ECB理事会がユーロ相場の次の起点となるか?【2020年12月10日】

ECB理事会がユーロ相場の次の起点となるか?【2020年12月10日】

おはようございます。だいまんです。

2020年12月10日相場分析です。

昨日のマーケット

昨晩の海外市場は、上昇してスタートした米株主要3指数が、議会での追加経済対策を巡る協議が難航を続けていることで下げ幅を広げ、リスク回避の動きが優勢となった。

ドル円は104.05から104.41まで一時反発、ユーロドルは、1.2148を高値にECB理事会を控えて、1.2059まで利食いが優勢となった。また、ポンドドルは、ゴーブ内閣府担当相とバラッカー・アイルランド副首が、「英国とEUは、漁業権で妥協する可能性がある」、メルケル首相が「まだ合意のチャンスはある」と述べたことで、1.3478まで上昇後、ジョンソン首相とフォンデアライエン欧州委員長の会談を控え、1.3356まで一時利食いが優勢となった。

一方クロス円では、ユーロ円は126.52を高値に125.79まで下落、ポンド円は140.34から138,49、オージー円が77.96から77.44、NZD円が73.86から73.13まで値を下げ、カナダ円は、カナダ中銀の政策金利や資産買い入れの据え置きを受けて、81.64まで一時上昇後、81.25まで売りに押された。

12月10日の注目材料

  • 08:50 (日) 11月国内企業物価指数 [前月比] (前回-0.2% 予想0.0%)
  • 08:50 (日) 11月国内企業物価指数 [前年同月比] (前回-2.1% 予想-2.2%)
  • 08:50 (日) 10-12月期四半期法人企業景気予測調査・大企業全産業業況判断指数 (前回2.0)
  • 08:50 (日) 10-12月期四半期法人企業景気予測調査・大企業製造業業況判断指数 (前回0.1)
  • 08:50 (日) 週間対外対内証券売買契約等の状況 [対外中長期債] (前回3724億円)
  • 08:50 (日) 週間対外対内証券売買契約等の状況 [対内株式] (前回4577億円)
  • 09:01 (英) 11月RICS住宅価格指数 (前回68 予想62)
  • 未 定 (中) 11月マネーサプライM2 [前年比] (前回10.5%)
  • 未 定 (中) 11月人民元建て新規融資 (前回689.8十億人民元)
  • 未 定 (中) 11月人民元建て融資残高 [前年比] (前回12.9%)
  • 未 定 (中) 11月社会融資総量 (前回1420十億人民元)
  • 16:00 (英) 10月月次GDP [前月比] (前回1.1% 予想0.0%)
  • 16:00 (英) 10月鉱工業生産指数 [前月比] (前回0.5% 予想0.3%)
  • 16:00 (英) 10月鉱工業生産指数 [前年同月比] (前回-6.3% 予想-6.4%)
  • 16:00 (英) 10月製造業生産指数 [前月比] (前回0.2% 予想0.3%)
  • 16:00 (英) 10月商品貿易収支 (前回-93.48億ポンド 予想-96.00億ポンド)
  • 16:00 (英) 10月貿易収支 (前回6.13億ポンド 予想-5.00億ポンド)
  • 16:45 (仏) 10月鉱工業生産指数 [前月比] (前回1.4% 予想0.4%)
  • 18:00 (南ア) 第3四半期経常収支 (前回-1040億ランド 予想1980億ランド)
  • 18:00 (南ア) 10月金生産 [前年比] (前回-0.7%)
  • 18:00 (南ア) 10月鉱業生産 [前年比] (前回-2.8%)
  • 20:00 (南ア) 10月製造業生産 [前年比] (前回-2.6%)
  • 20:00 (南ア) 10月製造業生産 [前月比] (前回3.2%)
  • 21:45 (ユーロ圏) 欧州中央銀行・政策金利及びECBスタップ経済見通し公表 (現行0.00% 予想0.00%)
  • 22:30 (ユーロ圏) ラガルドECB総裁・定例記者会見
  • 22:30 (米) 11月消費者物価指数 [前月比] (前回0.0% 予想0.1%)
  • 22:30 (米) 11月消費者物価指数 [前年同月比] (前回1.2% 予想1.1%)
  • 22:30 (米) 11月消費者物価指数・コア指数 [前月比] (前回0.0% 予想0.1%)
  • 22:30 (米) 11月消費者物価指数・コア指数 [前年同月比] (前回1.6% 予想1.5%)
  • 22:30 (米) 週間新規失業保険申請件数 (前回71.2万件 予想72.0万件)
  • 22:30 (米) 週間失業保険継続受給者数 (前回552.0万人)
  • 01:00 (米) 11月クリーブランド連銀消費者物価指数 (前回0.2%)
  • 03:00 (米) 30年物国債入札(240億ドル)
  • 04:00 (米) 11月月次財政収支 (前回-2841億ドル 予想-2000億ドル)
  • 06:30 (NZ) 11月製造業PMI (前回51.7)
  • 06:45 (NZ) 11月食品価格指数 (前回-0.7%)
  • 欧州連合首脳会議(ブリュッセル)
  • 米FDA「ファイザーの新型コロナワクチンの承認を巡る諮問委員会」開催

12月10日の相場見通し

本日の注目としては、まず、まだ結果が出ていない英欧FTA交渉におけるジョンソン首相とフォンデアライエン欧州委員長の会談の結果です。一応9日が期限とされていますので、本日も協議の延長では市場は満足しないでしょう。欧州連合首脳会議を控えて、何かしらの決着が出る可能性はありますが、それも玉虫色の一部の合意に留まるなら、失望感が高まりそうです。

最大の注目は、欧州中央銀行理事会の結果発表とラガルドECB総裁の記者会見です。

一定の追加緩和策が実施される期待感ですが、PETTの規模や買い入れ期限の延長などが想定されていますが、市場の期待感が高いだけに、失望的な結果となるケース、またECBスタッフの経済見通しが公表されますが、新型コロナウイルスの再拡大やロックダウンの影響で、見通しを引き下げられるならユーロ相場の圧迫要因となりそうです。加えて、ラガルドECB総裁が、更なる緩和の可能性やユーロ高懸念を示すと、こちらもユーロ相場には良い影響を与えないでしょう。

経済指標としては、日本では、11月国内企業物価指数と10-12月四半期法人企業景気予測調査、 中国では、11月マネーサプライと人民元建て融資、英国では、11月RICS住宅価格指数、10月月次GDP、10月鉱工業・製造業生産指数と貿易収支、米国では、11月消費者物価指数と週間新規失業保険申請件数が発表されます。

経済指標に対する相場の感応度が低下していますが、英国では年末のFTA交渉期限を前に、駆け込み需要から堅調な経済指標が続いています。ただ、良い結果でも、ポンドを大きく押し上げるには無理がありそうです。また、米国の消費者物価指数や新規失業保険申請件数などは、弱い結果出易いでしょう。

その他、米FDAが、ファイザーの新型コロナワクチンの承認を巡る諮問委員会を開催します。先に投与された英国で、2件の副反応が指摘されています。恐らく承認されるでしょうが、もし難航するならリスク回避につながり易いでしょう。また、米国の追加経済対策の超党派協議が続いていますが、協議の難航が続くなら要注意となりそうです。

12月10日のデイ・トレード戦略

本日のトレード戦略です。

ユーロドル

  • 予想レンジ: 1.2000~1.2150
  • 基本戦略: 慎重に戻り売り
  • 予想時間:09:09 予想時レート:1.2081

ユーロドルは、下値を1.1612と1.1603で、ダブル・ボトムを形成後、上値を1.2178まで拡大している。月足の長期のレジスタンスも上抜けており、今後更に上値拡大するか注目となるが、ただ、現状は日足のスロー・ストキャスティクスが反転下落気味となっており、1.2178の高値で上げ渋るなら上値追いも厳しい。あくまで1.2178の戻り高値を超えて、月足からは、1.2414-1.2476の戻り高値圏が視野となるが、1.2555の戻り高値を越えるかは、現状不透明となる。

一方下値は、急上昇を支えるサポートが、1.2041-03の窓や1.20のサイコロジカル近辺に控えており、この維持では強いが、維持出来ない場合1.1882-1.1922ゾーンでそれ以前に上値を押さえていた位置、更に1.1800-1.1833の戻り安値圏に、1.1828の90日移動平均、1.1807の横ばいとなる雲の上限を含み、買いが入り易い。

ただし、1.1745-59の戻り安値を割れると1.1736の雲の下限なども視野となるが、維持では堅調が続くが、1.1711の戻り安値を割れると1.1650のサイコロジカルまで視野となる。この維持では更に突っ込み売りは出来ないが、リスクは、1.1603の安値を割れで、その場合調整が深まり、それ以前の高値1.1495から1.1422ゾーンまで視野となるが買いが入り易い。またもし割れても1.12-1.14ゾーンは、揉み合いを経たゾーンで、こちらも買いが入り易い。あくまで1.1168の戻り安値を割れるまでは、堅調相場が続くと見たい。

従ってデイの戦略としては、今日はECB理事会で、相場が荒れる可能性があることは注意で、大きめの動きがあれば逆張りで臨むのが良い。上値は1.2178一旦ピーク感が見えており、スロー・ストキャスティクスも反転下落出来で、1.2150方向への上昇では売りから入ってみたい。ストップは1.2178越えで、ターゲットは、1.2050前後の維持では買い戻しも、割れるなら1.20前後ではしっかりと利食いたい。

また買いは、ECBが失望となるケースでは深押しもあるので注意したいが、1.20前後から1.19ミドルへの下落で買い下がりながら、ストップは1.1922割れとするか、更に思い切って買い下がるなら、ストップを1.18割れとして、1.19や1.18ミドルまで、値幅を広げて買い下がりのスタンスが良さそう。ただ、こういった下落での利食いは、1.20ミドルが抑えると利食い優先となる。

ECB理事会がユーロ相場の次の起点となるか?【2020年12月10日】

ユーロ円

  • 予想レンジ: 125.00~127.00
  • 基本戦略: 深めの押し目買い
  • 予想時間:09:30 予想時レート: 126.01

ユーロ円は、下値を122.38と121.62で、ダブル・ボトム的に支えて、上昇が126.68まで拡大。 スロー・ストキャスティクスの上昇傾向も見ており、今後更に上値を拡大するか注目される。

上値は、126.68や127.08の戻り高値を超えて、127.50が視野となるが、この位置には月足のロングランのレジスタンスが控えており、上値を抑える可能性に注意しておきたい。あくまでこの位置を超えて129.26-130.16、132.46-133.49の月足の戻り高値などがターゲットとなるが、ただ、137.50の高値を越えるかは不透明となる。

一方下値は、転換線を含む125.12-78の窓の維持では強いが、割れると124.30-38の戻り安値に、日足の横ばいとなる雲、基準線が控えており、買いが入り易い。ただし、123.64-91の戻り安値圏まで割れると123円前後に控える雲の下限までターゲットとなるが、維持では更に突っ込み売りは出来ない。このリスクは、122.66-85を割れるケースだが、その場合も121.82-122.23ゾーンの戻り安値圏が支えると更に下落は直ぐに拡大しない。ただし、121.62や121.48の戻り安値を割れると下げ幅を拡大して、120.81や120.27、サイコロジカルな120円までターゲットとなるが、こういった下落では買い狙いが検討される。このリスクは119.31の安値割れとなる。

デイの戦略としては、押し目買いとなるが、ECB理事会で相場が荒れる可能性が残っており、買いはあくまで深めの押しを待ちたい。早期には126.68の高値を越えない条件では、125.50方向への上昇で売りから入ってみるのも一考だが、ターゲットは125.50前後ではしっかりと利食っておきたい。

また、買いの狙い目としては、60分足のサポートが控える125円前後が理想的で、ストップを123.90割れとして、124.50前後まで買い下がりを検討したい。ただ、こういった下落が示現しないなら125.50前後からも検討するが、ターゲットは現状の戻り高値圏126.50-68が抑えると利食い。超えても127円前後では、利食い優先が良い。

ECB理事会がユーロ相場の次の起点となるか?【2020年12月10日】