FOMCでドルの巻き戻しも【2020年9月16日】

FOMCでドルの巻き戻しも【2020年9月16日】

おはようございます。だいまんです。

2020年9月16日の相場分析です。

昨日のマーケット

昨晩の海外市場は、明日の米FOMCで、金融緩和を一段と強化する姿勢が示されるとの見方や株価の反発を受けてドル売りが優勢も、その後ナスダックやS&Pは堅調を維持するもNYダウが値を消したことで、巻き戻し気味で引けた。米9月NY連銀製造業景気指数も市場予想を大幅に上回ったが、直接的な影響は見えなかった。

またこの日、WTOは2018年に米国が中国製品に課した関税措置は、国際貿易ルールに違反しているとの判断を示し、トランプ大統領は、「WTOに関して何らか対処する可能性」を示唆したが、影響は見えなかった。

ドル円は、105.82を高値に105.30まで一時下落、ユーロドルは、独・ユーロ圏の9月ZEW景況感指数が予想を上回ったことで、1.1900まで上昇後1.1840まで売りに押され、ポンドドルは1.2927から1.2842で上下した。EU外交筋から「国際法違反とされる国内市場法案が英議会で可決されれば、EUは英と合意できない」と伝わっている。

一方クロス円では、ユーロ円が124.76、ポンド円は136.45から135.47まで下落した。

9月16日の注目材料

  • 07:45 (NZ) 第2四半期経常収支 (前回15.57億NZドル 予想6.90億NZドル)
  • 08:50 (日) 8月通関ベース貿易統計・季調前 (前回116億円 (109億円) 予想-200億円)
  • 08:50 (日) 8月通関ベース貿易統計・季調済 (前回-348億円 予想233億円)
  • 10:00 (豪) 8月先行指数 [前月比] (前回0.06%)
  • 15:00 (英) 8月消費者物価指数 [前月比] (前回0.4% 予想-0.6%)
  • 15:00 (英) 8月消費者物価指数 [前年同月比] (前回1.0% 予想0.1%)
  • 15:00 (英) 8月消費者物価指数・コア指数 [前年同月比] (前回1.8% 予想0.5%)
  • 15:00 (英) 8月小売物価指数 [前月比] (前回0.5% 予想-0.3%)
  • 15:00 (英) 8月小売物価指数 [前年同月比] (前回1.6% 予想0.6%)
  • 15:00 (英) 8月卸売物価指数・コア指数 [前年同月比] (前回0.1% 予想0.0%)
  • 18:00 (ユーロ圏) 7月貿易収支・季調済 (前回171億ユーロ 予想187億ユーロ)
  • 18:00 (ユーロ圏) 7月貿易収支・季調前 (前回212億ユーロ)
  • 20:00 (南ア) 7月小売売上高 [前年同月比] (前回-7.5% 予想-5.0%)
  • 21:30 (加) 7月対内カナダ証券投資額 (前回-135.2億加ドル)
  • 21:30 (加) 7月対外カナダ証券投資額 (前回106億加ダドル)
  • 21:30 (加) 8月消費者物価指数 [前月比] (前回0.0%)
  • 21:30 (加) 8月消費者物価指数 [前年同月比] (前回0.1%)
  • 21:30 (米) 8月小売売上高 [前月比] (前回1.2% 予想1.0%)
  • 21:30 (米) 8月小売売上高・除自動車 [前月比] (前回1.9% 予想0.9%)
  • 23:00 (米) 7月企業在庫 [前月比] (前回-1.1% 予想0.2%)
  • 23:00 (米) 9月NAHB住宅市場指数 (前回78 予想78)
  • 23:30 (米) 週間原油在庫統計 (前回+203.3万バレル)
  • 03:00 (米) 米連邦公開市場委員会・政策金利公表 (現行0.00-0.25% 予想0.00-0.25%)
  • 03:00 (米) 米連邦公開市場委員会・FF金利及び経済予測公表
  • 03:30 (米) パウエルFRB議長・定例記者会見
  • 05:00 (米) 7月対米証券投資・除短期債 (前回1130億ドル)
  • 05:00 (米) 7月対米証券投資 (前回-679億ドル)
  • 臨時国会召集・首相指名選挙
  • フォンデアライエン欧州委員長・施政方針演説 
  • OECD経済見通し中間報告
  • 第75回国連総会開会(ニューヨーク)

9月16日の相場見通し

昨晩は、本日の米FOMCの結果発表で、金融緩和を今後も一段と強化する姿勢が示されるとの思惑からドルの軟調な動きが続きました。

本日の米FOMCの結果次第で、相場が荒れる可能性はありますが、既に8月のジャクソンホールで、インフレ目標達成後も当面低金利政策を維持する姿勢が示されています。また同時に、FOMCメンバーのFF金利見通しやFRBスタッフの経済予測も公表されます。前回6月は、コロナウイルスの混乱がピークであっただけに、経済見通しに一定の改善が示される可能性があります。

パウエルFRB議長は、引き続きハト派的な見解を続けるでしょうが、現状想定される以上の内容が出なかった場合、ドルに、噂で売って事実買いの面もありそうです。

経済指標としては、日本の8月通関ベース貿易統計、豪8月先行指数、英国の8月消費者・小売・卸売物価指数、ユーロ圏7月貿易収支、南アの7月小売売上高、カナダの7月対内外証券投資額と8月消費者物価指数、米国では、8月小売売上高、7月企業在庫と9月NAHB住宅市場指数が発表されます。

FOMCの結果発表を前に、経済指標に対する反応は鈍りそうですが、注意は米8月小売売上高で、昨日の9月NY連銀製造業景気指数も市場予想を大幅に上回っています。良い結果が見えた場合に、ドルに一定の巻き戻しが出るか注意しておきましょう。

その他、引き続きコロナウイルスに関する話題、米中関係や米大統領選がらみの報道、株価の動きには注目して対応しましょう。 

9月16日のデイ・トレード戦略

本日のトレード戦略です。

ドル円

  • 予想レンジ:105.00~106.00
  • 基本戦略:逆張り
  • 予想時間:08:21 予想レート:105.39

ドル円相場は、日足の雲の下限に突入も反発が106.51-55で抑えられて、指摘した雲の下限を維持出来ずに105.30まで昨日調整が深まった。

若干揉み合い気味だったドル円相場に、昨日特に売りが出た要因は見当たらないが、一部ソフトバンク・グループが、買収したアーム社を売却する予定で、全額が現金ではないが、もし、これに関わる円転がひそかに出ている可能性もあるのかもしれない。 

ともかく、基本は105-107円レンジ相場との見立てだが、上値が重くなる可能性には注意しておきたい。

上値は、既に日足の基準線が位置する106.08が抑えると弱く、超えても106円ミドルまでは売りが出易い。106.51-55の戻り高値を超えても、日足の雲の上限が107.02に降りてきており、こういった位置が上値を押さえそう。あくまで107.05を超えて、107.54の戻り高値、更に108円を目指す動きとなるが、それでも108.17の高値を超えるまではあく抜け感は出ない。

一方下値は昨日の安値105.30が維持できれば良いが、105.10-20や105円をしっかりと割れて調整が深まる。ただ、それでも104円ミドルが支えると更に突っ込み売りは出来ないが、104.19割れと、フィボナッチ・リトレースメントの76.4%となる103.67、戻り安値からは103.18、101.99がターゲットとなる。

ただ、こういった位置は一旦買いとなり易い。最大のリスクは101.19の安値割れとなることは変わらない。
 
従って、デイ・トレードの戦略としては、本日はFOMCの結果発表が予定されているが、市場は、ほぼ政策金利の長期維持は織り込まれており、これ以上の材料が出てこなかった場合、ドルの買い戻しもあると見ており、突っ込み売りは避けたい。

ただ、買いも慎重さが必要だが、突っ込み売りが出るなら105円前後から買い下がるのも一考で、104円ミドルまで買い下がってみたい。ストップは近めなら104.45だが、慎重なら104円近くまで買い下がって、103.95割れなどで対応するのが安全。ただ、こういった買いも、105.80-106.00が上値を抑えるとならしっかりと利食っておきたい。

また売りも、早期なら105.85をストップにこの手前を売っても、下値は105.30が維持されると利食いながら対応。また、FOMCを絡めてかもしれないが、更に上昇があった場合、直近高値の106.55越えをストップに、106.10-30ゾーンを売り上がって、この場合のターゲットだが、FOMC後なら時間的に厳しいので、下落があれば随時利食いながらの対応が良さそう。また深押ししても105円ミドルを前に、利食い優先が安全となりそうだ。

FOMCでドルの巻き戻しも【2020年9月16日】

ユーロ円

  • 予想レンジ:124.00~125.60
  • 基本戦略:突っ込みは避けて、戻り売り
  • 予想時間:08:55 予想レート:124.87

反発も127.08で高値をつけて調整気味。上値は既に、125.90-15ゾーンのレジスタンス、126円ミドルが抑えると上値追いは厳しい。あくまで127.08の高値越えから、130円方向への上昇期待となる。

下値は、ネック・ラインとパラレル・サポートが重なる124.33-40ゾーンが維持できるか、割れるか大きな焦点となる。スロー・ストキャスティクスが若干下落を見せており、もし割れると124.13の日足の雲の上限、123.85も割れると次の戻り安値圏となる122.84-123.34が視野となる。

また将来的に日足の雲の下限が123.04に切り上がりを見せることで、サポートと絡めてもこういった位置から122円前後までは買いが入り易い。ただ、121.45-50まで割れると、調整が深まるので注意となるが、それでも120円のサイコロジカルは当面守られると見たい。

従って、デイ・トレードの戦略としては、突っ込みは避けて、125.20-60ゾーンへの戻りを慎重に売り上がって、ストップは125.80や125.90越え。または、126.13越えに置くなら、更に売り上がりで対応となる。

ターゲットは、124.33-40を前に、これを維持すると買い戻し優先だが、割れても124円前後ではしっかりと利食いとなる。また、日足の雲と絡めて124円前後からは買いも検討されるが、ストップを123.85とするか、または雲の下限となる123.04まで買い下がりの余裕を持って対応したい。

ストップは、122.84割れ。ただ、ターゲットは、こういった下落の場合、124円ミドルが逆レジスタンスとして機能するなら利食いを優先するのが安全となる。 

FOMCでドルの巻き戻しも【2020年9月16日】