ポンド円見通し 米FOMC、英中銀MPC前で小動き

ポンド円

おはようございます。大塚亮です。

2021年12月15日の相場分析です。

概況

ポンド円の12月14日終値は150.446円、前日比0.369円高と小幅上昇した。取引レンジは150.577円から149.766円。

12月5日に150円を割り込み、12月3日には148.983円まで安値を切り下げたが、その後は新たな安値更新を回避するも150円台に乗せたところを維持できず、12月7日高値151.127円を超えられない範囲で150円を挟む持ち合いとなっている。

12月14日午後から夜にかけてポンドドルが反発したものの米PPI発表からは下落、ドル円も12月11日未明安値113.22円からはジリ高の推移だが12月8日高値113.95円には届かずに113.50円を挟んだ持ち合いの様相であり、ポンドドルもドル円も動意に欠ける。

12月16日未明に米連銀のFOMC、16日夜に英中銀MPC(金融政策委員会)とECB理事会があり、それらを見定めたいところ。

注目材料 英失業率は改善

英国民統計局が12月14日に発表した8-10月期の失業率(ILO方式)は4.2%となり7-9月期の4.3%から低下して市場予想と一致した。
週間平均賃金上昇率は4.9%とで市場予想の4.6%を上回った。

9-11月期の求人数は121万9000人で過去最高を更新した。

10月の就業者数は14万9000人増となり9月の24.7万人増に続く増加となった。11月の給与従業員数は前月比25万7000人増の2940万人となりパンデミック初期の2020年2月の水準を42万4000人上回っている。

11月の失業保険受給者数は4万9800人減少で10月の1万4900人減少を上回る減少ぶりとなった。
英国での感染増加ペースは落ちないもののウィズ・コロナ政策による景気回復を反映している。

注目情勢 12月16日夜の英中銀MPC

12月16日夜に英中銀の金融政策委員会(MPC)が開催される。12月16日未明に米連銀FOMCがあり、そのあとを受けての政策発表となるが、市場の事前予想では政策金利は0.10%での据え置きが予想されている。MPCメンバー9名のうち利上げ賛成が2名で現状維持が7名と予想され、量的緩和による資産購入規模についても現状維持が予想されている。

10月時点では11月と12月の2会合連続でインフレ対策的な利上げが行われるのではないかとの見方が強かったのだが、感染再拡大が収まらない中で英中銀は利上げを躊躇している。

12月14日には国際通貨基金(IMF)が英国のインフレ進行に対して英中銀が利上げを躊躇することで「不作為バイアス」となることは避けるべきとして利上げ催促的な報告書を発表している。

短期テクニカル

ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちと反落を繰り返すリズムがある。

12月4日早朝安値から3日半となる12月9日夜安値を起点として戻していたが、12月7日夕高値から4日目となる12月13日夜高値でピークを付けて12月14日昼安値までいったん下げ、その後の戻りで13日夜高値に迫っている。このため現状は14日昼安値で目先の底を付けて戻りを試す流れに入っているところと思われる。

高値形成期は16日夜から20日夜にかけての間と想定されるが13日夜高値とのダブルトップに終わる可能性もあると注意し、13日昼安値割れからは新たな下落期入りとして16日昼から20日昼にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では12月13日昼からの上昇で遅行スパンが好転、先行スパンも上抜いているので遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、両スパン揃って悪化するところからは下げ再開とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は持ち合い推移のため60ポイント台前半で売られ30ポイント台へ下げたところは買われている。この範囲内での推移が暫く続くとみる。

12月15日の売買戦略

150円を挟んでの揉み合いだが、戻り高値が切り下がり基調の一方で12月4日早朝安値からは底上げも続いている。持ち合いから抜け出してトレンドを発生させるのは12月7日午後高値を超えるか、12月4日早朝安値を割り込む必要があり、そのきっかけはFOMC及び英中銀の金融政策発表からとし、それまでは逆張り有利の展開とみる。

150.65円から151円手前にかけてのゾーンを戻り売り、149.70絵mんから149.30円にかけてのゾーンは押し目買いとみる。

12月15日の主な予定

  • 英国
    ー16:00 11月 消費者物価指数 前月比 (10月 1.1%、予想 0.4%)
    ー16:00 11月 消費者物価指数 前年同月比 (10月 4.2%、予想 4.8%)
    ー16:00 11月 消費者物価コア指数 前年同月比 (10月 3.4%、予想 3.7%)
    ー16:00 11月 小売物価指数 前月比 (10月 1.1%、予想 0.3%)
    ー16:00 11月 小売物価指数 前年同月比 (10月 6.0%、予想 6.7%)
  • 米国
    ー22:30 12月 ニューヨーク連銀製造業景況指数 (11月 30.9、予想 25.0)
    ー22:30 11月 小売売上高 前月比 (10月 1.7%、予想 0.8%)
    ー22:30 11月 小売売上高・除自動車 前月比 (10月 1.7%、予想 0.9%)
    ー22:30 11月 輸入物価指数 前月比 (10月 1.2%、予想 0.6%)
    ー22:30 11月 輸出物価指数 前月比 (10月 1.5%、予想 0.5%)
    ー24:00 10月 企業在庫 前月比 (9月 0.7%、予想 1.1%)
    ー24:00 12月 NAHB住宅市場指数 (11月 83、予想 83)
    ー28:00 米連邦公開市場委員会(FOMC) 政策金利 (現行 0.00-0.25%、予想 0.00-0.25%)
    ー28:30 パウエル米連銀議長、定例記者会見