ポンド円 米雇用統計後のドル高継続でポンドドルが一段安、ポンド円も圧される

ポンド円 為替相場予測

おはようございます。大塚亮です。

2021年9月9日の相場分析です。

概況

ポンド円の9月8日終値は151.882円、前日比0.147円高と小幅下落した。取引レンジは152.091円から151.464円。

9月3日夜の米雇用統計を通過してからそれまでのドル全面安の流れが一巡、週明けの9月6日からはドル全面高へ風向きが変わったが、9月8日もその傾向は変わらず、ドル円が午後高値で110.44円へ上昇して9月1日夕高値110.41円を上抜く一方、ポンドドルは深夜安値で1.37266ドルまで一段安となり、ポンド円はドル円の上昇に下支えられつつもポンドドルの下落に圧迫されて夕刻安値で151.464円を付けて7日夜安値151.495円を割り込み、深夜にかけていったん戻したものの152円には届かずに再び失速している。

テクニカルポイント ポンド円は徐々に右肩下がりに

ポンド円は9月4日未明高値で152.293円を付けて8月20日安値149.182円以降の高値を更新したが、米雇用統計直後の上昇一巡から下落に転じている。

9月7日夜安値151.495円から8日夕安値151.464円へと安値を切り下げて、151.50円割れを二度三度と買い戻されているものの、戻り高値は7日夕高値152.218円から8日午前高値152.091円、8日深夜高値151.969円と徐々に切り下がっており右肩下がりの展開に入りつつある。151.50円割れを買い戻されるうちは151.50円弱を下値支持線とした高値圏持ち合いの範囲ともいえるが、9月7日へ下落した時点で8月20日安値と8月27日午前安値、8月31日夜安値、9月2日午前安値がほぼ1直線で下値支持線を形成してきたところから転落し、その後も支持線割れの状況を解消できずにいることを踏まえれば、151.50円割れでの買い戻しが効かなくなるところから持ち合い下放れに入り下げ足が速まる可能性が懸念される。

ドル全面高続く

9月8日はユーロや豪ドル等が9月3日の米雇用統計直後に高値を付けたところからの下落を継続、この間の安値を更新した。

米雇用統計発表直後は非農業部門就業者数が予想を大幅に下回ったことで米連銀のテーパリング開始が9月21-22日のFOMCでは決まらないだろうと市場は受け止めていったんドル安反応を見せた。しかし失業率や平均時給の改善を踏まえれば年末までにはテーパリング開始となる流れは変わらないとしてドル高へと流れが変わった。

9月8日に米労働省が発表した7月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数は前月比で74万900件増の1093万40000件となり2000年12月の統計開始以降で最高となった。求人と就業のギャップが解消されていないことで8月雇用統計での就業者増が延びなかったものの実体は強いということが再認識された。

NY連銀のウィリアムズ総裁は8日の講演において「量的緩和については今年中に縮小を始めるのが適切」と述べ、ダラス連銀のカプラン総裁は9日早朝に「9月のFOMCで量的緩和縮小を決定して10月に着手すべき」との従来の姿勢を改めて表明している。今後の物価上昇等を踏まえて9月21-22日のFOMCでのテーパリング開始決定の可能性もあると思われるが、その印象が強まればドル高感も継続しやすくなる。

注目材料 英中銀も利上げへの準備検討に入る?

英中銀のベイリー総裁は9日に英下院財務委員会で証言に立ち、前回8月の金融政策委員会(MPC)では利上げ検討に向けて最低条件が整ったと考えるメンバーと回復の力強さが十分ではないと考えるメンバーとで半々に分かれたと述べた。ベイリー総裁自身は回復の力強さはまだ十分でないとの見方だが、景気回復と物価上昇が進む中で従来よりも量的緩和縮小から利上げへの正常化プロセスを検討すべき段階には近づいている印象を与えた。英中銀は前回のMPCで政策金利を過去最低の0.1%に据え置くことを全会一致で決定し、資産買い入れについても総額8950億ポンドで据え置いている。

ラムスデン英中銀副総裁は「デフレシナリオよりもインフレシナリオに重きを置いているとして物価上昇による悪影響を重視していることを表明したが利上げ検討派という印象を与えた。

9月8日にはカナダ中銀が政策金利の現状維持を決定したが、すでに昨年末から量的緩和規模を段階的に縮小開始している。豪中銀も量的緩和縮小に入ったが、デルタ株の感染拡大もあり資産買い入れの期間を延長するなどの調整をしている。またECBは9月9日に定例理事会を開くが、パンデミック対策としての資産買い入れについては秋以降の買い入れペース減速について議論するのではないかとされている。徐々に全般的には金融緩和政策からの正常化への動きがみられる状況にあるが、今のところは景気回復で先行している米連銀のテーパリング開始決定への動きを重視してドル高感が強まる流れというところか。

短期テクニカル分析

ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちとピークアウトを繰り返すリズムがある。

9月4日未明高値を当面のピークとして下落基調に入っている印象だが、9月7日夜安値からいったん戻して安値更新しているため、8日午前高値で小反発が一巡して一段安に入り始めたところと思われる。7日夜安値を基準として次の安値形成期を10日夜から13日夜にかけての間と想定し、8日午前高値を超えないうちは一段安警戒とみる。

60分足の一目均衡表では9月8日の下落で先行スパンから転落、いったん戻したものの9日午前には再び転落し、遅行スパンも悪化中だ。このため先行スパンを上抜き返せないうちは一段安警戒として遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。強気転換は8日午前高値超えからとし、その際は遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は30ポイントまで低下したところからいったん戻したが50ポイント台を維持できずに失速しているのでまだ一段安余地ありとみる。強気転換には60ポイントに到達してその後も50ポイント以上を維持してゆくような反騰が必要と思われる。

9月9日の売買戦略

9月7日夜安値からは151.50円割れを買い戻されつつ徐々に戻り高値の切り下がる持ち合いの様相であり、151.80円から152円手前にかけてのゾーンは戻り売り有利とし、151.50円割れから続落に入る場合は151.00円前後、さらに150円台後半を目指す流れとみて戻り売り有利の展開と考える。

9月9日の注目経済指標

  • ドイツ
  • 15:00 7月 貿易収支 (6月 163億ユーロ、予想 146億ユーロ)
  • 15:00 7月 経常収支 (6月 225億ユーロ、予想 180億ユーロ)
  • ユーロ圏
  • 20:45 欧州中銀(ECB)定例理事会
  • 21:30 ラガルド欧州中銀総裁、定例記者会見
  • 米国
  • 21:30 新規失業保険申請件数 (前週 34.0万件、予想 34.3万件)
  • 21:30 失業保険継続受給者数 (前週 274.8万人、予想 274.4万人)
  • エバンズ・シカゴ連銀総裁、デーリー・サンフランシスコ連銀総裁、ボウマンFRB理事らの発言、講演あり