豪ドル円 日足は3日連続陽線=赤三兵でV字反騰継続

豪ドル円 日足は3日連続陽線=赤三兵でV字反騰継続

おはようございます。大塚亮です。

2021年8月26日の相場分析です。

豪ドルの8月25日終値は80.022円、前日比0.415円高と続伸した。取引レンジは80.096円から79.396円。

8月6日の米7月雇用統計をきっかけに8月19日未明のFOMC議事録公開を挟んでドル高基調が続いてきたが、20日夜からドル高一服に入り、今週は23日からドル全面安へと風向きが変わった。このため豪ドル円は8月20日夕安値からの豪ドル米ドルの上昇を背景に上昇に転じ、23日夜に79円台を回復、24日深夜に79.742円まで高値を切り上げてから上昇一服でやや横ばいの推移に入ったものの25日夕刻には高値切り上げへ進んで26日未明には80円台に到達した。

注目ポイント 米長期債利回り上昇と共に豪10年債利回りの反騰で豪ドル高

豪ドル米ドルは8月20日夕安値0.71066ドルを底として反騰に転じており、日足は3日連続陽線で26日未明には0.72ドル台後半へ上昇して8月19日未明の米FOMC議事録公開後の下落を解消してさらに戻り高値を切り上げてきている。

8月25日は米10年債利回りが前日比0.05%上昇の1.35%となり8月18日の1.21%以降の高値を更新し、米2年債及び30年債利回りも上昇して米長期債利回り上昇感が強まった。通常は米長期債利回り上昇ならドル高材料となるところだが、25日は独、英の10年債利回りも大幅に上昇したことでユーロドル、ポンドドルが先週末からの上昇を継続して高値を切り上げた。

豪10年債利回りは8月23日に1.05%まで低下して今年2月に付けたピークの1.97%以降の最低水準としていたところからV字反騰に入り、8月25日まで3連騰で1.20%まで急上昇している。株高による債券売りの流れで豪10年債利回りも上昇、米連銀のテーパリング開始を意識しての米長期債利回り上昇との同調もあり先週の下落分を解消する反騰ぶりとなっているために米長期債利回り上昇にもかかわらず豪ドル米ドルでも豪ドル高米ドル安の反応を継続しているという印象だ。

注目材料 豪経済指標は冴えない展開続く

8月26日午前に発表された4-6月期の豪四半期民間設備投資は前期比4.4%増となり1-3月期の6.0%(速報の6.3%から下方修正)を下回った。市場予想の2.5%への低下程ではなかったが感染再拡大の影響と景気回復一服感でやや鈍化した印象だ。

8月25日に発表された4-6月期の建設受注も前期比0.8%増となり1-3月期の2.4%から鈍化して市場予想の2.5%増への期待を裏切った。

今週は8月23日のマークイットによる8月サービス業PMIが7月の44.2から43.3へ低下、製造業PMいも7月の56.9から51.7へ低下するなど低調さが目立っている。ロックダウンの長期化の影響がみられるところであり、豪中銀が9月から開始するとしてきた量的金融緩和による債券購入規模の縮小についても先送りされる公算が高まっている。これらの豪景気回復鈍化傾向については先行きの豪ドル安要因となりかねないところだが、目先は大幅下落後の揺れ返し上昇で戻りを試しているというところだ。

短期テクニカル分析

60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられるが、豪ドル円は8月20日夕安値で目先の底を付けて戻しに入ってきた。26日未明へ高値を切り上げているので上昇基調の継続となっている。25日夕刻へ上げ渋りでやや下げたところから一段高しているので25日夕安値を割り込まないうちは26日夜、27日への上昇余地ありとするが、25日夕安値を割り込む場合はいったん下げに入るとみて26日夕から27日夜にかけての間への安値試しへ向かうとみる。

60分足の一目均衡表では8月23日夜の上昇で遅行スパンが好転して先行スパンからも上抜けたが、その後も両スパン揃っての好転を維持している。このため遅行スパン好転中は押し目買い有利の展開とみるが、相場の高値更新が続かないと遅行スパンは悪化しやすい位置にあると注意し、遅行スパン悪化からはいったん下げに入るとみて戻り売り有利の展開に入ると考える。その際は先行スパンの下限が下値支持帯になりやすいとみるが、先行スパン転落からは下げ足も早まりかねないと注意する。

8月26日の売買戦略

8月25日夕安値79.396円を強弱分岐点とし、25日夕安値を割り込まない範囲は押し目買い有利の水準とし、高値切り上げからは80.30円、80.50円を順次試す流れとみる。80.50円以上は反落注意で利食い売り優先とみる。

8月25日夕安値割れからはいったん下げに入るとみて79円前後試しを想定するが、79円以下は反騰狙いで突っ込み買いされやすい水準と考える。

8月26日の注目経済指標

  • ドイツ
  • 15:00 9月 GFK消費者信頼感 (8月 -0.3、予想 -0.7)
  • ユーロ圏
  • 17:00 7月 マネーサプライM3 前年同月比 (6月 8.3%、予想 7.7%)
  • 20:30 欧州中銀(ECB)理事会議事要旨
  • 米国
  • 21:30 4-6月期 GDP改定値 前期比年率 (速報 6.5%、予想 6.7%)
  • 21:30 4-6月期 GDP個人消費改定値 前期比年率 (速報 12.2%)
  • 21:30 4-6月期 コアPCE改定値 前期比年率 (速報 6.1%、予想 6.1%)
  • 21:30 新規失業保険申請件数 (前週 34.8万件、予想 35.0万件)
  • 21:30 失業保険継続受給者数 (前週 282.0万人、予想 279.0万人)
  • 26:00 財務省7年債入札
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