが見えて、強気から84円方向への上昇をターゲットとしましょう。
買いの狙い目は、69-70円前後から検討して、ストップは68.64を割れるなら止めるか、66-68円まで買い下がりも考慮しましょう。ターゲットは77-78円の動向次第で判断する形です。また、更には63円まで買い下がれば尚良いでしょうが、この買いはストップを最安値の59.61割れに設定、ターゲットは、ここまで下落するなら、恐らく77-78円が上値を抑えるでしょう。戻ってもこれを越えなければ利食う形が想定されます。
注意点としては、1-3月は、日本のレパトリで円高気味も推移し易いこと、4-6月は、株価の動きに注意です。また夏場は揉み合いが前提ですが、8月中旬は一時的に円高になるケースが多く、またそういった下落は、年後半に向けての絶好の買い場となることは、注目して頂ければと思います。
最後に秋以降は、トレンドが出易いので、方向性が見えた場合、逆張りは避けておいた方が良いでしょう。
NZドル円-2021年相場予想と戦略- より原文のまま抜粋
このように、変動推移は過去の傾向から、1ドル66.00円~79.00円台を推移すると予想。
ただし解説の冒頭でも触れられているように、まだまだコロナウイルスの感染状況によっては為替相場への影響が考えられるので、ファンダメンタルズよりもテクニカル分析の重要性が増していると言えるでしょう。
新生銀行
そして最後に、新生銀行のニュージーランドドル円の見通しです。
NZドル/円の為替相場は引き続き、世界の新型コロナウイルス感染者数の動向等に左右される展開が予想されます。しかし一方で、他国に先駆けてウイルスの感染抑制に成功していること等を背景とした相対的な景気の早期回復期待、米国を上回る10年国債利回り、米国FRB(連邦準備制度理事会)の量的緩和政策に伴う米ドルの資産規模拡大を背景とする長期的な米ドル安懸念等から、NZドルは再評価される可能性があると考えられます。
ニュージーランドドル 今後の見通し より原文のまま抜粋
コロナウイルスの感染拡大を早期に抑え込んだニュージーランドの国際的な評価の向上と、アメリカの量的緩和政策によるドル安が加速して、ニュージーランドドルの需要が上昇すると分析していますね。
テクニカル分析とは?初心者が知っておくべきポイントや分析方法を解説!ニュージーランドドルの取引におすすめのFX会社2トップ
ニュージーランドドルの特徴や取り巻く環境をご説明してきましたが、ここからはニュージランドドルでトレードする際の、おすすめ証券会社をご紹介します。
ヒロセ通商
マイナー通貨はスプレッドが高くなりがちで、ニュージランドドルも決して安くはないのですが、ヒロセ通商は「オセアニア祭り」なるものを開催しているため、ニュージランドドルのスプレッドは小さく設定されています。
また、取引高に応じて、10万円のキャッシュバックキャンペーンを行っているので、さらにお得にトレードすることができます。
SBI FXトレード
FXではロット言われる取引通貨量がとても大事になってきます。
自己資金をよく考えずにロットの設定をしていると、資金は一気に減っていくため、ロットの調節はできるだけ細かく設定できたほうがトレードに有利なんです。
SBI FXトレードは、最小の取引通貨量が1通貨から可能なため、トレードにかなりの幅を設けることができます。
ニュージーランドドルは比較的ボラティリティが高いので、読み間違えればその分リスクも大きくなります。
だからこそ、1通から取引出るSBI FXトレードなら、リスクを抑えたトレードを、誰でも簡単に実現することができます。
FXのロット(Lot)とは?基礎知識から使い方まで徹底解説!NZドル円:まとめ
ニュージーランドドルは、マイナー通貨と言われていますが、トレードしてはいけない通貨ではありません。
記事で紹介した特徴を今後のトレードに活かしてほしいのですが、FXでトレードするのであれば、ハッキリ言ってニュージランドの国内情勢や経済政策はあまり関係ありません。
スイングトレードをされる方なら、長期の保有なので多少影響はあるかもしれませんが、それでも影響は「多少」だと思います。
FXの良いところは、「売り」と「買い」両方でトレードすることができるので、景気が回復して上がったならその時買えばいいですし、景気が回復せず下がっていくならその時売ればいいだけです。
なので、ファンダメンタルズよりも、テクニカル分析を意識したトレードおすすめします。
エフテンではテクニカル分析について様々な角度から解説していますので、あわせて参考にしてくださいね。
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出典:新生銀行|ニュージーランドドル 今後の見通し