豪ドル円 7月20日安値を割り込んで一段安した後も反騰しきれ得ず

豪ドル円 安値

豪ドル円の8月18日終値は79.424円、前日比0.068円安と小幅続落した。取引レンジは79.769円から79.244円。

7月20日安値79.833円の後は下げ渋りの持ち合いに入っていたが、8月11日高値81.574円では7月23日高値81.659円を上抜けずに下落に転じ、8月12日から8月17日まで4日連続の日足陰線で失速して7月20日安値79.833円を割り込んだ。

8月18日午前には79.244円まで安値を切り下げたところで、NZ中銀が利上げ予想に対して政策金利を現状維持とした際に乱高下からいったん戻したが、その後は79.50円を挟んだ揉み合いで推移に入った。

8月19日未明のFOMC議事録公開では79.769円まで一時的に上昇したものの早々に売らええ、19日午前には79.30円台へ失速して18日午前安値割れへの余裕が乏しくなっている。

注目ポイント 豪ドル米ドルの下落続く

豪ドル米ドルは8月17日に7月21日安値以降の下げ渋り持ち合いから下放れしたが、18日、19日午前と続落している。2月25日高値で0.80067ドルを付けたところで昨年3月底からの大上昇もピークアウトし、5月10日の戻り高値からの下落で4月1日安値を割り込んで二段目の下げに入ってきたが、さらに続落の流れが続いている。

8月18日にニュージーランド中銀は市場の大方の利上げ予想に反して政策金利のオフィシャルキャッシュレートを0.25%で据え置いた。NZ中銀は「今日の決定は政府が全土でレベル4の制限措置を課したことを受けたものだ」としたが、NZではデルタ株の感染者1名が発生したことをもって全土で3日間のロックダウンに入った。わずかな感染者でも厳格なロックダウンと充分な補償を提供することで感染爆発を回避し続けてきた感染対策としての優秀国だが、オーストラリアも変異株の感染拡大が収まらないためにシドニーやメルボルンでのロックダウンが続いており、感染拡大リスクがNZ中銀と共に豪中銀にも金融緩和からの引き締め化を遅らせるものと市場は受け止めた印象だ。

デルタ株の感染拡大は特にアジアで爆発的であり、世界の部品工場でもあるアジアの生産供給停滞が深刻化しつつある。アフターコロナの景気回復も鈍り始めており、原油相場の下落感も強まっており、資源通貨の豪ドルへの売り圧力も徐々に高まる状況であり、豪ドル円としては円安に支えられても原市場の豪ドル米ドルが下げ足を速めれば下ブレしやすい環境といえるだろう。

注目材料 7月豪雇用統計 失業率改善もロックダウンの先行き不安あり

オーストラリア統計局が8月19日午前に発表した7月の豪失業率は4.6%となり6月の4.9%から低下、市場予想の5.0%への悪化に反して改善した。

就業者数は前月比2200人増の1315万6400人となり市場予想の4万6200人減に反しての増加だった。6月は2万9100人増だった。このうちフルタイムが4200人減の901万2600人、パートタイムが6400人増の414万3800人だった。

労働参加率は前月比0.2%低下の66.0%で市場予想と一致した。

市場はロックダウンの影響による悪化を予想していたが、今回の統計ではまだロックダウンの影響が大きくは表れていないようだ。しかし今後はロックダウン長期化の影響も出てくるのだろうと推察される。

統計発表後に豪ドル米ドルは0.72299ドルへ上昇したが早々に失速し、11時には発表前水準及び午前序盤の安値を割り込んでいる。豪ドル円も発表直後に79.536円へ上昇したものの失速している。

注目材料 ワクチンにかかる豪景気回復

オーストラリアのモリソン首相は19日の豪経済紙オーストラリアン・フィナンシャル・レビューへのインタビューに答えて

ワクチンの普及次第で年後半の景気回復を実現できると楽観的見通しを示した。現状では豪政府や著名エコノミストは感染拡大とロックダウンの影響で7-9月にはマイナス成長に陥ると予想しているが、首相は10-12月期に回復できれば2期連続のマイナス成長を回避できるとした。そのためにはワクチン普及によるロックダウンの解除と経済活動の再活発化が必須だが、同紙報道では豪州最大の経済圏であるニューサウスウェールズ州では感染拡大を抑える決め手に欠いて10-12月期も悲観的とされ、同州のベレジクリアン州首相はワクチン接種率が80%に達するのは早くても11月としている。現時点でのオーストラリアのワクチン接種状況は1回目が国民の50%、2回目終了が28%とされる。

短期テクニカル分析

60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。

豪ドル円は8月11日夜高値をピークとした下落は8月18日午前安値で一服している。ひとまず目先の底を付けたと思われるがその後の戻りは鈍く、19日未明に戻り高値を切り上げてからの失速で底割れに余裕が乏しくなっている。8月18日午前安値を割り込む場合は次の底形成期となる23日午前から25日午前にかけての間へ安値試しを続けやすくなるとみる。

60分足の一目均衡表では8月18日午前安値からの下げ渋りで遅行スパンは実線と交錯しているが悪化しやすい位置にあり、先行スパンからの転落状況も改善していない。強気転換は先行スパンを突破するところからとし、突破できないうちは一段安警戒として遅行スパン悪化中の安値試し優先で戻り売り有利の展開とみる。

8月19日の売買戦略

8月19日未明高値79.769円を超える場合は80円前後試しとみるがそこは戻り売りにつかまりやすいとみる。
8月18日午前安値79.244円割れからは79.00円、78.50円を段階的に試してゆく流れとみるが、下げ足が速まる場合は78円台前半へ下値目途を引き下げる。

今晩の注目材料

  • ユーロ圏
  • 17:00 6月 経常収支・季調済 (5月 117億ユーロ)
  • 17:00 6月 経常収支・季調前 (5月 43億ユーロ)

 

  • 米国
  • 21:30 新規失業保険申請件数 (前週 37.5万件、予想 36.3万件)
  • 21:30 失業保険継続受給者数 (前週 286.6万人、予想 280.0万人)
  • 21:30 8月 フィラデルフィア連銀製造業景況指数 (7月 21.9、予想 23.0)
  • 23:00 7月 コンファレンスボード景気先行指数 前月比 (6月 0.7%、予想 0.8%)
  • 26:00 財務省インフレ指数連動30年債入札