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おはようございます。大塚亮です。
2021年9月29日の相場分析です。
目次
概況
豪ドル円の9月28日終値は80.750円、前日比0.140円安と下落した。取引レンジは81.307円から80.487円。
9月23日未明の米FOMCによる利上げ想定時期の前倒しを受けて米長期債利回りが連騰に入ったためにドル円も日米長期金利差を反映して連騰に入る一方、豪ドル米ドルも豪長期債利回り上昇によりドル高圧力が緩和されて持ち合いにとどまって確りしたため、豪ドル円はドル円の上昇を反映して9月28日午後には81.307円を付けて9月22日午前安値78.837円以降の高値を更新した。
しかし28日午後からはダウ先物の反落と米長期債利回りの大幅続伸によりドル高圧力が高まって豪ドル米ドルが失速、ドル円の上昇は継続したものの円安では支えきれずに豪ドル円は深夜安値で80.487円まで急落した。80.50円割れは買い戻されてその後はやや戻しているものの81円台回復には至らずにいる。
テクニカルポイント 豪ドル米ドルの下げ渋り持ち合いからの下放れ警戒
豪ドル米ドルは9月3日と9月7日の両高値を日足レベルの毛抜き天井、60分足レベルのダブルトップとして下落してきたが、9月20日安値で0.72197ドルを付けた後は21日深夜、23日昼、24日夜と安値を試してきたものの新たな底割れを回避、一方で9月24日午前高値で0.73160ドル、28日午後高値で0.73111ドルを付けたものの0.730ドル台序盤では戻り売りにつかまっており、0.720ドル台序盤から0.730ドル台序盤までの狭いレンジでのボックス型持ち合いを形成してきた。日足ではほぼ横ばい型の持ち合いの様相となってきた。
9月29日早朝安値も0.72248ドルにとどまってまだ安値更新は回避しているが、29日午前も安値を試しており、底割れに余裕が乏しい。すでにポンドドルやユーロドル等が9月3日以降の安値を更新して一段安入りしているが、豪ドル米ドルが9月20日夜安値を割り込んで一段安に入る場合は豪ドル円への売り圧力もかなり大きくなると注意したい。
注目材料 8月の豪小売売上高は3か月連続の減少
オーストラリア統計局が9月28日に発表した8月の小売売上高は293億豪ドルで前月比は1.7%減となった。市場予想の2.5%減は上回ったものの6月から3か月連続のマイナスとなった。デルタ株感染急増による大規模なロックダウンによる経済活動の萎縮が背景であり、まだロックダウンが継続しているために9月の小売売上高も低調な数字となることが予想される。
豪経済は4-6月期に回復基調を見せたものの感染急増により7-9月期はマイナス成長に陥る勢いで悪化した。ワクチン普及が進んだ段階でロックダウンの解除に向かい、年後半は景気回復も見込まれるところだが、まだ先行き不透明感が残る。
短期テクニカル分析
60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。
豪ドル円は9月22日午前安値を起点として上昇期に入り、24日午前高値でいったんピークを付けて24日夜まで下げたところから一段高に入った。しかし28日午後高値から急落しているため、28日午前高値をピークとして下落に転じている印象だ。24日夜安値を基準とすれば安値形成期は29日夜から10月1日夜にかけての間と想定されるので81円を下回るか一時的に超えても28日高値を上抜けないうちは29日夜から30日にかけての一段安余地ありとみる。ただし、22日午前安値から4日半となる28日夜安値を起点として切り返す可能性もあるとみて、81円超えから28日午後高値に迫る場合は強気転換注意とし、28日午後高値超えからは新たな上昇期入りとして10月1日から5日午後にかけての間への上昇を想定する。
60分足の一目均衡表では9月28日夜の下落で遅行スパンが悪化したが先行スパンからの転落は回避している。先行スパンからの転落回避を続けて遅行スパンが好転する場合は上昇再開の可能性を優先するが、先行スパン転落からは下げ足が速まるとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は28日夜の下落で40ポイントまで下げてからは50ポイントを挟んだ揉み合いで推移している。60ポイント超えからは上昇再開とみるが、40ポイント割れからは下落継続として30ポイント割れを目指す流れと考える。
9月29日の売買戦略
当面は9月28日午後高値でピークを付けて22日午前安値からの上昇一巡でいったん下げに入っている可能性があるところとみて戻り売り有利の状況と考える。28日夜安値割れからは80.20円、80.00円、79.75円を順次試す流れとみる。81円手前は戻り売りにつかまりやすいとみるが、81円超えから続伸の場合は上昇再開の可能性ありとみて28日午後高値81.307円試しとする。81.30円前後はダブルトップ形成にとどまる可能性もあると注意する。
9月29日の注目指標
・ドイツ
・15:00 8月 輸入物価指数 前月比 (7月 2.2%、予想 1.2%)
・15:00 8月 輸入物価指数 前年同月比 (7月 15.0%、予想 16.1%)
・英国
・17:30 8月 消費者信用残高 (7月 -0.4億ポンド、予想 3億ポンド)
・17:30 8月 マネーサプライM4 前年同月比 (7月 6.0%)
・欧州
・18:00 9月 消費者信頼感確定値 (速報 -4.0、予想 -4.0)
・18:00 9月 経済信頼感 (8月 117.5、予想 116.9)
・23:30 レーンECB理事、ECBフォーラム発言
・24:45 ベイリー英中銀総裁、黒田日銀総裁、ラガルドECB総裁、、パウエルFRB議長、パネル討論会
・米国
・23:00 8月 住宅販売保留指数 前月比 (7月 -1.8%、予想 1.4%)
・23:00 8月 住宅販売保留指数 前年同月比 (7月 -9.5%)
・23:30 EIA週間石油在庫統計
・27:00 ボスティック・アトランタ連銀総裁、講演