楽観的な相場は続かない【2020年11月10日】

楽観的な相場は続かない【2020年11月10日】

おはようございます。だいまんです。

2020年11月10日相場分析です。

昨日のマーケット

昨晩の海外市場は、「米製薬大手ファイザーが開発中の新型コロナウイルスワクチンが大規模試験で90%の感染予防に成功した」と発表したことで、欧米の株価や日経平均株価先物が急騰。リスクオンの円売りが強まったが、米長期金利の急上昇もあって、ドルは買い戻しが優勢となった。NYダウは1610ドル高まで一時上昇、日経平均株価先物も26000円に一時迫る上昇となったが、巣籠関連の株に売りが強まりナスダックはマイナス圏で引けた。米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は「ファイザーのコロナワクチン候補は異例の有効性」と述べているが、実際ファイザーのワクチンは、今年12月頃から配布される可能性はあるが、世界的には来年の秋口までかかると指摘されている。また、バイデン氏が、新型コロナ対策専門家チームを発表も、引き続きマスクの重要性を強調した。

ドル円は、米10年物国債利回りが、097%台まで大幅上昇したこともあって、105.65まで一時急騰、ユーロドルは、1.1920まで上昇後1.1796まで下落、ポンドドルは、1.3209で上昇後1.3119まで値を下げたが、スナク財務相が 「ブレグジット交渉で大きな進歩を遂げた。合意は可能」と発言したことが下値を支えた。

一方クロス円では、ユーロ円が125.13、ポンド円が138.93、オージー円は77.05、NZD円が72.10、カナダ円は81.44まで上昇した。

11月10日の注目材料

  • 08:50 (日) 9月経常収支 [季調前] (前回2兆1028億円 予想2兆201億円)
  • 08:50 (日) 9月経常収支 [季調済] (前回1兆6475億円 予想1兆7700億円)
  • 08:50 (日) 9月貿易収支 (前回4132億円 予想8027億円)
  • 09:01 (英) 10月英BRC小売売上高調査 [前年同月比] (前回6.1%)
  • 09:30 (豪) 10月NAB企業景況感指数 (前回0)
  • 09:30 (豪) 10月NAB企業信頼感指数 (前回-4)
  • 10:30 (中) 10月消費者物価指数 [前年同月比] (前回1.7% 予想0.8%)
  • 10:30 (中) 10月生産者物価指数 [前年同月比] (前回-2.1% 予想-1.9%)
  • 未 定 (中) 10月マネーサプライM2 [前年比] (前回10.9%)
  • 未 定 (中) 10月人民元建て新規融資 (前回1900十億人民元)
  • 未 定 (中) 10月人民元建て融資残高 [前年比] (前回13%)
  • 未 定 (中) 10月社会融資総量 (前回3480十億人民元)
  • 14:00 (日) 10月景気ウオッチャー調査-現状判断DI (前回49.3 予想50.8)
  • 14:00 (日) 10月景気ウオッチャー調査-先行き判断DI (前回48.3 予想50.1)
  • 15:30 (仏) 第3四半期ILO基準失業率 (前回7.1%)
  • 16:00 (英) 10月失業保険申請件数 (前回2.81万件)
  • 16:00 (英) 10月失業率 (前回7.6%)
  • 16:00 (英) 9月ILO方式失業率 (前回4.5% 予想4.8%)
  • 16:00 (英) 9月就業者数増減 (前回-153千人)
  • 16:00 (英) 9月平均賃金・除ボーナス (前回0.8%)
  • 16:45 (仏) 9月鉱工業生産指数 [前月比] (前回01.3%)
  • 19:00 (独) 11月ZEW景況感調査・期待指数 (前回56.1 予想44.0)
  • 19:00 (独) 11月ZEW景況感調査・現況指数 (前回-59.5)
  • 19:00 (ユーロ圏) 11月ZEW景況感調査 (前回52.3)
  • 20:00 (米) 10月NFIB中小企業楽観度指数 (前回104)
  • 20:00 (南ア) 9月製造業生産 [前年比] (前回-10.8%)
  • 20:00 (南ア) 9月製造業生産 [前月比] (前回3.6%)
  • 23:00 (ユーロ圏) クノット・オランダ中銀総裁講演
  • 00:00 (米) クオールズFRB副議長・議会証言(米上院銀行委員会)
  • 00:00 (米) ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演
  • 00:00 (米) 9月JOLTS求人件数 (前回64.93万人)
  • 02:00 (米) カプラン・ダラス連銀総裁講演
  • 03:00 (米) 10年物国債入札(410億ドル)
  • 06:00 (米) ローゼングレン・ボストン連銀総裁「金融の安定に関するレクチャー」
  • アップル・イベント開催

11月10日の相場見通し

昨晩は、米国の製薬大手ファイザーが、「開発中の新型コロナウイルスワクチンの大規模試験において、90%の確率で感染予防に成功した」と発表したことで、欧米の株価が急騰。NYダウが1610ドル高、夜間の日経平均株価先物も26000円に一時迫る上昇となったことで、大きく円が売られました。ただ、同時に景気回復期待から米国の長期金利が大幅に上昇したこともあって、通常のリスクオンのドル売りは強まっていません。

突発なニュースで市場が、大混乱となりましたが、実際ファイザーのワクチンは、今年12月頃から配布される可能性があっても、世界的には、来年の秋口までかかると指摘されています。今夜も株価の上昇が続くか注目ですが、このリスクオンの動きを追いかけるのは厳しそうです。

経済指標としては、日本では、9月国際収支と10月景気ウオッチャー調査、豪州では、10月NAB企業景況感・信頼感指数、中国の10月消費者・生産者物価指数、英国では、10月雇用統計、ドイツとユーロ圏の11月ZEW景況感調査、米国では、10月NFIB中小企業楽観度指数と9月JOLTS求人件数が、発表されます。

経済指標に対する関心度が低下していますが、注目は英国の雇用統計、ドイツとユーロ圏のZEW景況感調査となりそうです。特に英欧では、新型コロナウイルスが再拡大しており、ロックダウンも再開されています。弱い結果が見えた場合、相場の圧迫要因となる可能性に留意しておきましょう。

その他要人発言の機会も多いですが、米国の大統領選に関して、何か悪いニュースが出るようなケースには注意しておきましょう。

11月10日のデイ・トレード戦略

本日のトレード戦略です。

ポンドドル

  • 予想レンジ:1.3050~1.3200
  • 基本戦略: 押し目買い
  • 予想時間:09:58 予想時レート: 1.3165

反発が1.3177で抑えられて、短期上昇サポートや20日移動平均を割り込み、下落が1.2855まで再下落も、これを維持して反発的。上値のレジスタンスや1.3177の戻り高値を超えて、スロー・ストキャスティクスも反転。下値は、1.3027-23の基準線や転換線、1.2906-33ゾーンのサポートが維持されると堅調が続きそう。

ただ、1.2855の戻り安値を割れると1.2752の戻り安値まで視野となるが、維持では更に突っ込み売りは出来ない。ただし、維持出来ずに1.2676や1.2648を割り込むと1.2435-1.2520ゾーンの戻り安値圏、1.24前後のサポートが視野となるが、維持では堅調も、1.2360や1.2252まで割れると1.2200のサイコロジカルまで視野となる。更なるリスクは1.2073の戻り安値割れとなる。

一方上値は、1.3208の昨日の高値を超えても、1.3255-85にギャップ、1.3358-1.3403に戻り高値圏の上抜けは不透明で、1.3482の高値からレジスタンス再形成の可能性が残っている。あくまで1.3482や1.3513の上ヒゲを超えて、一定のあく抜け感となる。

デイの戦略としては、一応昨日は、今月中旬の期限を前に、英欧FTA交渉の楽観論が指摘されているが、もし決定しても一部の合意に留まる可能性があることは注意。その場合、一定の期待感で買われた相場に、利食いが強まるリスクは考慮しておきたい。

基本は、押し目買いとなるが、1.3093をストップに1.31前半を買って、ターゲットは、1.3209の高値が上値を抑えるなら利食い優先。また1.32手前はCapを確認して売っても、ストップは1.3209越えで、1.32ミドル、1.33と売り上がるならストップは、1.3360越え。この売りの1.31ミドルが維持されると利食い優先となる。また、もし様子見なら1.3000-50ゾーンを待っての買いで、このストップは1.2933や1.2915をストップ、ただ、ターゲットは、こういった下落では、1.3120が上値を抑えると利食い優先となる。

楽観的な相場は続かない【2020年11月10日】

ユーロ円

  • 予想レンジ: 123.50~125.00
  • 基本戦略: 売り狙い
  • 予想時間:10:08 予想時レート: 124.26

反発が127.08で抑えられて、下落が121.62まで拡大も、これを維持して日足の雲やレジスタンス、更に125.00や125.08のダブル・トップを超える動き。ただ、昨日の動きはワクチンの開発のニュースで、ドル円が急騰した一過性の動きの可能性があり、上値を追う状況とは見えない。

ただ、もし昨日の高値125.13をしっかりと超えるなら、125.77-126.13まで視野となるが、上抜けは不透明で、あくまで126.47や127.08の戻り高値を超えて、130円方向への上昇期待となる。

一方下値は、スロー・ストキャスティクスも反転しており、日足の基準線と転換線が重なる123.38、123.18の窓の下限が維持されると強い可能性、割れても122.23-66ゾーンが維持されると短期サポートが有効となる。ただし、121.62や121.48の戻り安値を割れるとフィボナッチ・リトレースメントの50%と絡めて、120.81や120.27、サイコロジカルな120円までターゲットとなるが、こういった下落では買い狙いも検討されそうだ。

デイの戦略としては、昨日の動きは騙しと見て売場探しで、ストップを125.13越えとして、125円方向への上昇で売り狙い。ターゲットは、123.75-95の維持では買い戻しも、割れるなら123円ミドルから123.08-18では利食い優先。またこの位置からの買いは、122.50-123円ゾーンまで買い下がって、ストップは近めなら122.22割れ、深めなら121.62割れとして、122円まで買い下がりとなる。買いの場合のターゲットは、124円ミドルが抑えると利食い優先となる。

楽観的な相場は続かない【2020年11月10日】