円が独歩安【YEN蔵のFX相場分析】

今週 為替相場振り返り

こんにちは、YEN蔵です。

今週の為替相場振り返りです。

雇用統計は予想を下回りました

8日に発表された米雇用統計は非農業部門雇用者数は19.4万人増加と予想の50万人を大きく下回りました。しかし8月分が23.5万から36.6万人に7月分が105.3万から109.1万人と16.9万人上方修正されました。また失業率は5.2から4.8%にU6失業率も8.8から8.5%に低下しました。しかし市場はこの雇用統計の結果でも11月のFOMCでのテーパリング決定は変わらないとの見方が広がり、またインフレ懸念がくすぶる中で米10年債利回りは前日の1.57%から1.61%に上昇して終了しました。

弱い数字を受けてドル円は一時111.50円付近まで下落しましたが、その後は上昇が続いており114円台まで上昇しています。

FOMC議事要旨ではテーパリングを確認

13日に発表されたFOMC議事要旨では11月のテーパリング開始が確認されました。内容としては①11月のテーパリング開始決定がほぼ確定。②来年半ばまでに債券買い入れを終了でほぼ毎月同額の買い入れ額縮小となる予定。③サプライチェーンの問題と、労働供給がうまくいってないことで強い需要をこなせないという課題を注視している④,インフレ圧力を懸念(一時的という考えは維持したまま)⑤利上げに関してはより厳格なテストが必要

このような内容になりました。

9月21~22日に開催されたFOMCの議事要旨はこのようになりましたが、8日に発表された雇用統計の数字では予想を下回りましたが、11月のテーパリング決定を覆すことはないでしょう。

また今週発表された米消費者物価指数の数字は物価の上昇が確認されましたが、この数字も11月の決定を変えるような内容にはならないでしょう。

円安の流れが続いています

ドル円は2018年12月以来の114円台まで上昇してきています。ただこの動きはドルの上昇ではなく円の下落の動きです。ドルが上昇する局面もありましたが、明確にドルが上昇しているのはドル円だけで、ほかの通貨は小動きで結果としてクロス円も上昇して円安の流れが加速しています。

円安の理由はいくつかあると思います。世界的にコロナ感染による超金融緩和を縮小、あるいは緩和から利上げの動きに向かう中央銀行が多い中で日銀だけは緩和を続けていることです。日銀の超緩和政策からの出口が見えないことが円安の材料になっています。

また最近のエネルギー価格の上昇は、エネルギーの輸入国である日本にとっては外貨(ドル)の支払いが増えますから、このこともドル高円安になる原因の一つになっています。

もちろんその背後にはそうなるであろうことを予想した短期筋のドル円の購入なども相場を押し上げる原因になっています。

ドル円は重要なレジスタンスの115円に近づく

先週の現行では112円を超えなければ110~112円のレンジの継続、112円を上抜けする場合は112~114円のレンジにシフトすると書きました。まさにその通りになったのですが112円からの上昇のスピードが速く、ほとんど押し目を作らずにここまで上昇してきています。

ここから押し目があるとしても113円付近までと思われ、節目の115円を目指す動きは続きそうです。2017年4月以降の戻り高値は114.70~80付近になっており114.70~115円付近の重要レジスタンス試す動きが続きそうです。

ここからのレンジは113115円を予想します。

チャートは月足ですが6か月間の107.50~111.50のレンジを上抜けして上昇を開始しています。月足一目均衡表の雲の上限も上抜けしてきました。 雲の上限は112.60付近に位置しています。やはり今後押し目があれば112円台が重要なサポートになりそうです。

2015年6月に125.85付近まで上昇後に2016年6月のブレグジットショックで99円付近まで下落しましたが、このレンジの50%戻しが112.45,61.8%戻しが115.60に位置しています。

チャートはドル円の 月足、一目均衡表、RSI、スローストキャスティックス、DMIMACD、です。