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今回はFXトレードに使える、フィボナッチについて紹介していきます。
皆さんはフィボナッチについて、どの程度理解していますでしょうか。
すでにトレードに生かしている!
学校の数学で習ったことがある!
「ダ・ヴィンチ・コード」で聞いたことがある!
などなど、理解度はまちまちかと思います。
一方で、すでにトレードに生かしている方以外は、
「フィボナッチなんてどうやってFXに使うんだろう?」
「フィボナッチって何?」
といった疑問が当然でてきます。
そこで今回は、フィボナッチについての基本的な定義と使い方について解説していきます!
目次
フィボナッチとは
まずは、フィボナッチについて概要をお伝えします。
フィボナッチとは、イタリアの数学者であるレオナルド・フィボナッチ(ピサのレオナルド)にちなんで名付けられた数です。
このフィボナッチさんは、1202年に算盤の書(算術の書とも)を出版し、アラビア数字のシステムをヨーロッパに導入した人でもあります。
ちなみにアラビア数字とは、日本では算用数字とも呼ばれている0~9の数字のことです。
インドを起源とした数字ですが、この算盤の書の発行から本格的に広まりました。
そんな影響力のある算盤の書の中に、「ウサギの出生率に関する数学的解法」といったものがありました。
簡単に説明しますと、
「つがいの子ウサギがいて、子ウサギは1ヶ月たつと親ウサギになり、その1ヶ月後にはつがいの子ウサギを生むようになる。どのウサギも死なないものとして、1年間につがいのウサギは何対になるか。」
といった問題が書かれています。
これを解くと、つがいの数は、0ヶ月目は1、1ヶ月目も1、2ヶ月目は2、3ヶ月目は3、4ヶ月目は5、それ以降は「8、13、21、34、55、89、144、233・・・」となります。
この「0、1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、233・・・」といった数列がフィボナッチ数列となります。
もともとインドで発見されてはいましたが、影響力の関係でフィボナッチさんから名前をとり、この数列はフィボナッチ数列と名づけられました。
このフィボナッチ数列の簡単な覚え方としては、0、1と始まり、その次からは現在の数字に前の数字を足していくことで求めることができます。
たとえば・・・
0、1と始まり、次は現在の数字1+前の数字0で1
次は現在の数字1+前の数字1で2
次は現在の数字2+前の数字1で3
次は現在の数字3+前の数字2で5
以降も5+3=8、8+5=13、13+8=21、21+13=34・・・と求められます。
では、このフィボナッチ数列には何の意味があるのでしょうか。
実は隣り合う2つの数について比の値を求めますと・・・
1÷1=1、2÷1=2、3÷2=1.5、5÷3=1.666…、8÷5=1.6、13÷8=1.526、21÷13=1.618…
34÷21=1.619…、55÷34=1.618…、89÷55=1.618…・・・
なんと、「1.618」という数字に近づいていきます。
また、逆の比を求めますと「0.618」に近づいていくんです。
この「1.618」や「0.618」という数字、聞いたことがある方もいるかと思いますが、黄金比と言われています。
正確には1:1.618(0.618:1)といった比率が美しい比率(黄金比)と言われていて、この黄金比を利用しているモノを私たちは無意識のうちに好むらしいです。
たとえば、有名な絵画の「モナリザの微笑み」や、ミロの「ヴィーナス像」、パリの「凱旋門」なんかも黄金比でできていると言われています。
また、身近なところですとトランプカードやパスポート、ハガキなども黄金比ですし、黄金比は人間が作ったもの以外だけではないのです!
代表的なものはオウムガイの螺旋形状やひまわりの種の並び、台風の渦や星雲の渦なども黄金比だと言われています。
他にも様々ありますが、ここで説明すると脱線しすぎてしまいますので、興味がありましたら黄金比についてもぜひ調べてくださいね!
さて、話を戻して、つまり何が言いたいかといいますと、フィボナッチ数列で求められる黄金比は、私たちが無意識に好む比率であり、自然界でも作られている不思議な比率であるということです。
そしてそれは、投資の世界でも利用することができるのです!
FXでのフィボナッチ
ここまでフィボナッチについてを簡単に説明していきましたが、「結局FXにどうやって使うんだ?」となるかと思います。
相場というものは多くの人たちの思惑であったり、感情が入り混じったものとなります。
そのため、誰も正確に予測のできないものとなりますが、台風の渦や星雲の渦などの自然現象もフィボナッチが絡んでいることから、相場にもフィボナッチが絡んでもおかしくはないのではないかと考えられます。
ましてや私たちが無意識に好む比率が、人々の感情で動く相場に現れても不思議ではないのではないか。
このような考えから、FXでもフィボナッチを利用できるという考えに行き着きます。
フィボナッチを活用する「フィボナッチ・リトレースメント」
では、フィボナッチをFXで利用する根拠もでたところで、ここからは、FXでのフィボナッチの使い方を説明していきます。
世界的に使用されているチャートソフトのMT4(メタトレーダー4)には、フィボナッチが標準搭載されています。
初期の配置ですと左上のツールバーに「点線とF」のアイコンがあり、これがフィボナッチです。
実際にはこちらのツールは、フィボナッチ・リトレースメントと呼ばれ、一般的にトレンド相場での押し目や戻り目がどのあたりになるのかを予測するのに使われます。
MT4のフィボナッチ・リトレースメントには、
「0.236、0.382、0.500、0.618」という数字がデフォルトで入っています。
※MT4上ではそれぞれ「23.6、38.2、50.0、61.8」と表示されます。
ちなみにこれらの数字は、フィボナッチ数列から求められたもので、「0.618」は前述したとおり黄金比となり、「0.382」は数列中のある数字からその2つ先の数字を割ると収束する数字になります。
また、「0.236」はある数字から3つ先の数字を割ると収束する数字になります。
さらに、デフォルト以外にも使われる数字としては、「0.786、0.886」などもあります。
※「0.786」は黄金比「0.618」の平方根(√)、「0.886」は「0.786」の平方根(√)
なお、「0.500」はフィボナッチから求めるものではありませんが、「半値戻し」と呼ばれ、意識されやすい値と言われています。
一般的なフィボナッチ・リトレースメントの使い方は、押し目や戻り目の反発する価格を、上記の数字のどれかになる事を予測して使います。(主に38.6~61.8が反発しやすいと言われています)
さて、このフィボナッチ・リトレースメントの引き方ですが、難しいものではありません。
上昇相場であれば、安値から高値。下落相場であれば、高値から安値に引くことで、押し目や戻り目を推測することができます。
例えば、下記の相場は上昇中と見ることができますが、大きな陰線が現れたことにより戻されていると見ることができます。
この戻しがどの程度まで戻すかを推測するのに、フィボナッチ・リトレースメントを安値から高値に引いてみます。
フィボナッチ・リトレースメントを引いてみますと、上記のような図になり、この相場が上昇トレンドとなるならば、「38.2」や「50.0、61.8」で反発して押し目を形成すると考えられます。
結果はと言いますと・・・
ヒゲではありますが、「61.8(黄金比)」で反発され、そこを安値として押し目を形成し上昇しています。
このようにフィボナッチ・リトレースメントは上昇相場であれば押し目を、下落相場であれば戻り目を推測するのに便利なツールとなります。
フィボナッチを活用する「フィボナッチ・エクスパンション」
次に便利なフィボナッチツールとしてはフィボナッチ・エクスパンションがあります。
このフィボナッチ・エクスパンションをMT4で表示させる場合は、1つ手順が必要となります。
まず、MT4の上部にある「挿入(I)」をクリックし「フィボナッチ(F)」を選択します。
その中の「エキスパンション(E)」を選択しますと、フィボナッチ・エクスパンションを引くことができます。
(MT4ではエキスパンションと表示されてますが、エクスパンションが一般的かと思います)
また、このフィボナッチ・エクスパンションをツールバーに表示させることもできます。
その手順は、フィボナッチ・リトレースメントのあったツールバーで、右クリックを押しカスタマイズを選択します。
ツールバーのカスタマイズのウィンドウがでましたら、非表示の中にある「フィボナッチ・エクスパンション」を表示の中に挿入して閉じます。
そうしますと、ツールバーにフィボナッチ・エクスパンションが追加されますので、今後はツールバーから選択することでフィボナッチ・エクスパンションが引けるようになります。
さて、このMT4のフィボナッチ・エクスパンションには、「61.8」と「100.0」と「161.8」という数字がデフォルトで入っています。
使い方としましては、上昇相場であれば、先ほどのフィボナッチ・リトレースメントで反発した押し目からの上昇がどこまで伸びるかを推測するものとなります。
(下落の場合は逆)
一般的に、押し目の前の上昇を1とすると、次の上昇は1倍~1.618倍伸びると言われています。
(勢いのある相場では1.618倍以上伸びます)
このことから、フィボナッチ・エクスパンションを引くことで、最初の上昇に対しての次の上昇の伸びを推測することができます。
では、このフィボナッチ・エクスパンションの引き方ですが、まずはフィボナッチ・リトレースメントと同様に安値から高値に引きます。
※上昇相場の場合
次に、フィボナッチ・エクスパンションには3点目があるので、その3点目を押し目の安値にあわせます。
先ほどの相場を例にしますとこのような形です。
そして、このあとの相場がどうなるかというと、
少し見づらいですが3つのラインは下から「61.8」、「100.0」、「161.8」となっていて、ピンクの枠で囲んでいる部分は「100.0」で反発したポイント、青い枠で囲んでいる部分は「161.8」で反発したポイントとなります。
左から順に見ますと、1つ目のピンク枠で「100.0」を上抜けていますが、1回落とされています。
そして次のピンク枠では、「100.0」付近でジリジリ動き、最終的に突破します。
しかしながら、「100.0」を越えた後、「161.8」付近で頭を抑えられたような形となり(1つ目の青枠)、「100.0」まで落とされてしまいます。(3つ目のピンク枠)
その後に、また、「161.8」までいきますが(2つ目の青枠)、ここでも反発され最終的に下落していきます。
このように、最初の上昇を1としますと、押し目以降の上昇は1倍や1.618倍のラインが意識されていることが分かるかと思います。
フィボナッチの有効的な使い方
ここまでで、フィボナッチ・リトレースメントとフィボナッチ・エクスパンションについて説明してきましたが、この2つを使うだけでもエントリーから決済までを行なうことができます!
フィボナッチ・リトレースメントでは上昇中の押し目(下落中の戻り目)を推測することができますので、押し目買いや戻り売りのエントリーを行なう際に有効的に使うことができます。
フィボナッチ・リトレースメントを使用してエントリーしましたら、次はフィボナッチ・エクスパンションを利用して、決済レートを推測します。
大きく利益を狙いたいなら1.618倍(161.8)のレートで決済を行ない、勝率を上げてコツコツと利益にしたい場合は1倍(100.0)のレートで決済を行ないますと有効的な決済が行なえます。
このようにフィボナッチを使いますと、有効的なトレードが行なえます。
しかしながら、注意が必要です!
フィボナッチは絶対ではありません!
フィボナッチを引く際の高値や安値の判断は自分で行う必要があるので、その判断が間違っていた場合は、フィボナッチは機能せずフィボナッチのラインなどを気にせず相場は進みます。
つまり、フィボナッチを引く場合は高値安値の判断が重要となります!
自分ではきれいな高値安値に見えても、世界中のトレーダーから否定されてしまえば意味のないフィボナッチになります。
多くの人が同じように高値や安値を意識することで機能するのがフィボナッチのラインですので、過信は禁物です!
また、フィボナッチには、さまざま数値がありました。
(61.8や38.2、23.6、応用で78.6、88.6)
この数値のどれで反発するかは、残念ながらフィボナッチだけでは絞ることができません。
そのため、フィボナッチは他のロジックなどと組み合わせて、エントリーや決済の根拠の1つとして活用することが有効的な使い方となります。
特に、有名な理論であるエリオット波動論、これはフィボナッチの法則をもとにして作られている理論となりますので、フィボナッチとの相性が良い理論です。
エリオット波動論については、難しい理論ですのでここでは割愛しますが、素晴らしい理論ですので調べてみるのも面白いですよ♪
フィボナッチ:まとめ
始めにお伝えしましたが、フィボナッチ比率(特に黄金比)は、我々人類が無意識的に好む比率です。
また、FXではフィボナッチを利用したトレードや理論(エリオット波動論など)があり、意識して使用している人も多くいます。
つまりフィボナッチは、意識している人は意識しているし、意識していない人も無意識に意識してしまっているというものですので、これを使いこなせたら相場を完璧に予測することもできるかもしれません!
ぜひ、あなたのトレードにもフィボナッチを取り入れてみてはいかがでしょうか。