ポンド円 7月20日安値割れ回避から151円に到達した後は勢い鈍る

ポンド円 7月20日安値割れ回避から151円に到達した後は勢い鈍る

ポンド円の8月24日終値は150.593円、前日比0.060円高と小幅続伸した。取引レンジは151.012円から150.056円。

先週は8月19日の米FOMC議事録公開を挟んでドル全面高の様相だったが、20日夜からはドル高も一服となり週明けの23日からは先週のドル高に対する揺れ返しの動きでドル全面安の様相となったため、ポンド円はポンドドルの反騰を背景として8月20日夕安値149.182円から反騰入りとなり、23日は前日比0.942円高の日足大陽線で上昇、24日夕刻には151.012円を付けて151円台に到達した。151円到達で利益確定売りも出たことで24日夜には150.056円までいったん下げたが150円割れを回避して持ち直しており、25日午前は150.70円台へ戻して151円台を再び伺うところに来ている。

注目ポイント、週末のジャクソンホール講演を意識する時間帯

ポンドドルは8月20日夜安値で1.36023ドルまで下落したところから持ち直しに入り24日夕刻には1.37469ドルまで上昇して19日未明のFOMC議事録公開後の下落幅を概ね解消したが、24日夜の上昇時には新たな高値更新へ進めずに1.3750ドル手前に抵抗感が出ている。

8月6日の米7月雇用統計が予想を大幅に超える改善だったことで米連銀のテーパリング(量的金融緩和政策の縮小開始)が早まるとみられてドル全面高となり、ポンドドルも7月30日の戻り高値1.39825ドルからの下落継続となって8月20日夜安値1.36023ドルで7月20日安値1.35721ドルに迫った。底割れはひとまず回避して戻しているところだが、米連銀によるテーパリング開始を意識したドル高環境が大幅に改善されたわけではない。

8月27日夜にはカンザスシティー連銀主催のジャクソンホール・シンポジウムでパウエル米連銀議長の講演が予定されており、そこでテーパリングの条件、時期、規模等についてのガイダンスが示されるのではないかと予想されている。米連銀が9月のFOMCでテーパリング着手を決定して10月ないしは11月にも開始するのか、早まったテーパリングを避けて着手は越年の可能性があるのかにより、ドル全面高へ向かうのかドル全面安へ進むのか、決まってくるのだろうと思われる。

ポンド円の三尊型、ポンドドルのダブル天井型

ポンド円もポンドドルも7月20日安値割れをひとまず回避して戻している。

ポンド円は5月27日高値を中心として4月6日高値と7月29日高値を両肩とした三尊天井となる可能性と、150円割れを買い戻されつつ高値圏を維持して中勢規模の持ち合いにとどまって上昇再開へ向かうのか試されるところにある。

ポンドドルは6月1日高値で1.42493ドルを付けて2月24日高値1.42351ドルをわずかに超えたがその後の下落で両高値の中間にある4月12日安値1.36688ドルを7月20日安値1.35721ドルでいったん割り込んでいる。このため2月24日と6月1日の両高値でダブル天井を形成している可能性が高まったのだが、7月20日安値からの反発と、8月20日への下落でも安値更新を回避したことにより、1.350ドル台中盤を下値支持帯とした高値圏持ち合いにとどまる可能性も残している。

ポンドドルが7月30日高値からの下げ幅に対する半値戻し1.380ドルを超えるところまで戻せば高値圏持ち合いとして7月30日高値超えを目指す可能性が高まり、ポンド円も三尊天井形成を回避して上昇再開へと向かう可能性が高くなると思われるが、半値戻しに至らずに失速して7月20日安値を割り込めば、ポンドドルとしてはダブル天井、ポンド円としては三尊天井を完成させての下落期入りとなり下落期間も下げ幅も大きくなることが懸念される。いずれへ進むのか、週末のジャクソンホール講演が決め手になるのではないかと思われる。

短期テクニカル分析

60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちとピークアウトを繰り返すリズムがあるが、ポンド円は8月20日夕安値を目先の底として戻りを試しているところだ。24日夕高値で151円を付けてから24日夜に反落したものの150円割れを回避しているので25日午後から26日未明にかけての間への上昇余地ありとみるが、150円割れからはいったん下落期に入るとみて25日夜から27日夜にかけての間へ安値試しへ進みやすくなるとみる。

60分足の一目均衡表では8月23日夜の上昇で先行スパンを上抜いたが、24日夜の反落時も先行スパンからの転落を回避しているのでまだ上昇余地ありとみるが、先行スパンから転落するところは下げ再開に入るとみて安値試しへ向かうとみる。

60分足の相対力指数では23日夜から24日夕への高値更新に際して指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられるので24日夕高値で目先のピークを付けて下落期入りしやすいとみて、50ポイント以上での推移中は上昇余地ありとするが、40ポイントを割り込む場合は下落期入りとみる。

8月25日の売買戦略

目先は150円台序盤では押し目買いされやすいとみて、151円超えからは151.30円、8月19日未明高値151.409円を試す流れと考えるが、19日未明高値前後は戻り売りにつかまりやすいと注意する。150円を割り込むところからはいったん下げに入るとみて149.50円、次いで20日夕安値149.182円試しへ向かうとみるが、底割れへ向かうのは時期尚早とみる。

8月25日の注目経済指標

  • ドイツ
  • 17:00 8月 IFO企業景況感指数 (7月 100.8、予想 100.4)
  • 米国
  • 21:30 7月 耐久財受注 前月比 (6月 0.8%、予想 -0.3%)
  • 21:30 7月 耐久財受注・輸送用機器除く 前月比 (6月 0.3%、予想 0.5%)
  • 23:30 EIA週間石油在庫統計
  • 26:00 財務省5年債、2年物変動利付債入札