ECB理事会の結果で荒れるか?【2021年9月9日】

ECB理事会の結果で荒れるか?【2021年9月9日】

おはようございます。だいまんです。

2021年9月9日の相場分析です。

昨日のマーケット

昨晩の海外市場は、軟調気味な欧米株価もあって、ドルがリスク回避的に堅調な推移となったが、米10年物国債利回りが、入札後1.361%から1.327%まで低下したこと、総じて手掛かり難からまちまちの展開で終了した。NYダウは3日続落、ナスダックは5日ぶりに反落、影響力の強いウィリアムズNY連銀総裁が、「経済が予想通り改善すれば、年内のテーパリングが適切となる可能性」、「現在資産価格は非常に高い」との発言が嫌気されて3指数ともマイナス圏で引けた。

ドル円は、アジア夕方の高値110.45から米長期金利の低下を受けて110.14まで下落後、このレンジで上下、ユーロドルは、ECB理事会を控えてポジション調整の売りに1.1802まで下落、ポンドドルは、1.3727まで下落後、ベイリー英中銀総裁やブロードベント副総裁が、「実施するにはまだ早いが、利上げの最低条件は満たした」と発言したことで、1.3785まで反発した。

一方クロス円では、ユーロ円は、一時130.18まで下落、ポンド円は、151.47から151.97で上下、オージー円は80.98、NZD円は、78.00まで一時値を下げ、カナダ円は、カナダ中銀が政策を据え置いたことで、87.26から86.46まで下落も、このレンジで上下した。

9月9日の注目材料

  • 07:00 (米) カプラン・ダラス連銀総裁・バーチャル会合参加
  • 07:45 (NZ) 第2四半期製造業売上高 [前期比] (前回2.1%)
  • 08:01 (英) 8月RICS住宅価格指数 (前回79 予想75)
  • 08:50 (日) 8月マネーストックM2 [前年同月比] (前回5.2% 予想4.6%)
  • 08:50 (日) 週間対外対内証券売買契約等の状況 [対外中長期債] (前回-5455億円)
  • 08:50 (日) 週間対外対内証券売買契約等の状況 [対内株式] (前回253億円)
  • 10:30 (中) 8月消費者物価指数 [前年同月比] (前回1.0% 予想1.0%)
  • 10:30 (中) 8月生産者物価指数 [前年同月比] (前回9.0% 予想9.0%)
  • 15:00 (独) 7月貿易収支 (前回163億ユーロ(162億ユーロ) 予想146億ユーロ)
  • 15:00 (独) 7月経常収支 (前回225億ユーロ 予想180億ユーロ)
  • 18:00 (南ア) 第2四半期期経常収支 (前回2670億ランド 予想3051億ランド)
  • 20:00 (南ア) 7月製造業生産 [前年比] (前回12.5%)
  • 20:00 (南ア) 7月製造業生産 [前月比] (前回-0.7%)
  • 20:45 (ユーロ圏) 欧州中央銀行・政策金利及びスタッフの経済見通し公表 (現行0.00% 予想0.00%)
  • 21:30 (ユーロ圏) ラガルド欧州中央銀行・定例記者会見
  • 21:30 (米) 週間新規失業保険申請件数 (前回34.0万件 予想34.3万件)
  • 21:30 (米) 週間失業保険継続受給者数 (前回274.8万人 予想274.4万人)
  • 24:00 (米) 週間原油在庫統計 (前回-716.9万バレル)
  • 00:05 (米) デイリー・サンフランシスコ連銀総裁講演
  • 00:05 (米) エバンズ・シカゴ連銀総裁・あいさつ
  • 02:00 (米) ボウマンFRB理事講演
  • 02:00 (米) 財務省30年物国債入札(240億ドル)
  • 03:00 (米) ウィリアムズNY連銀総裁・あいさつ

9月9日の相場見通し

昨晩は、ドルが堅調も総じて揉み合い相場から離れることはありませんでした。ただ、本日は、今週注目を集めているECB理事会の結果やスタッフの経済見通しが公表されます。一定の動きが見えるか注目しましょう。

一応ECB理事会では、直近のユーロ圏の物価指数が上昇していることもあって、タカ派的な経済見通しに加えて、PEPPなどの資産買い入れの減額が発表されると市場は想定しています。ただ、一方で景況感指数には、悪化も見えています。政策に変更がないケースやラガルドECB総裁の記者会見での発言で、警戒感が示されるとユーロ相場に売り戻しが強まる可能性があるので注目しておきましょう。

経済指標としては、NZの第2四半期製造業売上高、英8月RICS住宅価格指数、中国の8月消費者・生産者物価指数、独7月国際収支、米国では、週間新規失業保険申請件数などが発表されます。

注目としては、中国の物価指数は弱い結果がリスクですが、ただ物価指数で相場が強い反応を示す可能性は低いでしょう。一方米国の週間新規失業保険申請件数は、先週の米8月非農業部門雇用者数が、大幅に弱かったこともあって、強い結果が雇用指数の見直しにつながるか注目しましょう。

また、本日も米国の30年物国債の入札が実施されます。米長期金利の動向にも、注意して対応しましょう。

その他、FRBの要人の発言が続きます。直近テーパリングに関して、タカ派的な発言が続いていますが、一定の織り込みもあることで、影響は少ないかもしれません。

9月9日のデイ・トレード戦略

本日のデイトレード戦略です。

ユーロドル

  • 予想レンジ:1.1760~1.1860
  • 基本戦略: 戻り売り
  • 予想時間:07:18 予想時レート:1.1818

上値を1.2351や1.2266でCapされて、下落が1.166でまで拡大も現状はこの位置を維持して反発的。ただ、戻りが1.1909でCapされて、月足や日足のスロー・ストキャスティクスが反転下落となっており、一定の下値調整がありそう。

上値は、1.1851-86の戻り高値が抑えると弱い。1.1909の戻り高値を越えて1.1930-45の90日移動平均と絡む位置、1.1975の戻り高値を越えても、1.1995-1.2007の下落スタート位置に雲の上限が控えている。更に超えても1.2009、1.2032-57、1.2094-1.2101の日足の窓の上限、1.2135-48の戻り高値を超えても1.2193-95,1.2218-55が抑えると上値は追えない。あくまで直近高値の1.2254-66を超えて、1.2285の戻り高値を目指す動きとなるが、上抜けは不透明で、1.2349の今年の高値をしっかりと超えて、1.2400のサイコロジカル、月足からは、1.2414-1.2476の戻り高値圏、1.25のサイコロジカルまで視野となる。ただ、1.2555の戻り高値を越えるかは、現状不透明となる。

一方下値は、基準線と絡む1.1783-94の維持では良いが、割れると1.1726-35、1.1690の戻り安値が視野となるが、維持では良いが1.1664の安値や1.1650のサイコロジカルを維持出来ずに、1.1603の安値を割れるケースで、その場合調整が深まり、それ以前の高値1.1495から1.1422ゾーンまで視野となるが買いが入り易い。またもし割れても1.12-1.14ゾーンは、揉み合いを経たゾーンで、こちらも買いが入り易い。あくまで1.1168の戻り安値を割れるまでは、堅調相場が続くと見たい。

従ってデイの戦略としては、ECB理事会を前に、ショートカバーも出易く、突っ込み売りは出来ないが、反発があれば売り狙い。1.1855-70への戻りを売って、ストップは1.1909越え。ターゲットは、1.1780-00の維持では買い戻しも、割れると1.17ミドル前後の維持では利食いを優先したい。また1.17ミドルから1.17までは慎重に買い下がって、ストップは1.1690割れ。この買いのターゲットは、1.18や1.1830-40が抑えると利食い優先となる。

ECB理事会の結果で荒れるか?【2021年9月9日】

NZD円

  • 予想レンジ:77.80~78.50
  • 基本戦略: 押し目買い
  • 予想時間:08:09 予想時レート: 78.28

上昇を80.19でトピッシュとして、下値を74.57まで拡大するも、現状この位置を維持して反発的。スロー・ストキャスティクスも反転上昇が続いており、更に上値を拡大できるか注目される。ただ、既に買われ過ぎの位置にあることは、注意しておきたい。

上値は、78.66の戻り高値が抑えると弱い。78.77の上ヒゲ越えから一定のあく抜け感となるが、78.89-79.15の戻り高値、79.40-80ゾーンが抑えると上値は追えない。あくまで上値は80.19を越えて、80.62の月足の雲の上限、サイコロジカルな81円、82-83円がターゲットとなるが、88.90の高値を超えるまでは、更に上昇期待は厳しい。

一方下値は、77.45-60の転換線や雲の上限、76.71-86の雲の下限や基準線と絡む位置、76.08-26,74.96-75.50の戻り安値の維持では良いが、74.57も戻り安値を維持出来ずに、74.13や73.66の安値まで割れると73.20-27、72.82-85ゾーンまでターゲットとなる。こういった位置は一旦維持される可能性はあるが、72.73まで割れると72.26、71.68-86ゾーン、71.49-53の日足の窓の上限まで割れると相場が崩れ気味となり、窓の下限となる70.48-52、69.71-70.00、69.37-45の戻り安値圏まで視野となるが維持では更に突っ込み売りは出来ない。リスクは68.88や68.65の安値、下限レンジ最安値となる68.21を割れるケースで、その場合下落が加速するリスクが高まり、67.53の戻り安値、66.32-66.59の戻り安値圏なども視野となるが、長期のサポートが控える。更に割れても過去の揉み合いレンジとなる63.10-66.17ゾーンなどは底堅い位置となりそう。このリスクは61.79割れとなる。

従ってデイの戦略としては、上値追いは出来ず、押し待ち。下値は、78円を割れる動きから77.40-60、77円と買い下がって、ストップは76.70割れ。ただ、ターゲットは、78円が逆レジスタンスとなるなら利食い優先。超えても78.66の戻り高値を前に利食いが良い。

また、早期に78.45-66ゾーンがCapされるなら、78.66をストップに売り狙いも検討されるが、78円が維持されると利食い、割れても77.40-60ゾーンの維持ではしっかりと利食っておきたい。

ECB理事会の結果で荒れるか?【2021年9月9日】