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FXのテクニカル分析には多くの手法がありますが、その中でも最も基本的で、よく使われているのが「移動平均線」です。
チャートソフト上ではMoving Averageと表示されていて、略してMAと呼ばれることが多いですね!
初めて使ったインジケーターが移動平均線、という方も多いかもしれません。
今回はその「移動平均線」の基本から、実際の使い方まで解説してみたいと思います。
すぐにトレードで使えるテクニックなので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
目次
移動平均線ってなに?
じゃあそもそも移動平均線ってなに?ということで解説していきますね。
移動平均線には、
- 単純移動平均線(SMA)
- 指数移動平均線(EMA)
- 加重移動平均線(WMA)
と、3種類ありますが、今回は基本であり、初心者の方が多く使う単純移動平均線についてお話しします。
移動平均線とは、「一定の期間の終値の平均の値」をつなげて引かれた線のことです。
これだけ言われてもよくわかりませんよね…。
簡単に言うと、自分が決めた期間の平均がわかる線です。
例えば、期間を20に設定すると、現在のローソク足から見た過去20本分のローソク足の終値の平均を表示してくれます。(終値以外も設定できます)
それぞれのローソク足から見た過去20本分の線が表示されていくので、線が繋がっていく、というわけですね。
期間の数値はローソク足の本数になるので、5分足で「期間20」というと、ローソク足20本分、つまり過去100分の平均を表示してくれます。
1時間足なら20時間分ですね。
この期間が長ければ長いほど、長期の平均を見ることができますし、期間が短ければ短いほど、短期の平均を見ることができるんです。
じゃあ移動平均線を表示して何がわかるの?
簡単に言うと、今の値がこれまでの値の平均より高いか低いかを視覚的に判断することができます。
移動平均線がローソク足の上にあるか下にあるかで売り買いの判断をするのが基本的な使い方です。
移動平均線は一定期間の平均値なので、そのラインよりも今のローソク足が上にあるということはこれまでの平均より買いの勢いが強いということになりますね。
逆にラインよりも今のローソク足が下にあるということは平均より売りの勢いが強いということですね!
つまり、ローソク足が移動平均線より上にあるか下にあるかを見ることで、買いと売りどちらが優勢か、ということがわかるんです。
ローソク足が移動平均線を行ったり来たりしている時は、拮抗中、ということもわかります。
パッと見て、売り買いどっちが優勢なんだろう?ということがわかるのはとても便利ですよね!
これだけでもある程度トレードに活かすことはできますが…それだけじゃどこでエントリーを狙えばいいかわかりませんね。
そこで!
次はエントリーポイントが見えてくる、移動平均線を使った有名な分析方法を2つご紹介します!
これから説明する分析方法を覚えておくと、いろんな応用ができたり、他の分析と組み合わせたりもできるので、ぜひ覚えてみてくださいね!
4つの売買パターンを見抜く!グランビルの法則
ひとつ目の判断方法は、「グランビルの法則」です。
グランビルの法則は、アメリカの投資関係のジャーナリストであった、ジョセフ=グランビル氏によって、1960年に提唱された法則です。
1960年…50年前ですね…
「50年以上も前の法則が通じるの?」と思ってしまう方も多いかもしれませんが…
移動平均線を使ったチャート分析の基本として、50年経った今でも世界中のトレーダーが学んでいる分析方法なんです!
50年たった今でも使われているということは、それだけ優位性が高いということですね!
この手法は第一線で活躍しているトレーダーで知らない人は居ないと言っても過言ではないほど、超有名な法則なんです。
知らなかった…というあなた!
大丈夫です。これからこの「グランビルの法則」について解説していくので、ぜひとも学んでみてくださいね!
もちろん知ってたよ!と思った方は改めて復習として、読んでみてください。
復習はとても大切ですからね!
さて、グランビルの法則には、「買い」と「売り」でそれぞれ4つのパターンがあります。
「売り」は「買い」の逆なので、今回は「買い」の4パターンを紹介しますね。
それでは、50年もの歴史がある、「グランビルの法則」 買いの4パターンを紹介していきますね!
グランビルの法則買いの4パターン
買いの法則1
下落から上昇に変わりつつある移動平均線を、ローソク足が下から上に突き抜けたら買い判断。
移動平均線の向きが下落から上昇に変わるのは、レートが底を打って上がり始めた、ということです。
そしてローソク足が移動平均線より上になると、買いエントリーが有利ということですよね。
つまり、このタイミングは、買いエントリーを行うのに適していると考えられます。
買いの法則2
続いて、2つ目の法則です。
移動平均線が上昇中に、ローソク足が1回移動平均線の下まで下落した後、また移動平均線を上に突き抜けてたら買い判断。
ローソク足が1回下がって跳ね返されたということは、買いの勢いがまだ強くて、押し目をつけた後ということになりますよね。
つまり、下がろうとしたけど、買いの勢いがまだ強くて戻されたという動きです。
さらに、ローソク足が移動平均線の上にあるので、買いエントリーが有効!ということです。
ローソク足が移動平均線の上にあったら買い優勢!これが基本ですね。
買いの法則3
3つ目です。
移動平均線が上昇中に、ローソク足が移動平均線の近くまで下落した後、反発したら買い判断。
法則2は一度移動平均線を突き抜けましたが、これは突き抜けずに支えられるパターンです。
これも法則2と同じように、押し目を付けて反発した形なので、買い判断を行うことができます。
移動平均線をトレンドラインの代わりに見るような感覚ですね!
これはわかりやすいです!
このポイントは、買い増し判断にも使われるポイントでもあります。
買いの法則4
最後の法則4は、移動平均線が下落中の時に、ローソク足が移動平均線から大幅に下に離れてから反発し始めたら買い判断というものです。
法則1~3は順張りのエントリーでしたが、法則4は下落トレンド中にエントリーを狙う、逆張りのエントリーになります。
相場は移動平均線から離れすぎると、戻ってくる動きをしやすいという特性を利用した法則です。
この反発を狙うということですね。
つまり、下がりすぎた相場が戻ってくるタイミングを狙う!ということです。
下落中に狙うのでこれはちょっと難易度高いですね…
上手く行けば短期間で大きな利益を狙うことができますが…その反面、反発しそう!と思ったら、反発が一時的に終わって、また大幅に下落して損失がでてしまう…
なんて恐れもあるので、注意が必要です。
しっかりとその時の相場の動きや、離れ具合(乖離率)も判断しないといけません。
そして、この法則4は、逆に売りポジションの決済判断にも使うことができます。
買いの法則4を売りの決済判断に使う
買いの法則4は、売りエントリー中に下がり過ぎによる反発を警戒して、売りポジションを決済するタイミングを図るときにも有効です。
あまりにも下がり過ぎると反発して上昇してくる可能性があるので、戻してしまう前に手仕舞いしてしまう、ということですね。
実際の相場にグランビルの法則を当てはめてみる
さて、グランビルの法則、買いと売り、それぞれ4つの法則がなんとなくどういったものかわかりましたか?
一気に覚えてくださいと言っても難しいですよね…そんな時は相場に移動平均線を表示してみて、
お、ここは買いの法則2だな!
と、過去の相場でグランビルの法則に当てはめてみてください。
何事も実践あるのみです!頭で覚えるより体で覚えたほうがとっさの判断もしやすくなります。
さて、それでは練習として買いと売り、それぞれ4つの法則をチャートに当てはめてみましょう。
まずはこのチャートをご覧ください。
それでは、このチャートでグランビルの法則、買いと売りそれぞれ4パターンはどこに当てはまるか考えてみましょう。
・
・・
・・・
わかりましたか?
グランビルの法則を当てはめてみると、以下のチャートのようになると思います。
グランビルの法則を覚えるだけで、こんなにもエントリーチャンスが見えてきます。
その後しっかりと下落、または上昇していることもわかりますね。
グランビルの法則でどれくらい利益が出るか検証してみた
過去チャートで実際にグランビルの法則を使ってエントリーしたらどれくらいの利益を狙うことがあるのか、検証してみました!
以下の2016年8月24日16時頃のポンド円5分足チャートで検証してみました!
いかがでしょうか?
グランビルの法則だけを使ってトレードを行って、約8時間でなんと78pips(1ロットでエントリーした場合約78,000円)もの利益を獲得することができました!
少しリスクが高くなってしまいますが、買い増しも狙うことができましたね。
すごいですね…さすが50年もの歴史を持つグランビルの法則です…!
もちろん、法則に当てはまったからといって、必ずしも法則通りに相場が動くとは限らないので、必ず勝てるというわけではありませんが…
一つの判断基準として有効な分析方法ということがおわかりいただけましたでしょうか?
相場に絶対はないですからね。
過去チャートを見てみて、法則を当てはめてみて、当てはまったポイントがどんなときに有効なのかを分析してみるのも、一つの学習方法です。
このグランビルの法則は移動平均線の基礎的な部分がたくさん入っているので、この法則を覚えているかと、そうでないかで、相場分析には雲泥の差が出てきます。
ぜひとも相場分析方法の一つとして、このグランビルの法則を覚えてみてくださいね!
2本の移動平均線のクロス!ゴールデンクロスとデッドクロス
さて、次はゴールデンクロスとデッドクロスです!
なんだかかっこいい名前ですね(笑)
これは移動平均線だけではなく、他のインジケーターでも使われるシグナルなので、もしかしたら聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
短期の移動平均線と長期の移動平均線を表示させて、その2本の線がクロスすることを、ゴールデンクロス、デッドクロスと呼びます。
じゃあどういうクロスがゴールデンクロス、デッドクロスなの?ということで説明していきます。
これが起きたら買いシグナル!ゴールデンクロス
まずはゴールデンクロスから説明していきます。
ゴールデンクロスとは、短期の移動平均線が、長期の移動平均線を下から上に突き上げたことを指します。
これが起きたら買い判断とすることができます。
こういうポイントですね。
ゴールデンクロスが起きた後しっかりと上昇していることがわかりますね!
短期の平均が長期の平均を超えたということは、直近の期間で買ってる人が多いということになりますよね。
その上、”ゴールデンクロスが起きたら買い”ということはあまりにも有名なので、ゴールデンクロスが起きたら買いエントリーをする人が多いと予想されるので、上昇が続いていくというわけです。
さらに、移動平均線はローソク足の後を追って動くので、短期移動平均線が長期移動平均線を上に抜いた時点では、すでにローソク足は上昇トレンドになっていることが多いと考えられます。
なので、ゴールデンクロスは買いエントリーに適しているということですね!
デッドクロスはゴールデンクロスの逆
短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に突き抜けたのがゴールデンクロスなら、デッドクロスはその逆で、短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に突き抜けたことを言います。
これが起きたら…
もうおわかりかとは思いますが…
そうです、売りシグナルですね!(これも見事に下落しています!)
デッドクロスが起きれば売り優勢ということは、買いポジションの決済ポイントでもあります。
つまり、
- ゴールデンクロスが起きたら買いエントリー。デッドクロスが起きたら買いのポジションを決済
- デッドクロスが起きたら売りエントリー。ゴールデンクロスが起きたら売りのポジションを決済
という使い方ができるということです!
ゴールデンクロスでも検証してみた
それでは、ゴールデンクロスでもどれくらいの利益を狙うことができるか検証してみました。
以下のチャートは2016年3月23日の0時頃のドル円5分足相場です。
ゴールデンクロスでも利益を取ることができました!
約3時間のトレードで46pipsの利益を獲得です!
もちろんゴールデンクロスも発生すれば必ず利益を狙うことができるわけではないので、油断は禁物です。
グランビルの法則もゴールデンクロスも100%ではない
残念ながら、相場に100%はありません…。
時にはゴールデンクロスしたのに相場が急落した!ということもあります。
じゃあ使えないじゃん!となってしまいそうですが
今回紹介したグランビルの法則や、ゴールデンクロス・デッドクロスも、多くのトレーダーが参考にしている手法の一つです。
つまり、多くのトレーダーがエントリー、決済するポイントなんです。
相場はトレーダーのあらゆる思考や行動を表した結果です。
買いエントリーを行ったトレーダーが多ければ、相場は上昇します。
なので、今回紹介したポイントも、多くのトレーダーが意識するポイントの一つでもあるんです!
言ってしまえば、相場の中での多数派になれば、勝率は上がるということです。
順張りとはこういうことですね。
移動平均線:まとめ
いかがでしたでしょうか?
最後にポイントをまとめましたので、確認してみてください!
- 移動平均線は一定の期間の平均を表したもの
- 期間が短ければ短いほど短期の動き、長ければ長いほど長期の動きを見ることができる
- ローソク足が移動平均線より上にある時は買い優勢、ローソク足が移動平均線より下にある時は売り優勢
- ローソク足と移動平均線の動きのパターンを覚える
- 複数の移動平均線を使うことも出いる
- 2本の移動平均線の交差、ゴールデンクロス・デッドクロス
- 短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に抜けるのがゴールデンクロス(買いエントリーチャンス)
- 短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に抜けるのがデッドクロス(売りエントリーチャンス)
今回紹介したグランビルの法則や、ゴールデンクロス・デッドクロス以外にも、移動平均線を使った分析方法は多数存在しています。
移動平均線の数値を変更したり、移動平均線の角度を考慮したり、ローソク足がどれくらい離れているかを考慮したり、直近の相場状況を考慮したり…と、この2つの手法だけでも、応用要素は多く存在しています。
他の手法に移動平均線を組み合わせて使うこともできます。
応用するにしても、組み合わせるにしても、まずは基本がわかっていないと使いこなすことはできないので、一つ一つ基本を理解するところからはじめましょう!
これからもインジケーターの基礎から、すぐに使える実践テクニック、インジケーターの応用方法や組み合わせ方などなど、たくさんのテクニックを紹介していくので、ぜひ楽しみにしていてくださいね!