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おはようございます。大塚亮です。
2021年10月19日の相場分析です。
目次
概況
ポンド円の10月18日終値は156.928円、前日比0.069円安と小幅下落した。取引レンジは157.371から156.609円。
10月7日からの7連騰で10月15日には前日比1.563円高の日足大陽線となり高値で157.414円を付けて5月27日高値156.061円を超えて昨年3月底以降の最高値を更新した。
週明けの10月18日は決め手に欠いてドル円が114円台前半での持ち合い推移に入り、ポンドドルも高値更新後の調整安で1.370ドル台序盤へ下げたためにポンド円もややジリ安の推移で18日昼に156.609円までいったん下げ、18日深夜には156.664円まで再び下落したものの安値更新を回避して確りした。
10月19日午前序盤はドル円がやや上値の重い展開だが、ポンドドルは1.3750ドルを超えて15日夜高値に迫ってきており、ポンド円も157円台を回復しつつある。
注目情勢 英中銀の11月及び12月会合での利上げ予想
10月18日は米2年債利回りが年初来高値を更新、米10年債利回りも上昇一服で下げていたとこから週末に反騰して18日も続伸と上昇基調を維持している。一方で英10年債利回りも10月14日に1.03%まで下げたところから15日に1.11%へ上昇、18日も高値で1.17%へと上昇しており10月11日の1.22%からの調整的な低下も一巡して上昇再開感が強まっている。
米連銀の年内テーパリング開始と来年の利上げ予想を踏まえて米長期債利回りが上昇しているものの、主要国の長期債利回りも同調して上昇しており、英10年債利回りもエネルギー価格高騰による物価上昇への対処として英中銀による年内利上げの可能性が高まっていることで上昇基調にある。このため通常なら米長期債利回り上昇でドル高反応が進みやすいところでもポンドドルが上昇する状況となっている。
英中銀のベイリー総裁は10月17日に「エネルギー価格高騰は物価圧力が長期化することを意味する」「インフレを抑制するため中銀が行動する必要が生じる」と述べて年内の利上げ姿勢を示したが、この発言により市場は11月4日の次回英中銀金融政策決定会合で0.15%の利上げを予想しているが、、12月16日の会合でさらに0.25%の利上げ、2022年には3度の利上げも予想され始めている。
英中銀は8月5日の会合で金融緩和政策の「出口戦略」に言及し、政策金利が0.5%に達した段階で償還金を再投資せず保有債の縮小を開始、政策金利が1%に達した段階で保有債の積極的な売却を検討するとしている。
注目情勢 感染拡大止まらず
英国の新型コロナウイルスの新規感染者数は10月18日に49156人に達した。7月7日に54187人でピークを付けていったんは21000人台まで低下していたがその後は再び拡大、4万人を超える状況が続いている。死者数は200人弱の水準で1月20日に1800人を超えたところと比較すればかなり低水準であり、ワクチン普及の効果がみられるが、若年層の感染拡大が顕著となっていることから今後の影響も懸念される。死者が相対的に少なくなれば医療崩壊的な危機を回避してロックダウンの等の規制もせずにウィズ・コロナ型の経済政策も可能となるだろうが、コロナ羅漢者は後遺症も長期化するため、今後の悪影響も警戒される。
短期テクニカル
ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちとピークアウトを繰り返すリズムがある。
10月1日夕安値を起点とした上昇基調を続けているが、10月12日夕刻安値でいったん目先の底を付けて一段高に入り、10月15日夜高値でピークを付けた。その後は156円台中盤までで確りとした持ち合い型での調整となっているが、既に18日昼と18日深夜の両安値で足場を固めて上昇再開に入りつつあると思われる。10月15日夜高値超えからは新たな上昇期入りとして20日夜から22日夜にかけての間への上昇を想定する。
60分足の一目均衡表では10月15日夜高値から調整気味の推移に入ったために遅行スパンがいったん悪化しているが、先行スパンの上限が下値支持線として機能している。このため先行スパンを上回るうちは上昇再開の可能性を優先し、遅行スパン好転からは高値試し優先の流れとみる。ただし先行スパンに潜り込む反落発生からは下げ再開を警戒し、先行スパン転落からは下げ足が速まってやや大きな調整期に入る可能性もあると注意する。
60分足の相対力指数は10月18日夜に50ポイントを割り込んだところから切り返しているので既に上昇再開に入っている印象だ。45ポイントを割り込まないうちは上昇余地ありとして70ポイント台回復を目指すとみて、45ポイント割れからはもう一段安へと調整安が長引く可能性が出てくると注意する。
10月19日の売買戦略
10月15日夜高値からの調整期も156円台中盤までで足場を固めて高値更新を伺う展開とみる。156円台にあった抵抗帯を突破してきているので、中勢レベルではさらに高値追及を続けやすく158円台、159円台を段階的に試してゆく流れとみて、目先は押し目買い有利とみる。
157円から156.70円台までは押し目買いされやすい水準とし、15日夜高値157.414円超えからは158円台序盤(158.00円から158.30円)を目指すとみる。156.70円以上での推移なら20日も高値試しへ向かいやすいとみる。
10月19日の主な予定
- ユーロ圏
- 18:00 8月 建設支出 前月比 (7月 0.1%)
- 18:00 8月 建設支出 前年同月比 (7月 3.3%)
- 21:00 パネッタECB理事、講演
- 22:00 (欧) レーンECB理事、講演
- 英国
- 19:00 マン英中銀委員、講演
- 21:05 ベイリー英中銀総裁、気候変動関連の講演
- 米国
- 21:30 9月 住宅着工件数 年率換算件数 (8月 161.5万件、予想 162.0万件)
- 21:30 9月 建設許可件数 年率換算件数 (8月 172.8万件、予想 168.0万件)