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一目均衡表は、トレード分析に非常に有用なインジケーターです。
しかし、実際チャート上に表示するとなると、次のような疑問を感じるのではないでしょうか。
- 一目均衡表はどのような設定で表示するべき?
- 一目均衡表を用いたトレード手法を具体的に知りたい!
- 一目均衡表を使えば初心者でも稼げる?
そこで本記事では、上記の疑問にくわえて一目均衡表の基本から実践的な使い方まで、分かりやすく解説していきます。
一目均衡表のコツを覚えればエントリーの精度が大きく向上しますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
目次
トレンド時にて最強|一目均衡表とは?
一目均衡表は、皆さんおなじみのZigZagや移動平均線と同様、トレンド系のテクニカル指標です。
「一目均衡表」と表記されると、漢字でとっつきにくく、「なんだか難しそうだな」と感じてしまうかもしれません。
ただ一目均衡表という名前は、「これを使えば相場が一目瞭然!ひと目見て相場がわかる!」という経緯から名付けられたことを知れば、多少はとっつきやすくなるのではないでしょうか。
一目均衡表の由来について
一目均衡表は、日本人の一目山人が考案したもので、元々は株式のチャート分析のために作られたものでした。
それがFXにおいても非常に有効な指標として使えるということで、現在のように多くのトレーダーに愛用されることとなりました。
大きな特徴としては、価格の動きよりも時間の概念を重視している点。
「相場は買い方と売り方の均衡が崩れた方向に動く」という考えに基づき作られた点が、他のトレンド系インジケーターと一線を画しています。
「Ichimoku」の名称で世界中に普及
日本人が考案した純国産の一目均衡表は、海外投資家たちにも最強の呼び声高く、「東洋の神秘」として注目され続けています。
今では「ローソク足チャート」とともに日本で開発され、「Ichimoku」の名称で広く普及しています。
おそらく皆さんも、MT4のインジケーターの中に「Ichimoku」という文字を見た覚えがあるでしょう。
インジケーターは「移動平均線」や「フィボナッチ」のように、利用者が多くなるほど効力を強める性質がありますので、同じく世界水準で用いられる「一目均衡表」もまた、抜群の効力を発揮するというわけです。
一目均衡表における「雲」の見方と役割
「先行スパン1」と「先行スパン2」に挟まれている塗りつぶし部分は「雲」と呼ばれ、ここを境目として買いと売りの応酬がぶつかり合う、注目すべき局地点です。
「雲」の主な役割は、サポートやレジスタンスであり、雲が厚くなっている部分は強い抵抗帯となるため、トレンド転換が起こりにくくなります。
一方で雲が薄くなっている部分はローソク足も抜けやすく、トレンド転換しやすい傾向にあります。
上昇トレンドかつローソク足の下の雲が厚い → 雲に支えられ反発しやすく、買いポジションの仕込みどき
下落トレンドかつローソク足の上の雲が厚い → 雲が上抜けの障害となり、売りポジションの仕込みどき
上のチャートのように、ローソク足の上に厚い雲が存在する状況では上抜けしにくい、つまりショートが狙いやすい局面です。
一目均衡表を参考にエントリーするのであれば、「雲のある・なしだけでなく、その厚みによって影響する力が変わる」ということを覚えておきましょう。
一目均衡表の最強おすすめ設定とは?
一目均衡表のおすすめ設定は、以下のとおりです。
- 転換線(Conversion Line Length):9
- 基準線(Base Line Length):26
- 先行スパン(Leading Span B Length):52
- 遅行線:26
TradingViewでは各名称が異なりますので、カッコ内の英語表記と照らし合わせてご参照ください。
上記の設定は、多くのチャートツールにおけるデフォルト設定です。
上でも少し触れましたが、一目均衡表は「時間」に重点を置いたインジケーターであり、デフォルト設定値は各線の時間論に最もマッチする設定とされています。
そのため、汎用性高く一目均衡表を用いるのであればデフォルト設定を崩さない方がよいでしょう。
短期トレード向きの一目均衡表おすすめ最強設定
スキャルピングやデイトレードをメインに取引される方は、以下の設定もおすすめです。
- 転換線:7
- 基準線:22
- 先行スパン:44
- 遅行線(遅行スパン):22
上述した通り、一目均衡表はもともと株式投資に向けて開発されたインジケーターであり、開発当時は土曜日も取引が可能でした。
一方現在では、取引が平日に限られており、土曜日を考慮しないために上記の設定が考案されました。
転換線がデフォルト設定値よりも小さくなっており、よりチャートの変化を敏感に捉えられるのが特徴です。
一目均衡表を構成する5本の線
一目均衡表は「転換線」「基準線」「先行スパン1」「先行スパン2」「遅行スパン」、これら5つの線から構成されています。
それぞれの線の詳細について暗記する必要はありませんが、役割の大きい基準線のみは覚えておきましょう。
「基準線が向いている方向=トレンドの方向」であるため、順張りエントリーを狙う際の指標となるからです。
以下より、それぞれの線の持つ意味について、デフォルト設定値を例に解説していきます。
基準線
基準線は、過去26日間の高値と安値の平均価格を示すラインです。
通常26期間の最高値と最安値の平均値で計算され、中期的なトレンドを示します。
転換線
転換線は、過去9日間の高値と安値の平均価格を示すラインです。
通常9期間の最高値と最安値の平均値で計算され、短期的なトレンドを示します。
遅行スパン
遅行スパンは、当日の終値を26日後ろにずらしたものです。
過去の価格動向と比較して、現在のトレンドを把握するために用いられます。
先行スパン1
転換線と基準線の平均値を26期間先にプロットしたラインです。
これにより、未来のトレンドが示唆されます。
先行スパン2:
過去52期間の最高値と最安値の平均値を26期間先にプロットしたライン。
先行スパン1と同じく、未来のトレンドを示唆するもので、より長期的な目線で描きます。
一目均衡表を用いた最強トレード手法
基準線と転換線のクロス
一目均衡表を用いた最もメジャーなエントリー・決済の見極め方は、基準線と転換線のクロスに注目する方法です。
好転(ロング):転換線が基準線を下から上に抜ける
逆転(ショート):転換線が基準線を上から下に抜ける
基準線、転換線の好転・逆転は、移動平均線のゴールデンクロスやデッドクロスと似ているため、すんなりと覚えられるのではないでしょうか。
遅行スパンとローソク足の位置関係
遅行スパンとローソク足の位置関係から、上昇・下落サインを読み取ることができます。
上昇サイン:遅行スパンがローソク足を下から上に抜けた時
下落サイン:遅行スパンがローソク足を上から下に抜けた時
頻度こそ少ないですが、上昇・下落の分かりやすいサインが読み取れるため、日に一度は遅行スパンとローソク足の位置関係をチェックしておきましょう。
三役好転・三役逆転
「とりあえず一目均衡表を参考にトレードしてみたい!」という方は、「三役好転」「三役逆転」に注目してみましょう。
一目均衡表の中で、一番強いサインといわれるのが、この「三役逆転」と「三役好転」と考えられるためです。
「三役好転」は強い買いサイン
- 転換線と基準線がゴールデンクロスする
- ローソク足が雲の上へ抜ける
- 遅行スパンがローソク足の上へ抜ける
「三役逆転」は強い売りサイン
- 転換線と基準線がデッドクロスする
- ローソク足が雲の下へ抜ける
- 遅行スパンがローソク足の下へ抜ける
それぞれ上記の3つの条件が満たされると、強いサインの表れと考えられるため、より精度高くエントリーできるようになるでしょう。
一目均衡表の注意点とは?
一目均衡表のポテンシャルをより発揮させるためには、以下の注意点を踏まえなければなりません。
注意点1:日足以上のローソク足で活用
一目均衡表を用いる際は、5分足や1時間足といった短期のローソク足ではなく、日足以上の長期のローソク足で用いることをおすすめします。
というのも、一目均衡表が開発されたのは昭和時代の話であり、当時のローソク足は日足が標準仕様。
つまり一目均衡表は、現代基準の短期ローソク足で用いられることを想定していなかったわけです。
その認識が現代まで残り、短期のローソク足では一目均衡表を使う人が少ない、したがってインジケーターとして本来の機能が発揮できない点が懸念されます。
注意点2:レンジ相場には不向き
一目均衡表は、トレンドが発生している状況下でより効果を発揮します。
上の画像を見て分かる通りトレンド時においては、各線が同じ方向で揃うため、トレードの判断も容易となるでしょう。
一方レンジ相場の状況下では、各線やローソク足が複雑に重なり、チャートが非常に見づらくなります。
各線の距離が近く、これではトレードの判断や環境認識も務まりません。
無理にトレードを進めるのではなく、トレンドの発生を待つ、あるいはレンジ相場に特化したインジケーターを用いるなど、状況に柔軟に対応していきましょう。
注意点3:習得するのに時間が掛かる
一目均衡表は5つのラインと雲から構成され、他のインジケーターに比べると複雑で、視覚的に理解するのが難しい場合があります。
特に初心者には、何をどう読み取るかが曖昧になることもあるため、まずは基本的な使い方や設定を理解し、少しずつ習熟していくことが重要です。
一目均衡表:まとめ
本記事では「一目で分かる、一目先を読む」という直感と予測のインジケーター、一目均衡表について解説しました。
一目均衡表を使ってトレードをするなら、まずはこの三役好転・三役逆転を探してみてください。
この万能インジケーター・一目均衡表を習得できれば、皆さんのトレードの幅もグッと広がることでしょう!
以上、参考にしていただければ幸いです。
よくある質問
一目均衡表の正しい使い方を教えてください!
一目均衡表の確立者「一目山人」が伝えた使い方は日足でのトレードになります。ですので、日足をベースとして一目均衡表を取り入れると、本当の使い方ができ、より安定した成果が狙っていけるでしょう。
一目均衡表の最強の設定はどうすればいいですか?
当サイトが推奨している最強の設定は2つございます。デフォルト設定も多くのトレーダーが注目しているので、しっかり使えますし、デイトレ特化型の方法も公開しています。こちらに設定内容をまとめていますので、ぜひご参照ください。
一目均衡表を使う上で勝率を上げるにはどうしたらいいですか?
勝率を上げるには、他のテクニカル分析と組み合わせるのがオススメです。一目均衡表に限らず、一つの指標だけに頼りすぎると、だましに遭いやすくなります。別の角度から分析してくれるインジケーターを取り入れることで、勝率をあげられますので、ご自身でも試してみましょう。