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おはようございます。大塚亮です。
2021年12月20日の相場分析です。
目次
概況
豪ドル円の12月17日終値は80.998円、前日比0.676円安と続落した。取引レンジは81.744円から80.939円。
12月16日早朝の米連銀FOMC通過後にドル安となった流れで豪ドル米ドルが上昇したために豪ドル円は12月16日夜に82.433円まで高値を切り上げた。しかしその後は急伸していたポンドやユーロが反落してドル安一巡となり豪ドル米ドルも失速、16日夜にはドル円も急落したことで豪ドル円は82円を割り込んだ。
12月17日はNYダウが一時600ドルを超える下落となり、欧米の感染拡大等でリスク回避感が再燃してドル高のぶり返しも継続したため、豪ドル円は深夜のドル円の反発に支えられたものの豪ドル米ドルの下落に圧されて81円を割り込むところまで続落した。12月20日午前序盤にはさらに安値を更新している。
FOMC後のドル安一巡でドル高再燃、NYダウとNY原油が大幅下落
12月16日早朝の米FOMC声明発表直後に為替市場はいったんドル全面高へ振れたものの早々に景気回復継続としてドル全面安へと流れが変わり、16日夜には英中銀が予想外に利上げを決定、ECBもパンデミック緊急対策で上積みした量的緩和拡大分の早期終了を決定、ノルウェー中銀とメキシコ中銀が利上げしたことでポンド、ユーロと共に豪ドルも反騰してきた。しかし12月17日は流れが変わり、NYダウが前日比532.20ドル安(1.48%安)、NY原油も前日比2.08ドル安(2.87%安)と大幅下落となり、為替市場でもユーロやポンドが急落、豪ドルもつれて失速した。
欧州の感染拡大が一段と深刻化したこと、米国でも感染者が急増していること、中国恒大集団に対してフィッチ・レーティングスに続いてS&Pもデフォルト認定したこと、米連銀が早ければ来年3月のテーパリング終了と共に利上げへ踏み切る可能性が出てきたことなどが市場心理を再びリスク回避へと急旋回させた印象だ。
豪ドル円はFOMC直後の安値80.979円に対して17日深夜安値で80.939円を付けて若干割り込んでおり、FOMC後の上昇分を解消する「往って来い」となったが、20日午前序盤へ続落して12月14日安値80.482円を試す動きとなりつつある。
注目情勢 オーストラリアの感染爆発
オーストラリアの新型コロナウイルス新規感染者数は12月17日に3798人、18日に4030人、19日も3819人となった。11月15日に1015人まで減少していたところから徐々に増加し始めていたが、12月14日に2000人を超えたところから爆発的な急増となっている。10月14日の第三波ピーク時が2688人でありすでにその時を大幅に超えている。12月14日から18日までの4日間で倍増であり、パンデミック発生以降でこれほどの爆発的な増加は経験がない。
オーストラリアのシドニーでは12月18日に大規模なイベントとして2年ぶりとなる日本フェスティバルが開催されて数千人が集まった。モリソン豪首相はワクチン普及によりもはや感染者数は問題ではなくICU占有率が問題だとして規制緩和継続を表明している。感染爆発状態でもウィズ・コロナ政策を継続するのだろうが、果たして感染爆発に耐えられるのか懸念される。企業でのクリスマスパーティーが中止されて学校もリモート授業へ切り替え始め、市民もマスク着用者が増えて自衛を始めているようだ。
短期テクニカル分析
豪ドル円の60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。
12月14日昼安値を起点として上昇期に入ってきたとして高値形成期を15日夜から17日夜にかけての間と想定していたが、16日夜高値から1円を超える規模の反落となったため、17日午前時点では16日夜高値を起点として下落期に入ったところとし、安値形成期を17日午前から21日昼にかけての間と想定してまだ一段安余地ありとした。
12月20日午前も安値を切り下げているのでまだ一段安余地ありとみる。強気転換には81.50円を超えるか安値から0.50円以上の反騰が必要と思われる。
60分足の一目均衡表では12月16日夜高値からの反落で遅行スパンが悪化し、17日夜には先行スパンからも転落した。このため遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。遅行スパン好転からはいったん戻しに入るとみるが先行スパンを上抜き返せないうちは遅行スパンがその後に悪化するところから下げ再開とみる。
60分足の相対力指数は12月16日夜の70ポイント台後半から17日夜に30ポイント台へ低下し、20日午前には30ポイントを割り込んでいる。50ポイント以下での推移が続くうちは一段安余地ありとし、強気転換は50ポイント超えからとする。
12月20日の売買戦略
12月9日から12月14日昼への下落時を上回る下げ幅と角度で下落しているため、12月4日早朝安値からの二段戻しが一巡しての下落期入りとみて、当面は戻り売り有利の状況と考える。
81.20円から81.40円手前は戻り売りにつかまりやすいとみる。81円以下での推移中は12月14日昼安値80.482円試しとし、下げ足が速まる場合は80円台序盤(80.30円から80.00円)を目指す流れとみる。
12月20日の主な予定
- ユーロ圏
ー18:00 10月 経常収支・季調済 (9月 187億ユーロ)
ー18:00 10月 経常収支・季調前 (9月 269億ユーロ)
- 米国
ー24:00 11月 景気先行指数 前月比 (10月 0.9%、予想 0.9%)
今週の主な豪州関連予定
- 12/21(火)
ー09:30 豪中銀、金融政策会合議事要旨公表
- 12/22(水)
ー08:30 11月 ウエストパック景気先行指数 前月比 (10月 0.16%)
- 12/23(木)
ー米国、債券市場は短縮取引
ー豪州関連は特に無し
- 12/24(金)
ー休場、独、スイス、英仏は短縮取引、米国の株式・債券市場は休場
ー豪州関連は特になし