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おはようございます。大塚亮です。
2021年10月7日の相場分析です。
目次
概況
豪ドル円の10月6日終値は81.052円、前日比0.203円安と下落した。取引レンジは81.393円から80.573円。
10月1日午後安値で79.90円まで下落したものの80円割れを買い戻され、6日午前には81.393円を付けて9月28日夕高値81.307円をわずかに上抜いた。9月22日以降の高値を更新したのだが、6日夕刻にかけての米長期債利回り上昇と全般ドル高を背景にダブルトップ警戒感からいったん売られて夜安値では80.573円まで下げた。しかし深夜にかけては米長期債利回りが低下してドル安へと流れが変わったことで豪ドル米ドルが持ち直したために80.50円割れを回避して反発に入り81円台を回復、7日午前には81.18円台へ続伸して6日午前高値に迫っている。
注目ポイント 豪10年債利回り上昇続く
10月6日には米10年債利回りが一時1.57%へ上昇して9月28日に付けた1.56%を超えて8月4日以降の高値となったがその後は失速した。米雇用統計を明日夜に控えてポジション調整となった印象だ。
一方で豪10年債利回りも上昇基調を継続しており、6日には1.61%へ上昇して8月23日の1.05%以降の高値を更新している。6日は1.58%で終了したが、7日午前には1.60%台を回復して高値更新を伺う位置取りとなっている。
米長期債利回り動向が全般的なドルの強弱を決める要因となるが、米長期債利回り動向と同調して独英豪等の長期債利回りも動く。英10年債利回りと共に豪10年債利回りの最近の上昇も顕著のため、米長期債利回り上昇局面で豪ドル米ドルはいったん売られても底固さを示して持ち直している印象だ。
注目ポイント NZ中銀は利上げするも豪ドル/NZドルでは豪ドル上昇続く
ニュージーランド準備銀行(NZ中銀)は10月6日の金融政策決定会合で政策金利を0.25%から0.50%へ引き上げた。利上げは7年ぶりだが、パンデミック対策としての金融緩和政策から正常化へ動き始めた。NZ中銀は今後も追加の引き締めが見込まれるとしたが、世界の感染拡大も収まらない状況にあることでの先行きの不透明感も示した。利上げは市場の事前予想通りで前月の会合でも利上げ予想されていたものの同国へのデルタ株侵入による感染拡大で見送られていた。市場は今後の追加利上げにより来年4月には1.0%まで引き上げられるのではないかと予想している。
NZドル米ドルは利上げ発表直後に0.6978ドルへ上昇したが5日早朝高値0.6982ドルには届かずにダブルトップ気味となり、材料消化と夜にかけての全般ドル高基調の中で0.6875ドルまで下落した。9月30日早朝安値0.6858ドル割れは回避したもののその後の戻りも鈍い。
豪ドル/NZドルは利上げ発表直後にいったん下げたものの早々に買われて1.050を超えて7日午前には1.0529まで上昇しており、9月16日底からの豪ドル高NZドル安の流れを継続している。豪中銀は2024年まで利上げしないと繰り返し強調していることと比較すれば先行して利上げに踏み切ったことでNZドル高へ、なびいてもよいところだったが豪ドル高優勢の動きを継続している。
短期テクニカル分析
豪ドル円の60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。
豪ドル円は9月24日夜安値から5日目となる10月1日夕安値で目先の底を付けて反騰入りしたが、10月6日午前高値で目先のピークを付けていったん下落した。しかし1日午後安値から3日を経過した6日夜安値からの反騰で6日午前高値に迫っているため、既に6日夜安値で底を付けて新たな上昇期に入っていると思われる。新たな高値形成期は11日午前から13日午前にかけての間と想定されるので、6日午前高値とのダブルトップ形成にとどまる可能性に注意しつつも高値更新から一段高へ進む可能性のあるところとみる。弱気転換は6日夜安値割れからとし、その際はダブルトップ型からの下落期入りとして11日夜から13日夜にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では10月6日夜からの反騰で先行スパンを上抜き返しているので遅行スパン好転中の高値試し優先とする。ただし先行スパンから再び転落してさらに続落に入るところからは下げ再開を警戒して遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。
60分足の相対力指数は10月6日夜安値で30ポイントまで低下したところから60ポイント超えへ切り返しているので、50ポイント以上での推移中は70ポイント超えを試すとみるが、70ポイント以上は反落警戒とし、50ポイント割れからは下げ再開を疑う。
10月7日の売買戦略
10月6日夜安値を起点として反騰入りしているため、10月6日午前高値を超えるところからは81円台後半(81.50円から81.70円台)への上昇を想定して押し目買い有利の転換と考える。ただし、9月28日高値81.307円と10月6日午前高値81.393円により81.30円以上の水準に抵抗感が出ていること、明日夜の米雇用統計を控えた状況のため、81.30円台から81.50円前後までの水準から失速する可能性に注意する。80.80円割れからは下げ再開を疑い10月6日夜安値80.573円試しとし、底割れからはダブルトップ型の下落期入りとみて10月1日午後安値79.902円を試す流れへ進みやすくなるとみる。
10月7日の注目指標
・ドイツ
・15:00 8月 鉱工業生産 前月比 (7月 1.0%、予想 -0.5%)
・15:00 8月 鉱工業生産 前年同月比 (7月 5.7%、予想 5.0%)
・米国
・21:30 新規失業保険申請件数 (前週 36.2万件、予想 34.8万件)
・21:30 失業保険継続受給者数 (前週 280.2万人、予想 279.0万人)
・ユーロ圏
・22:00 レーンECB理事、シュナーベルECB理事、講演
・米国
・24:45 メスター・クリーブランド連銀総裁、パネル討論会
・28:00 8月 消費者信用残高 前月比 (7月 170.0億ドル、予想 180.0億ドル)