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おはようございます。大塚亮です。
2021年8月26日の相場分析です。
ポンド円の8月25日終値は151.375円、前日比0.782円高と大幅続伸した。取引レンジは151.454円から150.443円。
先週は8月6日の米7月雇用統計が予想を上回る改善を示したことをきっかけとしたドル高となり8月19日の米FOMC議事録公開を挟んで8月20日夜まではドル高ポンド安が続いてポンド円も20日夕安値149.182円まで下落したが、20日夜からはドル高が収まり週明けの23日からはドル全面安へと流れが変わり、ポンドドルの上昇を背景にポンド円も23日に150円台を回復、24日夕高値151.012円からいったん下げたものの150円台を維持して確りし、25日夜には151円超えからさらに続伸となった。
目次
注目ポイント 欧米長期債利回りそろって上昇でドル安
ポンドドルは8月20日に1.36023ドルまで下げたところから切り返しに入ってきたが、24日夕高値で1.37469ドルを付けてから上昇一服に入ったものの25日夜には24日夕高値を超える一段高で1.3750ドル台へ乗せてきている。
8月25日は米2年債利回りが0.25%へ上昇して8月11日の0.24%を超えて8月4日の0.16%以降の高値を更新、米10年債利回りも前日比1.35%台へ上昇して18日以降の高値を更新したが、英10年債利回りも24日の0.54%から25日は0.60%まで大幅上昇している。
米長期債利回り上昇ならドル高に反応しやすいところだが、英10年債利回りの他にも独10年債利回り、豪10年債利回り等が総じて上昇しているために長期債利回り格差においてはかえってドル安の反応となっている。
欧米長期債利回りがそろって上昇したのは、8月27日夜のパウエル米連銀議長によるジャクソンホール会合における講演で米連銀の量的金融緩和縮小開始への具体的な姿勢が示されるのではないかとの見方が強まっていることと共に、NYダウが4連騰してナスダック総合指数が史上最高値を更新する中で株買い債券売りの裁定が働いたことで債券安・利回り上昇を招いたといえる。英FT100株価指数も8月11日に史上最高値を付けた後は高値更新には至っていないものの8ガス20日から25日までは4連騰となっている。
欧米株式市場はデルタ株による感染爆発への不安を抱えつつもワクチン普及による景気回復続行期待が勝っており、米連銀による量的緩和縮小開始でもしばらくは緩和的な状態が続くとみて量的緩和縮小開始を織り込みつつも騰勢を維持、欧州主要株価指数もそれに追従する動きとなっている。
短期テクニカル分析
60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちとピークアウトを繰り返すリズムがあるが、ポンド円は8月20日夕安値を目先の底として上昇期に入ってきた。8月24日夕高値からいったん上げ渋りに入ったものの、25日夕刻にかけては150円台を維持して三角持ち合いの様相となりそこから深夜に上放れとなっているので、三角持ち合い終点の25日夕安値を起点として新たな上昇期に入った可能性が考えられる。このため当面は25日夕安値を割り込まないうちは上昇余地ありとし、24日夕高値を基準として27日夕から31日夕にかけての間へ高値試しを続けやすい状況と考える。弱気転換は25日夕安値割れからとし、その場合は30日夕から9月1日にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では8月23日夜の上昇で先行スパンを上抜いたが、24日夜の反落時も先行スパンからの転落を回避して25日夜から一段高に入っているので、遅行スパンが実線を上回る好転中は押し目買い有利の展開と考える。弱気転換は先行スパン転落からとし、その際はいったん下げに入るとみて遅行スパンが実線を下回る悪化中は戻り売り有利の展開と考える。
60分足の相対力指数では70ポイント台に到達しているので高値警戒圏にあるが、指数がピークを切り上げられなくても50ポイント以上での推移なら相場が一段高する可能性ありとみる。弱気転換は50ポイント割れからとする。
8月26日の売買戦略
目先は高値試しを続けやすいとみるが、今晩は米GDP、明日はパウエル米連銀議長講演と米個人消費支出の発表があり情勢変化しやすい直前情勢として臨機応変な対応が望まれる。
151円から150.65円にかけては押し目買いゾーンとし、高値切り上げが続く場合は152円試しとみるが、152円以上は利食い優先の水準とみる。150.60円割れからはいったん下げに入るとみて150円台序盤(150.30円から150.00円)を試すとみるが、そこは押し目買いされやすいところと考える。
8月26日の注目経済指標
- ドイツ
- 15:00 9月 GFK消費者信頼感 (8月 -0.3、予想 -0.7)
- ユーロ圏
- 17:00 7月 マネーサプライM3 前年同月比 (6月 8.3%、予想 7.7%)
- 20:30 欧州中銀(ECB)理事会議事要旨
- 米国
- 21:30 4-6月期 GDP改定値 前期比年率 (速報 6.5%、予想 6.7%)
- 21:30 4-6月期 GDP個人消費改定値 前期比年率 (速報 12.2%)
- 21:30 4-6月期 コアPCE改定値 前期比年率 (速報 6.1%、予想 6.1%)
- 21:30 新規失業保険申請件数 (前週 34.8万件、予想 35.0万件)
- 21:30 失業保険継続受給者数 (前週 282.0万人、予想 279.0万人)
- 26:00 財務省7年債入札