ポンド円 8月20日以降の高値を更新するも10日夜は反落、日足は上ヒゲ目立つ陽線

ポンド円 為替相場予想

おはようございます。大塚亮です。

2021年9月13日の相場分析です。

概況

ポンド円の9月10日終値は151.972円、前日比0.116円高と小幅上昇した。取引レンジは152.640円から151.757円。

9月3日夜の米雇用統計直後の上昇で9月4日早朝には152.293円の高値を付けて8月20日安値149.182円以降の高値を更新したが、米雇用統計通過後はドル高再燃となりポンドドルが下落したもののドル円が反騰したことに支えられてポンド円はややジリ安基調の推移に入った。

9月7日夜安値151.495円、8日夕安値151.464円、9日夕安値151.419円と151.50円を割り込んだ水準では買い戻されて底固さを見せていたが、ポンドドルが9月8日夜安値1.37266ドルまで下げたところから反騰入りし、10日夜高値で1.38877ドルへ続伸して9月4日早朝高値1.38904ドルにあと一歩へ迫り、ドル円が10日未明安値で109.617円まで下げた後はやや戻したために、ポンド円はポンドドルの急伸とドル円の反発の相乗効果で10日夕高値152.640円まで上昇して4日未明高値を上抜いた。しかし152円台中盤では高値警戒感も出て、10日夜にはポンドドルが反落したことで戻り売り優勢となり11日早朝の取引終了時点では152円を割り込んだ。

注目ポイント 英10年債利回り上昇によるポンドの反騰

9月3日夜の米雇用統計発表直後までの為替市場はドル全面安で、米雇用統計通過後はドル全面高へと流れが変わった。しかし9月9日にかけては米長期債利回りが低下したことでドル高が一服、ユーロ等が下げ渋りからやや戻した。

ドル高一服の中でもポンドドルの反発が目立ったのは米10年債利回りが低下した局面で英10年債利回りが上昇基調を継続したことでの10年債利回り格差が反映したものと思われる。

欧州での国債増発が独10年債利回りの上昇を招いているが、英国も国債増発の影響で10年債利回りは8月31日に0.54%台だったところから9日には0.77%まで上昇している。必ずしも英国の力強さを示してポンドが買われたというよりも長期債利回り格差のずれを反映したものと思われる。

注目ポイント ECBの緩和継続、英中銀は利上げ準備段階に近づく

欧州中銀(ECB)は9月9日の定例理事会でパンデミック対策として導入した債券買い入れプログラムについて買い入れ規模の縮小を決定した。感染拡大により一時買い入れペースを加速させていたところから再び減速させるものでありラガルドECB総裁は「テーパリングではない」と強調したが、物価上昇と景気回復を見て金融政策の正常化へ向けて動き始めた印象もあるところだ。ただ米連銀がテーパリング開始へ向けて動きだしていることと比較すれば緩い姿勢といえる。

英中銀は8月5日の前回金融政策決定会合で政策金利を過去最低の0.1%に据え置き、量的金融緩和による資産購入枠についても従来からの総額8950億ポンド(国債8750億ポンド、社債200億ポンド)を維持したが、金融緩和解除に向けた「出口戦略」として「政策金利が0.5%に達した段階で償還金を再投資せず保有債の縮小を開始し、政策金利が1%に達した段階で保有債の積極的な売却を検討する」とした。

9月8日には英中銀のベイリー総裁が英下院の財務委員会において「8月の金融政策委員会(MPC)では利上げ検討に向けて最低条件が整ったと考えるメンバーと回復の力強さが十分ではないと考えるメンバーとで半々に分かれた」とし、自身は「利上げを正当化するほど十分に回復していない」と述べた。英中銀のソーンダース委員は9月7日に「英経済の成長が続き高インフレが長引けば来年に利上げが必要になる可能性がある」と述べている。当面して英中銀による量的金融緩和縮小開始は見送られてゆくと思われるが、徐々に緩和終了から正常化へと進み始める環境は整ってきたと英中銀は見ているようだ。

英月次GDPの伸びは低下

9月10日に英国立統計局(ONS)が発表した7月の月次GDPは前月比0.1%増にとどまり6月の1.0%増から低下、市場予想の0.6%増を下回って今年1月以来の小幅な伸びだった。3か月平均では3.6%増で6月の4.8%増から低下、前年同月比では7.5%増で6月の15.2%増から大幅に減速している。ワクチンは普及しているものの感染拡大に対する自主的な行動規制が発生していることが影響していると思われるが、この数字についてスナク英財務相は「回復は進んでいるが弱い成長率で英中銀が利上げ開始を時期尚早と考える可能性がある」と述べている。

7月の鉱工業生産は前月比1.2%増で6月の0.7%減から回復、市場予想の0.4%増を上回った。前年同月比では3.8%増で6月の8.3%増から鈍化、市場予想の3.0%は上回った。

テクニカルポイント 中勢は三角持ち合い

ポンド円は7月20日安値148.458円に対して8月20日安値149.182円で迫ったものの底割れを回避して持ち直してきた。9月10日に152.640円までこの間の高値を切り上げているのでまだ8月20日安値からの上昇基調が継続する可能性が残っているが、7月20日安値からの上昇で付けた7月29日高値153.434円と8月10日高値153.319円による戻りのダブルトップラインには届いていないため、5月27日高値156.061円以降は戻り高値を切り下げつつ、安値が切り上がる三角持ち合いの様相であり、5月27日高値と6月23日及び8月10日高値を結ぶ上値抵抗線に対して9月10日高値で到達したところでやや下げている印象だ。

3月以降、150円を割り込むところは3月24日、4月23日、7月20日、8月20日といずれも買い戻されて底固さを見せているので、9月10日高値を超えて続伸に入れば三角持ち合い上放れに入り、5月27日高値を再び試しに向かう可能性も開けると思われるが、そのためにはドル全面安と株高再開によるリスクオン優勢の市場心理で進み英国経済指標の力強い回復基調が印象付けられることが必要と思われる。

短期テクニカル分析

ポンド円の60分足レベルでは概ね3日から5日周期での底打ちとピークアウトを繰り返すリズムがある。

9月4日未明高値を当面のピークとして下落基調に入っていたが、9月9日夕安値で目先の底を付けて反騰入りとなり9月4日未明高値を超えた。しかしその後の反落で上昇幅の半値以上を解消しているため、10日夕高値でピークを付けて下落期入りしている印象だ。このため、10日夕高値を超えないうちは14日午後から16日夕にかけての間へ安値試しを続けやすい状況と考える。ただし152.40円超えからは強気転換注意として10日夕高値152.640円試しとし、高値更新からは新たな上昇期入りとして15日午後から17日夕にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では9月10日夕高値からの反落では先行スパン転落を回避している。先行スパンからの転落回避中は上昇余地ありとし、10日夕高値超えからは遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパン転落からはさらに下げるとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は11日早朝への反落で40ポイントまで低下してからやや戻している。60ポイント到達まで戻してその後も50ポイント以上での推移なら上昇再開の可能性を優先するが、40ポイント割れからは下げ再開とみて20ポイント台への低下を想定する。

9月13日の売買戦略

9月4日未明高値を上抜いた後のため、9月9日夕安値151.419円を割り込まないうちはさらに一段高する可能性を残すところとみて、152円から151.50円にかけてのゾーンは反騰狙いの押し目買い有利な水準とみる。9月10日夕高値152.640円超えからは153円試しへ向かうとみる。

9月9日夕安値151.419円を割り込む場合、8月20日安値を起点とした上昇一巡による下落期入りと見て151.00円割れへ向かう流れとみる。

今週(9月13日週)の注目英米経済指標

  • 9/14(火)
    英国
  • 15:00 8月 失業保険申請件数 (7月 -0.78万件)
  • 15:00 8月 失業率 (7月 5.7%)
  • 15:00 7月 失業率・ILO方式 (6月 4.7%、予想 4.6%)
    米国
  • 21:30 8月 消費者物価指数 前月比 (7月 0.5%、予想 0.4%)
  • 21:30 8月 消費者物価指数 前年同月比 (7月 5.4%、予想 5.3%)
  • 21:30 8月 消費者物価コア指数 前月比 (7月 0.3%、予想 0.3%)
  • 21:30 8月 消費者物価コア指数 前年同月比 (7月 4.3%、予想 4.2%)
  • 9/15(水)
    英国
  • 15:00 8月 消費者物価指数 前月比 (7月 0.0%、予想 0.5%)
  • 15:00 8月 消費者物価指数 前年同月比 (7月 2.0%、予想 2.9%)
  • 15:00 8月 消費者物価コア指数 前年同月比 (7月 1.8%、予想 2.9%)
    米国
  • 21:30 9月 ニューヨーク連銀製造業景況指数 (8月 18.3、予想 18.0)
  • 22:15 8月 鉱工業生産 前月比 (7月 0.9%、予想 0.5%)
  • 22:15 8月 設備稼働率 (7月 76.1%、予想 76.4%)
  • 9/16(木)
    米国
  • 21:30 8月 小売売上高 前月比 (7月 -1.1%、予想 -0.8%)
  • 21:30 8月 小売売上高・除自動車 前月比 (7月 -0.4%、予想 -0.1%)
  • 21:30 9月 フィラデルフィア連銀製造業景況指数 (8月 19.4、予想 19.0)
  • 21:30 新規失業保険申請件数 (前週 31.0万件、予想 32.0万件)
  • 21:30 失業保険継続受給者数 (前週 278.3万人)
  • 9/17(金)
    英国
  • 15:00 8月 小売売上高 前月比 (7月 -2.5%、予想 0.8%)
  • 15:00 8月 小売売上高 前年同月比 (7月 2.4%、予想 2.7%)
  • 15:00 8月 小売売上高・除自動車 前月比 (7月 -2.4%、予想 0.8%)
  • 15:00 8月 小売売上高・除自動車 前年同月比 (7月 1.8%、予想 2.5%)
    米国
  • 23:00 9月 ミシガン大学消費者信頼感指数速報値 (8月 70.3、予想 72.6)