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おはようございます。大塚亮です。
2021年10月28日の相場分析です。
目次
概況
ポンド円の10月27日終値は156.402円、前日比0.716円安と下落した。取引レンジは157.267円から155.709円。
10月1日からの上昇を続けて10月20日には158.219円まで高値を切り上げ、5月27日高値を超えて昨年3月底以降の最高値としたが、高値警戒感から21日と22日に反落、週明けの25日と26日は戻りを試したが高値更新へは進めず、27日はドル円の下落と共にポンドドルも1.375ドル前後を支持線とした持ち合いから下放れたため、ポンド円は円高とポンド安の両面から圧迫されて当日高値から1円を超える下落となった。
27日夜安値で155.709円を付けて23日未明安値155.930円をわずかに割り込んだところからやや戻したものの28日午前にかけては再び軟調推移で安値更新への余裕が乏しい。
テクニカルポイント 高値・安値切り下がりの下落パターンに
ポンド円は10月20日昼高値158.219円と21日午前高値158.208円をダブルトップ型として上昇が行き詰まり先週末の23日未明安値155.930円まで下落した。26日深夜に157.762円まで戻したものの158円には届かずにダブルトップからは高値切り下がりにとどまり、27日夜安値では23日未明安値を割り込んだ。
ダブルトップ形成までの間は高値を切り上げてからの反落でも底上げをして上昇トレンドを形成してきたが、ダブルトップ以降は戻り高値を切り下げて安値も更新する右肩下がりの基調へシフトしている。このため戻り高値切り上げパターンに回帰できないうちは戻り一巡から一段安を繰り返しやすい状況となる。当面は21日午前高値と26日夜高値を結ぶ抵抗線との平行線を23日未明安値から描いて下降チャンネルとし、その下限線を試す流れへ進みやすいと思われる。
テクニカルポイント ポンドドルはボックス持ち合い下放れ
ポンドドルは10月19日に1.380ドル台へ到達した後は1.3750ドル割れを買い戻されつつ1.3820ドル以上では戻り売りにつかまるボックス型持ち合いを形成していた。26日夜の上昇でも高値更新には至らずに失速して持ち合いの下限を試していたが、27日夜に1.37093ドルまで下落して持ち合いから下放れとなった。
28日未明に1.37580ドルまで戻したものの、持ち合いを下放れた後のために持ち合い中の下値支持線が今度は上値抵抗線に様変わりして上値を押さえつけている印象だ。
10月入りからポンド、豪ドル等が上昇、ユーロドルもワンテンポ遅れて10月12日から反騰入りしたことでドルストレートにおいてはドル安基調での推移が続いてきた。米長期債利回りが上昇しても英独豪等の長期債利回りも同調して上昇したことでドル高圧力が抜けていたのだが、この上昇もひとまずピークアウトしていったん仕切り直しの調整期に入っている印象だ。押しが浅ければ1.360ドル台までで足場を固めて次の上昇期へ進むことも可能だろうが、やや深い場合は1.350ドル台中盤を試す可能性もあるところと注意したい。
注目ポイント 日銀、ECBの金融政策会合
10月28日は日銀の金融政策決定会合がある。現状維持と予想されるが、最近の円安水準に対する言及次第では円高ないし円安へぶれるきっかけとなる可能性がある。
28日夜はECB理事会がある。市場予想は現状維持だが、金融緩和の縮小から利上げへ向かう姿勢については主要国から出遅れており、緩和姿勢継続の協調となる場合はポンド高、ドル高反応のきっかけになる可能性がある。
28日夜は米GDP速報値等もあり、ドル高が勢い付いてポンドドルが一段安するケース、逆にいったん持ち直すケースもあると注目される。来週は豪中銀理事会、米連銀のFOMC、英中銀のMPCが控えている。
短期テクニカル
ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちとピークアウトを繰り返すリズムがある。
10月20日昼高値と21日午前高値をダブルトップとした下落は23日未明安値で底を付けて戻しに入ったが、26日夜高値でピークを付けて下落期に入っている。安値形成期は28日未明から11月1日朝にかけての間と想定されるので既に反騰注意期にはあるが、157円を超えないうちはもう一段安へ進みやすいところとみる。またいったん底を付けて戻しても26日夜高値を超えずに戻り幅の半値以上を削る場合は次の下落期入りを警戒する。
60分足の一目均衡表では26日夜への下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落した。その後も両スパン揃っての悪化が続いているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。また先行スパンを上抜き返せないうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところからは下げ再開とみる。強気転換は先行スパンを上抜き返すところからとする。
60分足の相対力指数は28日未明への反発では50ポイントに届かず失速しているのでまだ一段安余地ありとみる。20ポイント以下へ低下する場合は反騰注意とするが、強気転換には55ポイントを超えてその後も50ポイント以上を維持する必要があると考える。
10月28日の売買戦略
10月からの上昇一服による調整期として、安値の落ち着き処を探るところとし、短期的には戻り売り有利の情勢と考える。
156.65円から157.00円手前までは戻り売りにつかまりやすいとみる。27日夜安値155.709円割れからは155円前後への下落を想定する。155円以下は反騰注意だが、下げ足が速まる場合は154円台後半へ突っ込む可能性もあるとみる。
10月28日の主な予定
- 日銀金融政策決定会合、黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
- 独欧
- 16:55 10月 独失業率 (9月 5.5%、予想 5.4%)
- 20:45 欧州中銀(ECB)理事会
- 21:00 10月 独消費者物価指数速報値 前月比 (9月 0.0%、予想 0.5%)
- 21:00 10月 消費者物価指数速報値 前年同月比 (9月 4.1%、予想 4.4%)
- 21:30 ラガルドECB総裁、定例記者会見
- 米国
- 21:30 7-9月期 GDP速報値 前期比年率 (4-6月 6.7%、予想 2.7%)
- 21:30 7-9月期 GDP個人消費速報値 前期比年率 (4-6月 12.0%、予想 0.8%)
- 21:30 7-9月期 コアPCE速報値 前期比年率 (4-6月 6.1%、予想 4.5%)
- 21:30 新規失業保険申請件数 (前週 29.0万件、予想 29.0万件)
- 21:30 失業保険継続受給者数 (前週 248.1万人、予想 241.5万人)
- 23:00 9月 住宅販売保留指数 前月比 (8月 8.1%、予想 0.0%)
- 23:00 9月 住宅販売保留指数 前年同月比 (8月 -6.3%、予想 -3.0%)