[AD] 運営維持のため、一部広告リンクを設置する場合がございます(詳細)
おはようございます。大塚亮です。
2021年9月28日の相場分析です。
目次
概況
豪ドル円の9月27日終値は80.890円、前日比0.489円高と上昇した。取引レンジは80.964円から80.331円。
9月23日未明の米FOMCによる利上げ想定時期の前倒しを受けて米長期債利回りが連騰に入り、ドル円も米長期債利回りの上昇と共に23日からの連騰で27日夜には111.06円を付けて8月11日高値を超えて7月5日以来の111円台へ到達、28日午前もさらに高値を伸ばしている。一方で豪ドル米ドルは9月20日夜安値の後は下げ渋っているものの0.727ドルを中心として日足レベルではほぼ横ばい程度の下げ渋りにとどまっている。豪ドル円としては豪ドル米ドルが大きく崩れずに下げ渋りながらも確りしている中でドル円が急伸しているため、ドル円の上昇を反映して28日早朝にはこの日の高値となる80.964円を付けて81円に迫っている。
日足は9月22日からV字反騰型で戻り高値を切り上げている。
オーストラリア統計局が9月28日10時半に発表した8月の小売売上高は前月比1.7%減となり市場予想の2.0%減を上回った。発表前に豪ドル米ドルはやや下げていたが発表後は若干上昇している。
米長期債利回りの連騰でドル円も大幅続伸、豪長期債利回りも上昇で豪ドル米ドルも確り
9月23日未明の米FOMCが11月会合でのテーパリング開始の可能性を示唆し、利上げ想定時期を2023年から2022年に前倒しして2023年には3回の利上げを予想したことでFOMC後は米長期債利回りが上昇しており、米10年債利回りは27日に1.51%まで上昇、米2年債利回りは0.29%へ上昇して6月につけた0.28%を超えて年初来高値を更新した。
一方で豪10年債利回りも23日の1.23%から一段高に入っており、24日に1.41%台へ上昇、27日も1.44%へ続伸したが、28日午前には高値で1.47%を付けて7月6日以来の高値水準に到達している。豪10年債利回りは2月のピーク時に1.97%を付け、8月末に1.13%まで下げたところから反騰しており、週間ベースでは前週まで5週連続の上昇となっている。
米長期債利回りの連騰は日本の長期債利回りの値動きが鈍いことから日米長期金利差拡大としてドル円を上昇させる。一方で米長期債利回り上昇はドル高要因になるものの、豪10年債利回りも上昇していることでドル高圧力も打ち消されており、豪ドル米ドルもFOMC後の一段安を回避している。このため豪ドル円はドル円の上昇を反映しやすい環境にある。
テクニカルポイント 8月20日安値割れ回避でのV字反騰
豪ドル円は8月20日安値77.896円から9月3日高値82.023円までV字反騰したが、9月3日と9月7日の両高値を毛抜き天井型として下落してきた。しかし9月22日安値で78.837円を付けたところから再びV字反騰に入っている。上昇幅の大半を解消する深い押し目形成ではあるが、底割れを回避してのV字反騰のため、9月3日高値超えへ挑戦する勢いとなっている。
9月3日高値を超えないかわずかに超えてもその後に失速するようだと82円前後を上値抵抗とした日足レベルの三角持ち合いにとどまり、8月20日安値と9月22日安値を結ぶ下値支持線を割り込むところから三角持ち合い下放れに入って一段安へ向かうリスクも残るが、82円台到達後も81円以上で確り出来れば8月20日底を起点とした二段目の上昇入りとして83円、84円を目指す流れへ進む可能性も出てくると思われる。そのためには豪ドル米ドルが大きく崩れずにドル円の上昇が継続するか、またはドル全面安による豪ドル米ドルの急騰が必要となるが、ドル円の上昇が勢い付いている現状を踏まえると前者の可能性があるのではないかと思われる。
短期テクニカル分析
60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。
豪ドル円は9月22日午前安値を起点として上昇期に入ったが、24日午前高値でいったんピークを付けて24日夜まで下げた。80円をわずかに割り込んだがその後の反騰で24日午前高値を超えてきているため、24日夜安値を直近の底として新たな上昇期に入ったと思われる。高値形成期は29日午前から10月1日午前にかけての間と想定されるのでまだ一段高余地ありとみるが、80.40円を割り込んでから続落に入る場合は弱気転換注意として80円前後試しへ向かうとみる。
60分足の一目均衡表では9月24日夜の反落で遅行スパンがいったん悪化したがその後の反騰で好転している。また先行スパンの上限が下値支持線として機能して上抜いた状況を維持している。このため先行スパンを上回るうちは上昇余地ありとして遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパンへ潜り込むところからは弱気転換注意として遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は28日早朝高値時に70ポイント台へ到達してからやや下げたものの50ポイント台までの下げから切り返しているのでまだ上昇余地ありとみる。相場が高値を更新してゆく際に指数のピークが切り下がる弱気逆行が見られる場合は弱気転換注意とし、50ポイント割れからはいったん下げに入るとみる。
9月28日の売買戦略
当面は9月22日午前安値からのV字反騰継続とし、0.50円規模の反落は押し目買いされやすい状況とみる。
81円到達からは81円台中盤(81.30円から81.70円)を目指すとみる。81.50円以上はいったん売られやすいと注意するが、890.50円以上での推移なら明日も高値試しを継続しやすいとみる。80.40円割れからは80円台序盤(80.25円から80.00円)を試すとみるがそこは買い拾われやすいところと考える。
9月28日の注目指標
- ECBフォーラム(9/29まで、オンライン、ラガルドECB総裁、デギンドスECB総副裁等参加)
- 米国
- 22:00 7月 米連邦住宅金融局住宅価格指数 前月比 (6月 1.6%、予想 1.5%)
- 22:00 7月 ケース・シラー米住宅価格指数 前年同月比 (6月 19.1%、予想 20.0%)
- 23:00 9月 コンファレンス・ボード消費者信頼感指数 (8月 113.8、予想 114.5)
- 23:00 パウエルFRB議長、イエレン財務長官、上院銀行委員会出席
- 26:40 ブラード・セントルイス連銀総裁、講演
- 27:30 イエレン米財務長官、講演
- 28:00 ボスティック・アトランタ連銀総裁、講演