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おはようございます。大塚亮です。
2021年10月18日の相場分析です。
目次
概況
豪ドル円の10月15日終値は84.765円、前日比0.471円高と伸ばした。取引レンジは84.921円から84.230円。
日足は10月7日から7日連続の陽線で7連騰、週明け18日早朝には85円台に到達しており5月10日高値85.795円に迫る勢い。仮に5月10日高値を超えればチャート上の上値目途は2017年9月天井90.293円まで切り上がる可能性も考えられる。
10月15日はドル円が114.46円へ上昇。既にパンデミック前の高値である2020年2月20日の112.21円を超えて続伸中だが2018年10月4日高値114.54円や2017年11月6日高値114.72円へ迫っている。一方で豪ドル米ドルも10月7日からは7日連続の日足陽線で上昇しており15日高値で0.74394ドルを付けて9月3日高値0.74773ドルに迫る勢い。
世界的な物価上昇と長期債利回り上昇の中で資源輸入国の日本円への売り圧力が強まり、資源通貨代表として豪ドルが買われる展開で、豪ドル円は円安と豪ドル高の両面から押し上げられており、昨年3月のコロナショック暴落からの出直り期の急騰感を彷彿とさせる勢いで上昇している。
注目ポイント 原油高で資源通貨買い
NY原油先物の期近2021年11月限は10月15日に82.66ドルへ上昇、10月11日に付けた年初来高値82.18ドルを超えて2014年10月以来の高値水準となった。2018年10月3日に76.90ドルまで上昇したところをピークとして需給緩和で下落期に入り、2020年4月にはパンデミック発生による物流停滞で地上在庫が溢れる事態に陥ったことで4月の納会前日には投げ売りを消化しきれずに先物価格としてマイナス40ドルを超える異常な暴落に見舞われたが、その後は景気回復期待から持ち直し、世界的な金融緩和と株高ドル安に押し上げられてきた。7月6日高値の後はいったん下げていたものの世界的なエネルギー価格高騰の波により一段高へと進んでいる。
欧州での天然ガス高騰、中国の石油石炭不足での電力供給制限で製造業にも影響が出ているが、しばらくは景気回復による需要拡大と感染拡大の影響が残っているサプライチェーンの混乱により増産供給が追い付かない状況にあり原油価格等の高騰が続きそうだが、鉄鉱石や石炭の輸出国である豪ドルの資源通貨買いも続きやすいと思われる。
注目ポイント 米豪の長期債利回りはともに上昇で豪ドル高に
世界的な物価上昇が主要国中銀を金融緩和から引き締めへのスタンスの変更を迫っていることが長期債利回り上昇を招いているが、米長期債利回り上昇と共に独伊英豪等の長期債利回りも上昇しているため、必ずしも米長期債利回り上昇=ドル全面高とならずにいる。もちろん米10年債利回り動向によってドルの強弱も大きく左右されて上昇が顕著になればドル高反応をもたらしやすく、米雇用統計やFOMC等の重要イベント後ではその反応も大きくなる。しかし、米長期債利回り上昇に負けずと豪10年債利回りも上昇基調にあることが豪ドル米ドルを押し上げている。
豪10年債利回りは今年2月に1.97%へ上昇したところから8月に1.05%まで低下していたもののV字反騰型で上昇再開に入っており、先週は1.77%まで高値を切り上げてきている。週足では8週連続の陽線での上昇であり、9月末からの豪ドル米ドルの反騰を支えているが、当面はこの状況も続きやすいと思われる。
短期テクニカル分析
豪ドル円の60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。
豪ドル円は10月1日夕安値からの上昇基調を続けてきたが、10月13日午前へ小反落したものの83円台を維持して一段高に入り週末へと連騰してきた。12日夜高値を基準として目先の高値形成期は19日夜にかけての間と想定されるが、週明けの18日朝も高値を切り上げて85円に到達しているのでまだピークを付けていないと思われる。ただし連騰に対する反動安も警戒されるので、84.50円を割り込むところからはいったん下げに入るとみて18日午後から20日午後にかけての間への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では10月14日への上昇で遅行スパンが好転、先行スパンを上回る状況も続いている。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、遅行スパン悪化からはいったん下げに入るとみて先行スパンの上下限を試すとみる。ただし先行スパンからの転落を回避するうちは遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところからは上昇再開とみる。
60分足の相対力指数は10月14日夜から15日への高値切り上げに際して指数のピークがほぼフラットとなっているので弱気逆行気味だが、60ポイント台を維持しているのでまだ70ポイント台後半への上昇余地ありと見るが、60ポイント割れを弱気転換注意、55ポイント割れからはいったん下げに入るとみて40ポイント台への低下を想定する。
10月18日の売買戦略
中勢の上昇基調は継続とみて押し目買い有利、大きく突っ込むところはバーゲン買いされやすい展開がさらに続くとみるが、目先は週替わりでもあり、連騰に対する修正安も入りやすいところと注意する。
84.50円以上での推移中は上昇余地ありとして85円台中盤(85.30円から85.70円)を目指すとみるが、85.50円以上は反落警戒、利食い優先とみる。84.50円割れからはいったん修正安入りとして84円台序盤から84円割れ(84.20円から83.90円台)への下落を想定する、84.20円以下は押し目買い有利、84円割れへ失速するところは突っ込み買いされやすい水準とみる。
10月18日の主な予定
- 米国
- 22:15 9月 鉱工業生産 前月比 (8月 0.4%、予想 0.2%)
- 22:15 9月 設備稼働率 (8月 76.4%、予想 76.5%)
- 23:00 10月 NAHB住宅市場指数 (9月 76、予想 76)
- 27:15 ジョージ・カンザスシティ連銀総裁、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、講演
- 英国
- 23:30 カンリフ英中銀副総裁、講演
今週の豪関連主な予定
- 10/19(火) 中国全国人民代表大会[全人代]常務委員会(10月23日まで)
- 09:30 豪中銀、金融政策会合議事要旨公表
- 10/21(木)
- 09:30 7-9月期 NAB企業信頼感指数
- 28:00 ロウ豪中銀総裁、パネル討論会参加
- 10/22(金)
- 07:00 10月 マークイット豪製造業PMI (9月 56.8)
- 07:00 10月 マークイット豪サービス業PMI (9月 45.5)