ポンド円 8月20日からの上昇一服感、ドル安継続かドル高再燃か、今週は見定め

ポンド円 8月20日からの上昇一服感、ドル安継続かドル高再燃か、今週は見定め

おはようございます。大塚亮です。

2021年9月7日の相場分析です。

概況

ポンド円の9月6日終値は151.946円、前日比0.131円安と小幅続落した。取引レンジは152.255円から151.797円。

ポンド円は8月20日安値149.182円を起点として全般的なドル安基調の中でのポンドドルの上昇に後押しされて8月26日に151円台を開封、9月2日深夜には152円台に到達、9月3日夜の米雇用統計後のポンドドルの上昇から4日未明には152.293円まで高値を切り上げてきた。しかしその後は米雇用統計通過により当面の材料消化としてポンドドルが失速したことでポンド円も上昇一服に入っている。

9月6日はポンドドルが下落する一方でドル円が買い戻されて110円に迫ったことでポンド円は下支えも効いて152円を挟んだ揉み合いの範囲にとどまっている。
9月7日午前序盤はポンドドルがやや反発気配、ドル円が反落気配となり強弱相殺だが、ややポンドドルの反発感が勝っており、6日深夜安値151.979円からの続落を回避してややジリ高の推移となっている。

テクニカルポイント 8月20日以降の底上げパターンを維持できるか

ポンド円は8月20日安値149.182円を起点として上昇基調を維持してきた。この間は8月24日夜安値150.056円、8月27に氏夜安値150.465円、8月31日夜安値151.063円、9月2日午前安値151.350円、9月2日夜安値151.758円と安値を切り上げてきた。またこの安値ラインはほぼ1直線で上昇トレンドの下値支持線を形成してきた。しかし9月6日深夜安値151.979円では9月2日夜安値割れには至らなかったものの、この上昇トレンドの下値支持線を割り込んでいる。

底上げ基調を維持して152円を挟んだ高値圏持ち合いに踏みとどまれば、下値支持線を上抜き返すことにより新たな上昇期に入る可能性もあるが、9月2日安値を割り込むようだと底上げパターンも崩れて8月20日からの上昇もいったん仕切り直しを強いられる可能性が高まるところだ。

8月20日からは全般的なドル安基調に乗ったポンドドルの上昇が背景であり、その間のドル円が持ち合い型の推移で極端な影響を与えなかったことも幸いしてきたのだが、米雇用統計を通過したことでさらにドル安基調を維持してゆくだけの推進力を得ることができるかどうか、今週は試されることになる。高値更新に成功すれば上値目途は5月27日高値156.061円をもう一度試すところへ切り上がる可能性も出てくるが、いったん仕切り直しに入ると8月20日以降の上昇幅に対する半値押し150.73円、さらに150円台を維持できるかどうかを試す流れへ進みかねない。

注目ポイント 豪中銀、カナダ中銀、ECBの金融政策

米連銀のFOMCは9月21-22日だが、今週は9月7日午後に豪中銀、8日夜にカナダ中銀、9日夜にはECB理事会と主要国の金融政策決定会合が続く。

米連銀は先週末の米8月雇用統計での就業者増加数が冴えなかったことでテーパリング(量的金融緩和による債券購入の縮小開始)決定が後ずれするだろうとみられているが、世界的なデルタ株の感染拡大問題とインフレ度合いの差もあり、主要国中銀の金融政策スタンスの差がで始めやすい状況にある。

豪中銀は感染急増によるロックダウンの長期化により9月から開始するとしていたテーパリングを延期する可能性がある。ECBとしてはパンデミック対策による大規模な資産購入政策の継続か縮小か、スタンスの強弱を見定める必要がある。カナダ中銀はすでにテーパリングに入っているが、その速度を緩めるのか従来通りで進めてゆくのか注目される。

英中銀の金融政策決定会合はまだ先だが、為替市場全般としてのドル安基調の継続かドル高への反転か、これら中銀の金融政策も影響してくると思われる。

短期テクニカル分析

ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちとピークアウトを繰り返すリズムがある。
8月20日安値を起点とした上昇基調を継続してきたが、8月27日午前安値から4日目となる9月2日午前安値で目先の底を付けて一段高に入ったものの9月4日未明高値の後は上げ渋りからややジリ安の推移となり6日夜には2日夜安値に迫った。
4日未明高値を目先のピークとして下落期に入っているところと思われるが、152円を挟んだ持ち合いのまま下落期を通過して一段高へ向かうか、9月2日夜安値を割り込んで7日夜から9日夜にかけての間へ安値試しを続けるのか微妙なところにある。このため9月4日未明高値を超えないうちは一段安余地ありとし、9月4日未明高値超えからは新たな上昇期入りとみて8日夜から13日朝にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では9月6日夜の下落時に遅行スパンが悪化したが先行スパンからの転落は回避している。遅行スパン好転からは上昇再開と仮定して高値試し優先とするが、先行スパン転落からはいったん下げに入るとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は9月6日夜の下落時に40ポイントまで下げてから持ち直しているので50ポイント以上での推移中は上向きとするが、45ポイント割れからは下げ再開とみて30ポイント割れを目指す流れと考える。

9月7日の売買戦略

152円を挟んだ持ち合いの範囲にあり、持ち合い放れからは流れに追従というスタンスで構えたいところ。短期的には4日未明高値152.293円手前で戻り売り、152.293円超えからは上放れに入るとみて152円台後半(152.50円から153.00円)を目指す上昇として押し目買い有利と考える。9月2日夜安値151.758円割れを回避する範囲は短期的な押し目買い水準とみるが、2日夜安値割れからは持ち合い下放れ入りとして151.50円、151.25円、151.00円を順次試す流れとみて戻り売り有利の展開と考える。

9月7日の注目経済指標

  • ドイツ
  • 15:00 7月 鉱工業生産 前月比 (6月 -1.3%、予想 0.8%)
  • 15:00 7月 鉱工業生産 前年同月比 (6月 5.1%、予想 5.1%)
  • 18:00 9月 ZEW景況感 (8月 40.4、予想 30.0)
  • ユーロ圏
  • 18:00 9月 ZEW景況感 (8月 42.7)
  • 18:00 4-6月期 GDP確定値 前期比 (速報 2.0%、予想 2.0%)
  • 18:00 4-6月期 GDP確定値 前年同期比 (速報 13.6%、予想 13.6%)
  • 米国
  • 26:00 (米) 財務省3年債入札