FOMCの結果を再吟味する展開【2020年9月17日】

FOMCの結果を再吟味する展開【2020年9月17日】

おはようございます。だいまんです。

2020年9月17日の相場分析です。

昨日のマーケット

昨日の市場は、早期は米FOMCの結果発表を控えて、低金利政策の長期化観測が根強く、ドル売りが優勢となった。

米8月小売売上高が、市場予想を下回ったことなども嫌気されたが、注目のFOMCでは、政策金利を据え置き、FF金利見通しでは、2023年までゼロ金利を維持することが示され、声明文でも「リスクが生じた場合には適切に金融政策のスタンスを調整する用意がある」と緩和スタンスの維持を示唆されたが、一定織り込みの範囲に留まった。

また、パウエルFRB議長の定例記者会見では、先行きに関して慎重な見方が示されたが、イールドカーブ・コントロールやマイナス金利について踏み込んだ言及はなく、NYダウが値を消し、米長期金利が上昇したこともあって、総じてドルの買い戻し気味で引けた。

ドル円は104.81まで下落後、反発が105.15で限定され、ユーロドルは1.1883まで上昇後1.1788、ポンドドルも1.3008まで一時上昇後、1.2938まで売りに押された。

一方クロス円では、ユーロ円が123.83まで下落、ポンド円は135.59から136.48で上下した。

9月17日の注目材料

  • 07:45 (NZ) 第2四半期GDP [前期比] (前回-1.6% 予想-12.5%)
  • 07:45 (NZ) 第2四半期GDP [前年同期比] (前回-0.2% 予想-12.8%)
  • 08:50 (日) 週間対外対内証券売買契約等の状況 [対外中長期債] (前回3779億円)
  • 08:50 (日) 週間対外対内証券売買契約等の状況 [対内株式] (前回116億円)
  • 10:30 (豪) 8月新規雇用者数 (前回11.47万人 予想-4.00万人)
  • 10:30 (豪) 8月失業率 (前回7.5% 予想7.7%)
  • 10:30 (豪) 8月フルタイム就業者数 (前回43.5千人)
  • 10:30 (豪) 8月労働参加率 (前回64.7%)
  • 未 定 (日) 日銀金融政策決定会合・策金利発表 (現行-0.10%)
  • 15:30 (日) 黒田東彦日銀総裁・定例記者会見
  • 18:00 (ユーロ圏) 7月建設支出 [前月比] (前回4.0%)
  • 18:00 (ユーロ圏) 7月建設支出 [前年同月比] (前回-5.9%)
  • 18:00 (ユーロ圏) 8月消費者物価指数・改定値 [前年同月比] (前回-0.2%)
  • 18:00 (ユーロ圏) 8月消費者物価指数コア指数・改定値 [前年同月比] (前回0.4%)
  • 20:00 (英) 英中銀・政策金利公表 (現行0.10% 予想0.10%)
  • 20:00 (英) 英中銀・資産買取プログラム規模 (現行7450億ポンド 予想7450億ポンド)
  • 20:00 (英) 英中銀・金融政策委員会議事録公表
  • 21:30 (米) 8月住宅着工件数 [年率換算件数] (前回149.6万件 予想147.8万件)
  • 21:30 (米) 8月住宅着工件数 [前月比] (前回22.6% 予想-1.2%)
  • 21:30 (米) 8月建設許可件数 [年率換算件数] (前回149.5万件(148.3万件) 予想152.0万件)
  • 21:30 (米) 8月建設許可件数 [前月比] (前回18.8%(17.9%) 予想2.5%)
  • 21:30 (米) 9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数 (前回17.2 予想15.0)
  • 21:30 (米) 週間新規失業保険申請件数 (前回88.4万件 予想850万件)
  • 21:30 (米) 週間失業保険継続受給者数 (前回1338.5万人 予想1300.0万人)
  • 22:00 (南ア) 南アフリカ準備銀行・政策金利公表 (現行3.50% 予想3.25%)
  • 第75回国連総会開会(ニューヨーク)

9月17日の相場見通し

本日は、このFOMCの結果を再吟味する相場展開となりそうですが、ただ、NY株価が軟調で引けていること、FRBメンバーの米経済の見通しには改善が見えていることを考えると、行き過ぎた米国の緩和期待が、ドル売りを誘ってきただけに、失望の動きが広がる可能性に留意しておきましょう。

本日は、金融政策として、日銀、英中銀と南ア準備銀行の政策金利公表が予定されています。日銀に関しては、政策の変更は見込まれていません。相場に対する影響は少ないでしょう。

また英中銀は、一部にマイナス金利の導入など思い切った政策が実施されるとの思惑があるようです。ただ、未だ英国とEUのFTA交渉の行方が不透明なこともあって、現状での変更は少し難しそうです。その場合のポンド相場の買い戻しに注意しておきましょう。

一方南ア準備銀行では、政策金利の0.25%の利下げが見込まれています。もし、利下げが決定されても、南アランド相場は、既に織り込みの範囲の動きに留まりそうです。

経済指標としては、NZ第2四半期GDP,豪州8月雇用統計、ユーロ圏では7月建設支出と8月消費者物価指数の改定値、米国では、8月住宅着工件数・建設許可件数、9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数と週間新規失業保険申請件数が発表されます。

経済指標に対する反応が、限定されていますが、米国の雇用環境を見る上では、週間新規失業保険申請件数に改善が見えるか注目となりそうです。ただ、既に昨晩FOMCの結果が発表されているだけに、結果にサプライズが見えなければ、影響が大きく出る可能性は低いかもしれません。

9月17日のデイ・トレード戦略

本日のトレード戦略です。

ドル円

  • 予想レンジ: 104.50~105.50
  • 基本戦略: 慎重な押し目買いから吹き値売り
  • 予想時間:09:27 予想レート:104.93

ドル円相場は、日足の雲の下限に突入も反発が106.51-55で抑えられて、指摘した雲の下限を維持出来ずに、昨晩は104.81まで下落した。

特に日足のロング・ランのサポートを割れておりムードは悪いが、現状は、104.75のオプションの防戦が支えており、津込み売りは厳しいが、もし維持できない場合104円ミドル、104.19割れるとフィボナッチ・リトレースメントの76.4%となる103.67、戻り安値からは103.18、101.99がターゲットとなる。

ただ、こういった位置は一旦買いとなり易い。最大のリスクは101.19の安値割れとなることは変わらない。

一方上値は、既に雲の下限が106円前後に位置して、上限も今後106.02レベルに降りて来ることもあって、このCapでは相当弱い形が継続しそう。また超えても106.55を超えるまでは売りが出易く、更に106.95-107.05、107.54、108.17の戻り高値を順次超えるまでは、あく抜けは見えない。

従って、デイ・トレードの戦略としては、FOMCの緩和姿勢は織り込みの範囲であり、一定のドルの巻き戻しもあると見ている。

まずは、慎重に104円ミドル方向への下落で、慎重に買い下がって、ストップは104.19や104円割れで対応するが、ただ、ターゲットは、105.05-20が抑えると利食い優先。超えても105円ミドルを前にしっかりと利食いが良い。

またこういった反発では売りも検討できるが、ストップを105.82越えとするか、更に106円前後、106円前半と売り上がるなら、ストップを106.55としたい。

売りの場合のターゲットは、105円前後が維持されると利食いとなるが、割れても104円ミドルはしっかりと利食っておきたい。

FOMCの結果を再吟味する展開【2020年9月17日】

ポンドドル

  • 予想レンジ: 1.2800~1.3100
  • 基本戦略: 突っ込みは避けて戻り売り
  • 予想時間:09:57 予想レート:12935

ポンドドルは、堅調な上昇も1.3482を高値に調整気味となり、日足の強い上昇を支えるサポートを割れて、それまでの高値圏となる1.2814-1.2648ゾーンに突入も1.2763で下げ止まりを見せて反発的。特にこの下落からの反発で、スロー・ストキャスティクスが既に反転上昇気味となっており、不透明ながらも突っ込み売りは避けておいた方が良さそう。

上値は1.3008から1.3123の戻り安値が抑えると弱いが、超えると日足の基準線となる1.3123、1.3137の20日移動平均、下落がスタートとした1.3169から1.3200のサイコロジカル、1.3255-85のギャップが上値を抑えると下落リスクが継続する。あくまで1.3482や1.3513の上ヒゲを超えて、一定のあく抜け感となる。

一方、下値は現状の安値1.2763を前に1.28前後が支えると良いが、維持出来ない場合、それ以前の高値の1.2648がターゲットとなる。この位置は、サポートと合わせても買い場となるが、リスクは1.2252や1.2073の安値割れとなる。

本日は、英MPCの結果発表が控えており、結果次第で荒れた展開が想定される。ただ、マーケットが、一部英中銀のゼロ金利政策導入の思惑を強めているのは行き過ぎ感で、もし、何も変更がなかった場合、ポンドの買い戻しのリスクが強まる可能性には留意しておきたい。

従って、戦略的には突っ込みは避けて、あくまで戻りを待って売り狙いとなるが、まずは、昨日の高値1.3007をストップに、1.30方向へ上昇で売っても、下値は60分足のサポートが控える1.29前後、割れても1.28までは利食い優先で、またこういった位置では買いも検討されるが、しっかりと下げ止まりを確認して対応したい。

ストップを1.2763として、値幅を置いて下がっても、ターゲットも1.30が抑えるなら利食い優先。

またもし、こういった位置から1.3036の戻り高値を超えると、順張りも検討されるが、その場合も1.31前後からは利食い場を考えて、慎重に1.32方向、1.33方向は売り場を探したい。

ストップは、1.3320越えなどで対応となるが、こういった上昇の場合の利食いは、1.3000-50ゾーンが逆サポートされると利食い優先となる。 

FOMCの結果を再吟味する展開【2020年9月17日】