ポンド円 目先は戻りを試しつつ、中勢は徐々に7月20日安値割れを試す動き

ポンド円

ポンド円の8月20日終値は149.591円、前日比0.081円安と小幅続落した。取引レンジは149.883円から149.182円。
8月10日高値で153.319円を付けて7月29日高値153.434円にあと一歩へ迫ったものの高値更新へ進めず、7月20日安値からの戻りがダブルトップ型となって行き詰まっていたが、ポンドドルが横ばい推移にとどまる中で8月11日夜から16日夜へドル円が下落したためにポンド円は152円割れへ失速、17日からはドル円が下げ渋りの横ばい推移に入ったものの今度はポンドドルが一段安となり、8月19日未明の米FOMC議事録公開からのドル全面高によりポンドドルがさらに一段安となったためにポンド円も20日夕安値で149.182円まで安値を切り下げた。
週末のポジション調整的な動きから下げ渋りに入り、週明けの23日はポンドドルがやや買い戻し優勢となって1.360ドル台中盤へ戻していることでポンド円も150円台回復を伺うところとなっている。

注目材料 7月の英小売は期待外れ

8月20日午後に発表された7月の英国小売売上高は冴えなかった。全体の前月比は2.5%減となり6月の0.2%増(0.5%増から下方修正)から悪化、市場予想の0.4%増を下回った。前年同月比は2.4%増だったが6月の9.2%増(9.7%増から下方修正)から鈍化して市場予想の6.0%増を大幅に下回った。
自動車を除く前月比は2.4%減で6月の0.3%増から悪化、市場予想の0.2%増を下回った。前年同月比も1.8%増となったものの6月の6.8%増(7.4%から下方修正)及び市場予想の5.7%増と比較すると期待外れだった。
ワクチン普及に伴うロックダウン解除から英国経済活動は正常化に入っているものの感染拡大は止まず、従来の感染拡大期と比較すれば死者は減っているもののブレイクスルー感染もあり勢いを取り戻したという状況には至っていないことが示された印象だ。

8月18日に発表された7月の英国消費者物価指数の前年比は2.0%で6月の2.5%から鈍化、コア指数では1.8%で6月の2.3%から鈍化している。米国の景気回復を反映した物価上昇の上ブレが米連銀の量的金融緩和縮小開始を急がせる動きを招いていることと比較すれば、英国の景気回復と物価上昇は鈍く、英中銀も量的緩和縮小を急ぐ気配を見せていないが、両中銀のスタンスの差、両国の景気回復及びインフレ動向の差がポンド安ドル高を招いている印象だ。
今週は8月27日夜にジャクソンホール・シンポジウムでのパウエル米連銀議長講演が注目されているが、そこで量的緩和縮小開始姿勢が改めて認識されればドル全面高によるポンド安を招くトリガーとなりかねないと注意したい。

中勢テクニカルポイント 週足チャートは156円台の壁に到達して下落

英国の国民投票によるブレクジット賛成派の勝利をきっかけとしてポンド円は2015年6月24日天井195.86円から2016年6月24日の国民投票ショック安となり、さらに同年10月7日安値124.12円まで暴落的に下げた。2018年2月2日高値156.61円まで戻してからの下落では2019年8月12日安値126.49円、2020年3月18日の124.10円と124円台までで底固さを見せて2021年5月高値まで上昇してきた。
5月27日高値156.061円は2018年2月天井に対してほぼ「往って来い」を実現した水準であり、2016年のブレクジットショック以降を124円台から156円台までの長期的なボックス型持ち合い相場とすればその上限に達したところから下落し始めた状況にある。
果たしてこの長期的なボックス型持ち合いを上放れして水準を一段と切り上げてゆくだけの力があるのかどうかが問われたところで米連銀による量的緩和縮小開始時期の接近を踏まえたドル全面高の様相から下げ足も早まり7月20日安値に迫ってきている。
昨年3月底からの上昇は今年5月27日高値まで63週を要したが、2018年2月2日天井は2016年10月底から70週の上昇でピークに達している。上昇角度、上昇期共に2018年2月天井に到達したところに近い印象だ。

週足チャートの一目均衡表では26週基準線を割り込んでいる。7月20日への下落時には同線が下値支持線として機能したが割り込んだことにより中勢レベルでの基調転換が疑われるが、遅行スパンも実線を割り込みつつある。14週相対力指数も4月から5月への一段高に際して指数のピークが切り下がる弱気逆行を見せて50ポイント割れへ急落しているが、その他主要なテクニカルも週足レベルでの悪化が堅調になって来ている。
7月20日安値を割り込む場合、5月27日高値を頭、4月6日高値を左肩、7月29日高値を右肩として日足レベルでの三尊天井感性となるが、週足チャートの悪化も踏まえれば三尊完成からは先安感も大きくなりかねないところと注意したい。

短期テクニカル分析

ポンド円は8月19日未明の米FOMC議事録公開から下落に転じて8月18日朝安値を割り込む一段安となったが、20日夕安値以降は下げ渋りからやや持ち直しの動きに張っている。前週を下落で終了すると週明けからは市場心理も落ち着いていったん買い戻しへ進みやすいものだが、目先は下げ一服で戻り高値を試す流れと思われる。概ね3日から5日周期での短期的なリズムで見れば、高値形成期は現状から25日未明にかけての間までと想定されるのでまだ戻りを試してよい時間帯と思われるが、149.50円割れからは下げ再開注意とし、20日夕安値を割り込む場合は25日朝から27日朝にかけての間へ安値試しを続けやすい展開へ進むと思われる。

60分足の一目均衡表では8月23日午前の上昇で遅行スパンが実線を超える好転に入っているので先行スパン突破を試す流れとみる。先行スパン突破からは上昇に勢いがつく可能性もあるが、先行スパンへ潜り込んでもその上限近辺で行き詰まる場合は上値の重さが再認識され、その後に遅行スパンが悪化するところからは下げ再開に入るのではないかと思われる。

8月23日の売買戦略

目先は150円台回復を試す動きとみるが、150.00円から150.50円にかけてのゾーンは戻り売りにつかまりやすいとみる。149.50円割れからは20日夕安値149.182円試しとし、底割れからは148円台前半試しとみるがその際は先行きで148円割れへ向かう流れと考える。

8月23日の注目経済指標

  • ドイツ
  • 16:30 8月 製造業PMI速報値 (7月 65.9、予想 65.0)
  • 16:30 8月 サービス業PMI速報値 (7月 61.8、予想 61.0)
  • ユーロ圏
  • 17:00 8月 製造業PMI速報値 (7月 62.8、予想 62.0)
  • 17:00 8月 サービス業PMI速報値 (7月 59.8、予想 59.5)
  • 23:00 8月 消費者信頼感速報値 (7月 -4.4、予想 -5.0)
  • 英国
  • 17:30 8月 製造業PMI速報値 (7月 60.4、予想 59.5)
  • 17:30 8月 サービス業PMI速報値 (7月 59.6、予想 59.1)
  • 米国
  • 22:45 8月 製造業PMI速報値 (7月 63.4、予想 62.8)
  • 22:45 8月 サービス業PMI速報値 (7月 59.9、予想 59.3)
  • 23:00 7月 中古住宅販売件数・年率換算件数 (6月 586万件、予想 583万件)
  • 23:00 7月 中古住宅販売件数 前月比 (6月 1.4%、予想 -0.5%)