豪ドル円 FOMC通過後の円安で反騰続くが豪ドルの上昇は鈍い

2021年10月25日 豪ドル円 為替相場予想

おはようございます。大塚亮です。

2021年9月27日の相場分析です。

概況

豪ドル円の9月24日終値は80.401円、前日比0.100円高と小幅下落した。取引レンジは80.762円から79.997円。

9月23日未明の米FOMCに対する市場反応はまだ定まらず、発表後にいったんドル高へ振れたものの23日夜にかけてはドル安のぶり返し、24日はドル高再燃の動きがみられている。

豪ドル米ドルはFOMC後にいったん0.72960ドルへ上昇後に23日昼に0.72223ドルへ下落して20日夜安値0.72197ドルに迫ったものの底割れを回避して24日午前に0.73160ドルまで高値を切り上げる反騰となったが、24日深夜には0.72356ドルまで再び失速している。下値支持線は20日夜安値を基準にほぼフラットで戻り高値を切り上げて入るがややレンジ拡張型の逆三角持ち合いの様相で9月3日高値以降の下落基調から抜け出して本格反騰入りする勢いには欠ける。

一方でドル円は米長期債利回りが24日にかけて大幅上昇したことによる日米金利差から買われて25日未明には110.79円まで続伸して8月11日高値に並んだ。このため豪ドル円はFOMC直後はやや豪ドル安に圧されたものの23日夜にかけては豪ドル高と円安が重なって大幅上昇、24日は円安に支えられつつも豪ドルの反落に圧されたが、80円をわずかに割り込んだところは買い戻されている。

FOMC後は米豪長期債利回り上昇

米連銀のFOMC(連邦公開市場委員会=金融政策決定会合)ではテーパリング(量的金融緩和の資産購入規模縮小開始)は予想通り見送られたが11月会合での決定着手の可能性が示唆され、FOMCメンバーによる金利見通しでは6月時点の2023年からの利上げ予想から2022年内の利上げ、2023年の3回の利上げ等が示されて利上げ想定時期が前倒しとなった。このため米長期債利回りは上昇しており、米10年債利回りは23日未明に1.29%までいったん低下したところから1.43%へ急伸して8月4日以降の高値を更新、24日も1.46%まで続伸している。

一方で豪10年債利回りも23日はいったん1.23%まで下げたところから1.36%へ上昇、24日も1.41%台へ続伸して7月6日以来の高値水準に到達している。

米長期債利回り上昇に触発されて独英等の主要国の長期債利回りも上昇しているため、米長期債利回り上昇=ドル高とはならずにユーロ、ポンド、豪ドル等が上昇している。一方で日本の長期債利回りの動きは限定的なために米長期債利回りは日米金利差を意識させてドル円を押し上げる推進力となっている。米10年債の他、利上げ時期に敏感な米2年債利回りも大きく上昇していることも寄与している。

注目材料 豪中銀の理事会議事録

豪中銀は9月21日に9月理事会の議事録を公開した。

議事録では新型コロナウイルスのデルタ株流行によるロックダウンの影響で、ロックダウン解除後の景気回復が遅れる可能性が懸念されるとしたが、2022年には豪経済が再び力強く成長すると予想した。また既に決定されていた量的緩和による債券買い入れ規模縮小についての延期を検討したものの、予定通り縮小に踏み切るとし、その代わりに少なくとも来年2月まで期間を延長するとした。

豪中銀としては7-9月期のマイナス成長の可能性を懸念しつつもワクチン接種率が上昇すれば制限が緩和されて経済は回復すると見込まれるとして資産購入規模の縮小は当初方針通りとすることに固執した印象だ。期待通りに感染拡大がピークアウトして10-12月期の景気回復期待が強まればよいが、感染拡大の影響が長引くようだと量的緩和政策の再延長の可能性も出てくるかもしれない。

豪中銀のロウ総裁は2024年までは利上げしない姿勢を繰り返し強調しているが、米連銀が2022年に利上げに踏み切り2023年には三回の利上げを想定しているとのメンバー予想を示したことで、中銀のスタンスの差としては豪ドルにとっては全般的なドル安の際には上昇しても力強く上昇してゆくには腰が引ける状況だ。

注目材料 中国恒大のデフォルトリスク

中国不動産デベロッパー大手の中国恒大集団の経営危機が先々週末に報じられてから市場全般もこの問題をかなり意識している。当初はNYダウが一時970ドル安まで急落するような株安連鎖の反応も見られたが、中国当局の介入により世界市場への負の連鎖は回避されるのではないかとの楽観からNYダウが連騰で切り返す等、やや楽観が優勢で先週を終えている。

しかし、恒大集団は9月23日の海外投資家への利払いができずに30日を期限とするデフォルト認定へのカウントダウンに入り、29日以降も相次いで外債利払い期日が迫る厳しい状況にあり、中国当局が救済するのか、市場への影響を考慮した静かな破綻にとどめるのか、あるいは中国企業の連鎖倒産やデフォルトによる海外金融機関や機関投資家への財務悪化や経営危機へと伝搬して中国版リーマンショック懸念へ向かうのか定かではない。
豪経済にとっては中国は外交的な軋轢があるものの最大の輸出先であり、中国市場の動向が資源通貨全般及び豪ドルに悪影響を及ぼす可能性もあるところと注意したい。各種メディア報道では恒大の社債残高は約266億ドル、そのうち約196億ドルが海外投資家向けのドル建てとされ、米資産運用最大手ブラックロック、欧州金融大手UBSやHSBCホールディングスの保有が多いとされる。

テクニカルポイント 8月20日安値割れ回避で反騰開始

豪ドル円は8月20日安値77.896円から9月3日高値82.023円までV字反騰してきたが、9月3日の米雇用統計及び9月7日の豪中銀理事会を通過する中で毛抜き天井型を形成して下落に転じ、9月6日から10日まで5日連続の日足陰線で下落、1日置いて9月14日から21日まで再び5日連続の陰線となり、V字反騰に対する半値押しライン、3分の2押しラインを次々に割り込んで8月20日安値試し、あるいは底割れへ向かう懸念も浮上していた。
しかし9月22日安値で下げ止まって22日、23日と日足は連続陽線で切り返したことでやや深い押し目形成から出直りに入り、上昇再開へと向かう可能性も出てきているところだが、今後の米豪の中銀スタンス、中国恒大問題、豪州の感染拡大状況等を踏まえると、まだ9月3日と7日の両高値による毛抜き天井を超えてゆくところまで楽観するのは時期尚早な印象だ。

短期テクニカル分析

60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。
豪ドル円は9月22日午前安値で目先の底を付けて反騰入りしてきたが、24日ご前高値でいったんピークを付けて24日夜へ反落したものの80円をわずかに割り込んでから戻している状況にある。24日夜安値割れを回避して24日ご前高値を超えれば27日午後から28日にかけての間への上昇余地も出てくると思われる。また24日夜安値を起点として新たな上昇期入りとなり高値形成期を伸ばしてゆく可能性もあると思われる。ただし24日夜安値を割り込む場合はいったん修正的な下落に入るとみて27日の日中から29日午前にかけての間への下落が想定される。

60分足の一目均衡表では9月24日夜の反落で遅行スパンがいったん悪化したがその後の切り返しで好転しつつある。また先行スパンの上限が下値支持線として機能している。このため先行スパンを上回るうちは上昇余地ありとして遅行スパン好転から高値試し優先とするが、先行スパンへ潜り込むところを弱気転換注意とし、先行スパン転落からはいったん下げに入るとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は24日夜に40ポイントまで下げてから50ポイント台回復へ戻している。24日午前高値形成時に指数のピークが切り下がる弱気逆行も見られた後のため、60ポイント超えからは70ポイント超えを目指す上昇を想定するが、50ポイント割れを弱気転換注意、40ポイント割れからは下げに入るとみて30ポイント割れを目指すとみる。

9月27日の売買戦略

中勢は9月22日午前安値からの反騰基調継続の可能性ありとみるが、24日午前高値から調整安に入る可能性もあるところと注意し、24日夜安値割れから下げる場合は79.50円から79円にかけてのゾーンを試す流れと考える。24日午前高値超えからは81円台前半を目指す上昇期入りとして押し目買い有利の状況で進むのではないかと考える。

今週の豪米関連注目指標

  • 9/27(月)
  • 米国
  • 21:3 08月 耐久財受注 前月比 (7月 -0.1%、予想 0.6%)
  • 21:30 8月 耐久財受注・輸送用機器除く 前月比 (7月 0.7%、予想 0.5%)
  • 9/28(火)
  • オーストラリア
  • 10:30 8月 小売売上高 前月比 (7月 -2.7%、予想 -2.5%)
  • 米国
  • 22:00 7月 米連邦住宅金融局住宅価格指数 前月比 (6月 1.6%、予想 1.5%)
  • 22:00 7月 ケース・シラー米住宅価格指数 前年同月比 (6月 19.1%、予想 20.0%)
  • 23:00 9月 コンファレンス・ボード消費者信頼感指数 (8月 113.8、予想 115.0)
  • 23:00 パウエルFRB議長、イエレン財務長官、上院銀行委員会出席
  • 9/29(水)
  • 米国
  • 23:00 8月 住宅販売保留指数 前月比 (7月 -1.8%)
  • 23:00 8月 住宅販売保留指数 前年同月比 (7月 -9.5%)
  • 23:30 EIA週間石油在庫統計
  • 9/30(木)
  • 中国
  • 10:00 9月 国家統計局製造業PMI (8月 50.1、予想 50.2)
  • 10:00 9月 国家統計局サービス業PMI (8月 47.5)
  • 10:45 9月 財新製造業PMI (8月 49.2、予想 49.5)
  • オーストラリア
  • 10:30 8月 住宅建設許可件数 前月比 (7月 -8.6%、予想 -4.0%)
  • 米国
  • 21:30 新規失業保険申請件数 (前週 35.1万件、予想 32.5万件)
  • 21:30 失業保険継続受給者数 (前週 284.5万人、予想 281.5万人)
  • 21:30 4-6月期 GDP確定値 前期比年率 (改定値 6.6%、予想 6.7%)
  • 21:30 4-6月期 GDP個人消費確定値 前期比年率 (改定値 11.9%、予想 11.9%)
  • 21:30 4-6月期 コアPCE確定値 前期比年率 (改定値 6.1%、予想 6.1%)
  • 22:45 9月 シカゴ購買部協会景況指数 (8月 66.8、予想 65.0)
  • 23:00 米下院、FRBと財務省の新型コロナに関する公聴会
  • 10/1(金)
  • 休場 香港(国慶節) 中国(国慶節 10/7まで)
  • オーストラリア
  • 07:30 9月 AiG製造業PMI (8月 51.6)
  • 08:00 9月 マークイット製造業PMI確報値 (速報 52.0)
  • 10:30 8月 持家住宅ローン件数 前月比 (8月 -0.4%)
  • 中国
  • 10:45 9月 財新製造業PMI (8月 49.2、予想 49.5)
  • 米国
  • 21:30 8月 個人消費支出(PCE) 前月比 (7月 0.3%、予想 0.6%)
  • 21:30 8月 PCEデフレーター 前年同月比 (7月 4.2%)
  • 21:30 8月 PCEコア・デフレーター 前月比 (7月 0.3%、予想 0.2%)
  • 21:30 8月 PCEコア・デフレーター 前年同月比 (7月 3.6%、予想 3.6%)
  • 21:30 8月 個人所得 前月比 (7月 1.1%、予想 0.2%)
  • 23:00 9月 ミシガン大学消費者信頼感指数確報値 (速報 71.0、予想 71.0)
  • 23:00 9月 ISM製造業景況指数 (8月 59.9、予想 59.5)
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