ポンド円見通し オミクロン・ショック一服だが下げ渋りにとどまる

ポンド円見通し オミクロン・ショック一服だが下げ渋りにとどまる

おはようございます。大塚亮です。

2021年11月30日の相場分析です。

概況

ポンド円の11月29日終値は151.182円、前日比0.102円安と小幅下落した。取引レンジは151.920円から150.691円。

11月26日早朝から新種の感染力が高い変異株発生と報じられたことで金融市場全般が動揺、世界連鎖株安が発生する中でドル円が急落、ポンドドルも26日夕刻まで下落したためにポンド円は26日夕刻安値で151.090円まで急落した。26日夕刻からはユーロ高につれてポンドドルが戻したもののドル円がさらに一段安したためにポンド円は27日未明安値で150.720円まで安値を切り下げ、151円台序盤まで若干戻して先週を終えた。

週明けの29日は先週末の動揺がやや収まったことで株式市場が反発、ドル円が午後に一時的に113円割れへ反落したところでポンド円も150.691円まで安値を切り下げたが、ドル円が早々に持ち直し、ポンドドルも29日夜にかけて戻したことで下げ一服となった。29日深夜にポンドドルが反落したもののドル円が確りしたことでポンド円は151円台を維持しての推移にとどまった。

注目情勢 英国でも新変異株の感染増加を確認

11月27日に英国でのオミクロン株感染者が確認されていたが、29日にはスコットランドで6名の感染者が確認された。30日早朝時点では16か国地域に拡大しているが、特に欧州ではオーストリア、オランダ、ドイツ、イタリア、スペイン、デンマーク、チェコ、スエーデンと広がっている。

オミクロン株の発生前の段階で欧州は深刻な感染再拡大がみられていたが、仮にオミクロン株による感染急増が加わるようだと医療体制の逼迫や経済活動の規制強化、あるいはロックダウンの再開も警戒されることになる。

ワクチン大手のファイザーとモデルナはオミクロン対応ワクチンの開発に着手したと報じられているが、既存の武漢型ウイルスを元にしたワクチンの有効性が薄いことを示しており、新たなワクチン普及までの間に感染急増となる懸念もあるところだ。

テクニカルポイント ポンドドルの戻り続かず

オミクロン・ショックによるリスク回避の動きでポンドドルは11月日夕刻に1.2277ドルへ下落して10月20日高値1.3833ドル以降の安値を更新、6月1日高値1.4249ドル以降の最安値も更新して年初来安値となった。11月26日夕刻安値からはユーロドルの上昇に引っ張られて戻し、29日夜には1.3362ドルまで戻り高値を若干切り上げたが、その後に1.330ドルを割り込む反落となり26日夕安値割れへの余裕が乏しくなっている。

オミクロン・ショックによるリスク回避では、クロス円が全面安となる円高の他、スイスフランも安全資産として買われたが、ユーロ圏投資家によるユーロ買い戻しの動きからユーロドルが終日の上昇となったことが注目された。しかしユーロドルも29日午前から29日深夜にかけては下落しており、ユーロの買い戻しにも一巡感がみられる。昨年のパンデミック発生当初もユーロドルは2月末から3月前半にかけていったん急伸してから一段安する乱高下だったが、その後にアフターコロナの復興期待相場へと金融市場全般が舵を切ったことでユーロドルの大上昇が今年1月まで続いた経緯がある。今回もオミクロンが弱毒性ならウィズ・コロナによる景気回復は継続としてユーロドルが上昇、ポンドドルもつれて上昇に転じることも可能と思われるがまだ情報は錯綜しており、強毒性をもってデルタ株以上の感染拡大となる場合にはユーロドルも売られ、ポンドドルも連鎖的に売られて安値更新へ進む可能性があるところだ。その際にポンド円としては円高とポンド安が重なる可能性もあると注意したい。

短期テクニカル

ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちと反落を繰り返すリズムがある。

11月19日夜安値を起点として上昇期に入り154円台序盤を抵抗とした持ち合いで推移していたが、25日午前時点では23日昼高値を起点とした下落期に入っているとし、24日夜安値を割り込むところからは25日夜ないし26日夜にかけて安値試しへ向かいやすくなると指摘した。

27日未明へ151円割れへと大幅下落してから152円に迫るところまで戻したため、29日午前時点では11月19日夜安値から5日目となる27日未明安値で目先の底を付けて反騰入りしたとし、底割れ回避のうちは11月29日の日中から12月1日にかけての間への上昇余地ありとした。29日午後に一時的に安値を若干更新したものの早々に持ち直しているのでまだ戻りを試す可能性が残るが、29日午後安値150.691円を割り込む場合は新たな下落期入りとして12月2日未明から4日早朝にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では下げ渋りの持ち合いに入っているので遅行スパンは実線と交錯し、低下してきた先行スパンの下限に到達している。先行スパンへ潜り込む場合はその上限を試す上昇を想定するが、先行スパン上限の手前では抵抗感も出やすいと思われる。151円割れを伴う遅行スパンの悪化からは下げ再開を警戒して安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は26日夕刻の急落時に10ポイント台序盤へ下げたところから持ち直して50ポイント台に到達しているので、40ポイント以上での推移中は60ポイント台への上昇余地ありとみるが、40ポイント割れからは下げ再開を疑い20ポイント台を試しつつ一段安へ向かう可能性があるとみる。

11月30日の売買戦略

暴落一服ではあるが下げ渋りの揉み合いにとどまっているためもう一段安しやすいところとし、当面はオミクロン・ショックを引きずるうちは戻り売り有利の展開と考える

151.80円から152.25円にかけてのゾーンは戻り売りにつかまりやすいとみる。151.00円割れからは下げ再開を疑い、29日午後安値150.691円割れからは150円試し、さらに149円台中盤を目指す流れとみる。

11月30日の主な予定

  • 英国
  • 22:00 マン英中銀委員、講演
  • ユーロ圏
  • 17:55 11月 ドイツ失業者数 前月比 (10月 -3.90万人、予想 -2.50万人)
  • 17:55 11月 ドイツ失業率 (10月 5.4%、予想 5.3%)
  • 19:00 11月 ユーロ圏消費者物価指数・速報値 (10月 4.1%、予想 4.4%)
  • 19:00 11月 ユーロ圏消費者物価コア指数・速報値 (10月 2.0%、予想 2.3%)
  • 米国
  • 23:00 9月 米連邦住宅金融局住宅価格指数 前月比 (8月 1.0%、予想 1.2%)
  • 23:00 9月 ケース・シラー米住宅価格指数 前年同月比 (8月 19.7%、予想 19.3%)
  • 23:45 11月 シカゴ購買部協会景景況指数 (10月 68.4、予想 67.0)
  • 24:00 11月 コンファレンス・ボード消費者信頼感指数 (10月 113.8、予想 110.9)
  • 24:00 パウエル米連銀議長とイエレン財務長官、上院銀行委員会で証言