ボラティリティとは値動きの激しさのことであり、為替差益によって利益が発生するFXでは、ボラティリティが高くなるほど、大きな利益が期待できます。
また時にボラティリティは、相場を動かす大きなトレンドを形成するため、そういった意味でもボラティリティのチェックは欠かせません。
そこで本記事では、ボラティリティを個人の感覚ではなく、インジケーターを活用して数値や形状で把握する方法について解説していきます。
目次
FXにおけるボラティリティとは
ボラティリティ(volatility)は、本来「落ち着きがない」「移り気である」という意味ですが、FXにおいては「価格の変動幅」を意味します。
例えば以下のような、ローソク足が大きい(値幅が大きい)状況下では「ボラティリティが高い」といった使われ方をします。
ただ、ボラティリティが大きくなると稼ぎやすくなるものの、逆に予測が外れた場合の損失も大きくなるため、注意が必要です。
トレードの流れとしては、ボラティリティの高い通貨ペアを選び、オシレーターを活用して期待値の高いエントリーチャンスを見極めねばなりません。
ボラティリティを把握するおすすめインジケーター
FXで堅実に稼ぐ方法は、強いトレンドに従った順張りです。
では強いトレンドとは何なのか、それはトレンド発生と同時にボラティリティも高まっているトレンドを意味します。
そしてボラティリティを見極める際は、個人の感覚に頼ってはなりません。
本節で紹介するインジケーターを活用して、ボラティリティの強弱を数値的、あるいは視覚的に判断していくことをおすすめします。
1:Volatility
「Volatility」は、ローソク足の大きさ(高値 – 安値)の平均値を表示するインジケーターです。
サブウィンドウの波形が右肩上がりになるタイミングはボラティリティが高いと判断できるため、トレンドにも乗じやすくなるでしょう。
またボラティリティが大きくなるとスプレッドが広がりやすくなるため、スリッページのリスクを低減する目的としても「Volatility」のインジケーターは有用です。
2:ボリンジャーバンド
「ボリンジャーバンド」は、値動きの範囲を分析する際に用いられるインジケーターです。
ボリンジャーバンドは、ボラティリティによってバンドの幅が拡大、あるいは縮小する特性を持ちます。
特にバンド幅が広がる現象を「エキスパンション」と呼び、トレンドの出現を視覚的に捉えることができます。
またローソク足がバンドに沿って形成される特徴(バンドウォーク)や、バンド幅狭まりレンジ相場に移行する(スクイーズ)など、ボリンジャーバンドの活用法は様々です。
3:ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)
「ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)」は、上で紹介した「Volatility」同様、ボラティリティの強弱を表示するインジケーターです。
「Volatility」と「ATR」は仕様がほぼ同じであるため、わざわざ使い分ける必要はありません。
どちらかといえば、「ATR」の方が知名度が高く、多くのチャートツールに導入されています。
4:HV(ヒストリカル・ボラティリティ)
「HV(ヒストリカル・ボラティリティ)」は、将来的な変動率を含めたインジケーターです。
上で紹介した「Volatility」や「ATR」と異なる点は、過去レート終値の前日比を元に計算されている点。
「ATR」は当日の最大値幅から算出されていますが、HVでは過去の変動率を考慮した上で、当日のボラティリティの高さを見ることができます。
5:RVI(相対ボラティリティ指数)
「RVI(相対ボラティリティ指数)」は、ボラティリティが拡大しているか、縮小しているかを判断するために用いられます。
RVIが、サブウィンドウ内にある基準線より離れるほどボラティリティが拡大、基準線付近でボラティリティは縮小、といった捉え方が一般的です。
他のボラティリティインジケーターとは異なり、ロングとショートそれぞれの方向でボラティリティが見れるという特徴があります。
6:DC(ドンチャン・チャネル)
「DC(ドンチャン・チャネル)」は、期間内の最高値と最安値のバンド幅、加えて中間線からなるインジケーターです。
「中間線とローソク足が乖離するほど、ローソク足と中間線が近づきやすくなる」という移動平均線と似た性質を持ちますので、エントリーの指標としても有用です。
7:KC(ケルトナーチャネル)
「KC(ケルトナーチャネル)」は、ボリンジャーバンド同様、ボラティリティによって変化するバンド幅を示すインジケーターです。
ボリンジャーバンドは標準偏差(σ)を元に算出されるのに対し、KCは指数移動平均とATRを元に計算されます。
ただ使用感としてはボリンジャーバンドとほとんど変わらないため、特にこだわりがなければ、汎用性の高いボリンジャーバンドを選んでおくと良いでしょう。
8:VIX指数(恐怖指数)
「VIX指数(恐怖指数)」は、S&P500を対象とする、オプション取引のボラティリティを基に算出する指数のことです。
特徴としては、以下のチャートのように市場リスクが高まり、投資家間に不安感が高まった際に指数値が上昇します。
VIX指数(恐怖指数)が高まると相場が混乱しやすくなり、ボラティリティが高まる傾向にあります。
相場が乱高下するリスク局面を回避したいのであれば、VIX指数(恐怖指数)まで確認しておくと良いでしょう。
まとめ:ボラティリティは利益のタネ!
本記事では、ボラティリティを見極める際に有用なインジケーターについて紹介しました。
ボラティリティを把握できるようになれば、環境認識も容易となり、状況に応じた戦略を取ることができます。
また今回紹介したインジケーターについては、全てを覚え切る必要はなく、重要なことはどれか1つを極めることです。
特にこだわりがなければ、汎用性や活用の幅が広いボリンジャーバンドから試してみてはいかがでしょうか。
以上、参考にしていただければ幸いです。