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こんにちは。YEN蔵です。
今週の為替相場予測です。
目次
今週(7月19日週)の振り返り
ニューヨークダウは先週の34000ドル台後半から19日に一時33000ドル台中盤まで急落しました。ナスダックも14700ポイント台から14200ポイント台に急落したことで世界的に株価が下落。日経平均も28000円を割れて27350円付近まで下落しました。
これを受けてリスク回避のドル高、円高が進みました。ドルの強さを示すドルインデックスは92.30付近から93.20付近に上昇、ユーロドル、豪ドルなどがドルに対して下落するなかで、クロス円で円高が進みドル円も一時109.07まで下落しました。
しかし昨日、米国株は反発し円高の流れはやや修正されました。ダウが500ドル超の上昇で34500ドル台、ナスダックも1.6%の上昇で14500ポイント台に反発し、本日日経平均も一時27850円付近まで上昇しました。
株価の反発を受けてドル円は110円付近まで上昇し、ドル高の流れは続いていますがクロス円も下げ止まっています。
米国金利が急低下する中でドルが上昇する不思議
株価の下落を受けて世界的にドル高、円高が進み、債券が買われて債券利回りが急低下しました。株価が下落することで資金がより変動が穏やかな債券、特に先進国の国債に向かうことはよくあります。これはむしろ株価下落時の教科書通りの動きです。これをリスク回避の動きなどと呼ばれています。(株安、債券利回り低下、円高)
それにしても今回は債券利回りの低下が急ピッチでした。
米10年債利回りは一時1.13%まで低下
19日に米10年債利回りは7月8日の安値1.25%を割って、昨日一時1.13%まで低下しましたが株価の反発を受けて1.23%まで戻しています。
今回は米長期金利が急低下する中でドルが堅調に推移し、少し不思議な動きになりました。
景気の回復で米国のインフレ率が上昇し、FRBが債券買い入れの縮小からいずれ利上げに向かうだろうという思惑で米10年債利回りは4月に1.8%付近まで上昇しました。しかしFRBがハト派的な姿勢を示す中で景気がやや減速するような指標が出て、そのことが金利上昇に歯止めをかけて最近はむしろ金利低下が顕著になっています。これで株価が安定すれば、金利低下の動きが少しは和らいで円高の流れもおさまると思います。
豪ドルが上昇しがちな3つの理由
豪ドルはここのところ下落が顕著です。リスク回避の動きでドル高、円高という理由もあるのですが、その中でも豪ドルの下落は目立っています。豪ドルが下落する理由がいくつかあります。
第1にコロナウイルスの感染拡大が収まらないということです。デルタ株の感染が拡大しビクトリア州は20日にロックダウンを27日まで延長。南オーストラリア州は1週間ロックダウン開始。首都シドニーの位置するニュー・サウス・ウエルズ州は5週間のロックダウンを実施中です。
第2にRBAの金融政策がハト派的であるという理由があります。債券買い入れ縮小が先行するニュージーランドやカナダと比べてRBAはハト派的な姿勢を継続していました。しかしRBAは7月の理事会で経済が想定以上に改善したために債券買い入れを週50億豪ドルから40億豪ドルに9月以降縮小することをようやく決定しました。しかし賃金とインフレの見通しが著しく加速するのは2024年以降になるというのが中心的なシナリオとしています。
第3に資源国である豪州は資源高は豪ドル高、資源安は豪ドル安という影響を受けます。ここのところ上昇していた原油ですが、OPECプラスで原油の減産縮小が決まると原油価格が70ドル台から66ドル付近まで下落したことやゴールドが下落したことも豪ドルを下落させています。
注目通貨は豪ドル
このような材料で豪ドルは下落トレンドが続いています。
豪ドルはサポートされていた0.75付近を下抜けして下落が加速しました。0.75付近には250日移動平均線が位置しており、このレベルを割ったことで豪ドルの下落を決定づけました。中期的には0.7500付近をレジスタンスとして0.7から0.75のレンジにシフトした可能性があります。
ただ株価が反発すればドル高、円高の動きが収まる可能性があり、その時は0.74~0.75付近へ反発する可能性があります。ただ0.75付近は中期的なレジスタンスになり0.72~0.75のレンジ、0.72を下抜けした場合は0.7付近への下落を予想します。
チャートは豪ドルの 日足、25、75,250日移動平均線、RSI、MACD、スローストキャスティックス、DMIです。
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