米雇用統計がドルの巻き戻しにつながるか?【2020年12月4日】

米雇用統計がドルの巻き戻しにつながるか?【2020年12月4日】

おはようございます。だいまんです。

2020年12月4日相場分析です。

昨日のマーケット

昨晩の海外市場は、序盤は新型コロナワクチンの普及や米国の追加経済対策協議の進展期待を背景に米株相場が上昇を強めたことで、リスク・オンのドル売りが優勢となった。ただ、引けにかけて「ファイザーが、2020年のワクチン出荷目標を半減」との報道を受けて、一転株価が下落に転じたことで、ドルの下値は支えられた。

NYダウは、227ドル高から一時マイナス圏に転落し、引け値ベースでは3万ドル台を維持できていない。また、米11月ISM非製造業景気指数は、ほぼ予想通りの結果で影響は限定された。

ドル円は103.67まで下落、ユーロドルが1.2175まで上昇し、ポンドドルも英国とEUの通商交渉の合意が週末にも発表されるとの思惑から1.3500まで上昇後、バルニエEU離脱首席交渉官が、週末にブリュッセルに帰還するとの報道で、1.3432まで利食いに押された。

一方クロス円では、ユーロ円が126.03までじり安、ポンド円は140.30から139.62、オージー円は77.58から77.18、NZD円は73.89から73.38まで売りに押され、カナダ円は、「OPECプラスが、来年1月から減産規模の小幅縮小で合意」との発表を受けて原油価格が反発したことで、80.44から80.91まで買い戻された。

12月4日の注目材料

  • 09:30 (豪) 10月小売売上高 [前月比] (前回-1.1% 予想0.5%)
  • 16:00 (独) 10月製造業新規受注 [前月比] (前回0.5% 予想1.5%
  • 16:00 (独) 10月製造業新規受注 [前年同月比] (前回-1.9% 予想0.2%)
  • 16:45 (仏) 10月財政収支 (前回-1616億ユーロ)
  • 18:30 (英) テンレイロ英MPC委員講演
  • 18:30 (英) 11月建設業PMI (前回53.1 予想52.0)
  • 22:30 (加) 11月新規雇用者数 (前回8.36万人 予想2.00万人)
  • 22:30 (加) 11月失業率 (前回8.9% 予想8.9%)
  • 22:30 (加) 11月パートタイム雇用者数・季調値 (前回1.45万人)
  • 22:30 (加) 11月フルタイム雇用者数・季調値 (前回6.91万人)
  • 22:30 (加) 11月労働参加率 (前回65.2%)
  • 22:30 (加) 10月貿易収支 (前回-32.5億加ドル 予想-31.5億加ドル)
  • 22:30 (米) 10月貿易収支 (前回-639億ドル 予想-650億ドル)
  • 22:30 (米) 11月非農業部門雇用者数 [前月比] (前回63.8万人 予想50.0万人)
  • 22:30 (米) 11月政府部門雇用者数 [前月比] (前回-26.8万人)
  • 22:30 (米) 11月民間部門雇用者数 [前月比] (前回90.6万人 予想59.8万人)
  • 22:30 (米) 11月製造業雇用者数 [前月比] (前回3.8万人 予想4.0万人)
  • 22:30 (米) 11月失業率 (前回6.9% 予想6.8%)
  • 22:30 (米) 11月U6失業率 (前回12.1%)
  • 22:30 (米) 11月平均時給 [前月比] (前回0.1% 予想0.1%)
  • 22:30 (米) 11月平均時給 [前年同月比] (前回4.5% 予想4.2%)
  • 22:30 (米) 11月労働参加率 (前回61.7%)
  • 23:00 (米) エバンズ・シカゴ連銀総裁「質疑応答セッション参加」
  • 00:00 (米) ボウマンFRB理事講演
  • 00:00 (米) 10月製造業新規受注 [前月比] (前回1.1% 予想0.8%)
  • 00:00 (米) 10月耐久財受注・改定値 [前月比] (前回2.1%)
  • 00:00 (米) 10月耐久財受注/除国防資本財・改定値 [前月比] (前回3.8%)
  • 00:00 (米) 10月耐久財受注・除輸送機器・改定値 [前月比] (前回1.5%)

12月4日の相場見通し

昨晩もドル売りが優勢となりました。株高のリスク・オンの展開ですが、ただ、高値圏にある株価は、不安定となり易く、特に本日は週末もあって、調整が強まるならリスク・オンの動きも巻き戻しのリスクに注意しておきましょう。

経済指標としては、豪10月小売売上高、独10月製造業新規受注、英国の11月建設業PMI、カナダと米国の10月貿易収支 と11月雇用統計などが発表されます。

経済指標に対する反応の鈍い展開が続いていますが、注目はやはり米国の雇用統計となります。また直近の米経済指標や雇用指数は、改善に陰りが見えています。弱い結果となる可能性がありそうです。その場合、通常ならドル売りで反応するイメージですが、ただ、株価が調整してしまうと、リスクオフのドル買いとなるケースも想定して対応しましょう。

12月4日のデイ・トレード戦略

本日のトレード戦略です。

ドル円

  • 予想レンジ:103.25~104.25
  • 基本戦略: 戻り売り
  • 予想時間:08:51 予想時レート: 103.84

ドル円は、調整も下値は103.18や103.65が支えているが、指摘した短期のサポートを割り込む展開。ただ、スロー・ストキャスティクスは若干不透明としても、引き続き上値は重く、下値トライの可能性を秘めていることは注意しておきたい。

下値は103.65を割れても103円のミドルが支えるとまだ良いが、しっかりと割れると再度103円前半への調整となる。ただ、現状この下方ブレイクは不透明だが、103.18の安値や103円のサイコロジカルをしっかりと割れると101.99の戻り安値、更にサイコロジカルは101.50がターゲットとなるが、引き続き買いが入り易い。最大のリスクは101.19の安値割れとなるが、その場合100.58のフィボナッチ・リトレースメント(75.31-125.86)までターゲットとなる。ただ、100円のサイコロジカルを直ぐに割れることは想定できず、買い下がり位置との見方は変わらない。

上値は、転換線の104.22、基準線の104.43が抑えると弱い。104.75-76の戻り高値を越えて、105.13-16の戻り高値、更には104.98から104.32に降りて来る雲の下限、105.48から104.65に降りて来る雲の上限が抑えると引き続き弱い。105.68の戻り高値を超えて、一定の上昇期待も106円のサイコロジカルが視野となるが、レジスタンスが控えている。106.11の戻り高値を超えて106.50のサイコロジカル、106.55の戻り高値を超えて106.95-107.05なども視野となるが、上抜けは不透明で、107.54や108.17の戻り高値を順次超えるまでは、完全なあく抜けは見えない。

デイの戦略としては、103円台は買いも入り易いことで、突っ込み売りは得策ではないが、反発があれば売り狙い。ストップを104.75-76に置いて、104.00-20、104.40-60と売り上がり場を探す形。ターゲットは103.65の維持では買い戻しも、割れると103.50前後、103.30前後と利食いながら対応したい。

またこういった位置への下落では買いも検討されるが、103.18がストップとなることで、下げ止まりを確認するか、さもなくばこのストップ圏を割れてから買い狙いで、本日こういった下落があるかわからないが、103円前後、102.50-80、102.00-30などを買い下がりで対応して、ストップは102円のクリアな下方ブレイクで対応したい。

この買いの場合のターゲットは、104円台の再回復は難しいと見られ、それ以前に下値を支えた103.65がCapされると利食い優先となる。

米雇用統計がドルの巻き戻しにつながるか?【2020年12月4日】

カナダドル円

  • 予想レンジ: 80.00~81.00
  • 基本戦略: 押し目買い
  • 予想時間:09:02 予想時レート: 80.69

カナダ円は、下値を78.38と77.93でダブル・ボトム的に支えて、日足の雲を再度上抜ける展開。 上値はスロー・ストキャスティクスの反転上昇もあって、81.02や81.44-60の戻り高値を越えることが出来るか大きな焦点。超えて81.90の次の戻り高値まで上抜けるなら、82.68、82.81-83.56、84.28、84.74の戻り高値がターゲットとなる。

一方下値は、短期サポートが控える80円前後の維持では強く、割れても79.75-68の雲の上限、今後79.09から79.91まで切り上がりを見せる雲の下限が維持されると堅調が続く。このリスクは79.24の戻り安値割れだが、その場合78.72、78.08-23まで視野となるが、下方ブレイクは不透明も、77.93や77.63を割れると調整が76-77円ゾーンまで視野となる。このリスクは、75.58、74.77、73.77の安値を順次割れるケースとなる。

デイでの戦略としては、一定の上昇期待も上値は追えず、また今夜はカナダ11月雇用統計の発表もあって、結果で相場が動く可能性に注意して対応したい。基本は、押し目買いだが、まず80.43の戻り安値を前に、この手前を買うか、様子見として、80.00-20などへの調整を待って買い狙い。ストップは79.85割れで、ターゲットは80.80がレジスタンスするなら利食い、超えても81円前後は優先となる。また強い雇用統計で上昇が先に81円を超える場合、84.44をバックに上げ渋りでは売っても、ターゲットは、80円ミドルが支えると利食い優先となる。

米雇用統計がドルの巻き戻しにつながるか?【2020年12月4日】