豪ドル円見通し 3連騰後の上昇一服、値固めから高値更新を伺う

豪ドル円

おはようございます。大塚亮です。

2021年12月27日の相場分析です。

概況

豪ドル円の12月24日終値は82.606円、前日比0.257円安と下落した。取引レンジは82.866円から82.511円。
クリスマスによる米国市場等の休場により24日は手掛かりに欠けて全般に小動き。豪ドル円は12月21日から23日まで3日連続の陽線で上昇して88円手前まで高値を切り上げてきていたが、上昇一服で若干下げた。

12月27日、28日はオーストラリア、ニュージーランド共に休場。

注目情勢 豪州の新規感染者1万人に迫る

オーストラリアの新規感染者数は9月25日に9947人に達した。26日も8千人台と高止まりしている。
11月序盤には1000人台序盤の水準まで減少していたところから急増し、10月14日の前回ピークだった2688人を超えて3倍増と爆発的な拡大となっている。しかしモリソン首相は逆に規制緩和を進めており、死者は少ないとして規制強化の動きを見せていない。感染による1日の死者は第2波の昨年9月に59人だったのが最多で第3波でも27人、現状は10人前後となっている。
米国では12月24日に21万人超、英国で12万人超、フランスで9万人超と急増が続いている。

米国ではパイロットの感染発生等による航空便の欠航が多発しており、12月24日に700便、25日に997便、26日に1001便が欠航したが、世界全体では4500便以上が欠航した模様。
中国でも新規感染者が凡そ21ヶ月振りの高水準に増加しているというが、既にロックダウン入りしている西安では12月24日の市中感染が75人だったところから25日には155人へと倍増した。絶対数はまだ少ないがわずかな感染者でも厳格なロックダウンを導入してきた経緯と今後に北京五輪を控えていることから人流・物流への規制強化が進むと世界規模のサプライチェーン停滞が現状よりも悪化するのではないかと懸念される。

オミクロン株による重症化率の低さやブースター接種の有効性及び新治療薬の相次ぐ承認等により、景気後退に陥らずにウィズ・コロナ政策が世界標準として採られてゆくならばパンデミック初期のようなリセッション入りの不安は薄くなるが、物流停滞が解消しないと世界貿易や製造業での部品不足、小売における販売在庫減少等により資源輸出国である豪経済にとっても大きな影響が出てくる可能性もあると注意したい。

テクニカルポイント 越年上昇へ進めるか、半値戻し達成後の値固め期

豪ドル円の日足は12月3日安値78.787円を起点として反騰入りしてきた。12月6日から8日まで3日連続の陽線=赤三兵で81円台後半へ戻し、12月16日高値から20日安値までいったん調整が入ったものの12月21日から23日まで二度目の3日連続陽線で一段高となり83円に迫った。

10月21日高値86.248円から12月3日安値78.787円までの下げ幅に対する半値戻しラインが82.517円にあったがこれをクリアしており、高値切り上げが続けば3分の2戻しラインの83.761円へと上値抵抗も切り上がてくる。現状では丁度日足の先行スパン上限が3分の2戻しラインに来ており大きな抵抗感を示す可能性があるところだが、82円台後半の水準を維持しながら推移してゆけば年明けには日足の先行スパンから上抜けてくる。逆に言えば現状から年明けにかけて先行スパン突破に失敗するようだと戻り一巡による修正安も厳しくなり、日足の先行スパン下限に沿っての下落で暫く推移することにもなりかねない。

株高原油高を基本としたリスク選好的で資源通貨が買われやすい状況が継続できるのか、感染拡大が一段と深刻化して市場全般が再び悲観に覆われるのか、重要な局面に入っゆくと思われる。

短期テクニカル分析

豪ドル円の60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。
12月16日夜高値を起点とした下落が12月20日夕安値までで一巡して反騰入りしたとして12月21日午前時点では21日夜から23日夜にかけての間への上昇を想定した。
12月24日未明へ高値を切り上げてからはジリ安の推移となっているため、現状は24日未明高値で目先のピークを付けて調整安に入っているところと思われる。安値形成期は24日の日中から27日夕にかけての間と想定されるので既に反騰注意期にあるため、24日未明高値を超えないうちは27日午後にかけて、ないしはやや延長気味に28日午前にかけての間への下落を想定するが、24日未明高値を上抜き返すところからは新たな上昇期に入るとみて28日深夜から31日朝にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では12月24日夜に遅行スパンが悪化、先行スパンに潜り込んだ。24日未明高値を超えないうちはもう一段安余地が残るが、24日未明高値を超えるところからは一段高入りとなるため遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は12月22日深夜から24日未明への一段高に際して指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられてから40ポイント前後まで低下したが、27日午前序盤には50ポイント台を回復しているので調整安から抜け出しつつあるところと思われる。50ポイント以上での推移が続くうちは70ポイント台を目指す上昇の可能性ありとするが、40ポイントを割り込む場合は下落継続により20ポイント台への低下へ進む可能性も多少残ると思う。

12月27日の売買戦略

12月20日からの上昇一服だが82円台中盤までで確りしているので、現状を押し目形成として高値更新からもう一段高へ進む可能性のあるところとみる。
82.50円から82.20円台にかけては押し目買いされやすい水準とし、12月24日未明高値超えからは83円台中盤(83.30円から83.70円)を目指す上昇を想定する。
株安原油安円高の組み合わせが発生する場合は81円台後半へ調整安の水準が切り下がる可能性もあると注意するが、突っ込んだところは買い拾われやすいとみる。

12月27日の主な予定

  • 休場、NZ、豪、香港、南ア、英国、カナダ
  • 米国
    ー24:00 12月 ダラス連銀製造業活動指数 (11月 11.8)
    ー27:00 財務省2年債入札

今週の主な豪州関連予定

  • 12/28(火)
    ー休場、NZ、豪、英国、カナダ
  • 12/29(水)
    ー特になし
  • 12/30(木)
    ー特になし
  • 12/31(金)
    ー休場、日本、スイス、ドイツ、韓国、台湾、タイ、ロシア、ブラジル、香港
    ー英国(短縮取引)、米国(債券市場は短縮取引)
  • 1/3(月)
    ー休場、日、豪、NZ、中国、タイ、英国、カナダ
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