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おはようございます。大塚亮です。
2021年9月10日の相場分析です。
目次
概況
豪ドル円の9月9日終値は80.862円、前日比0.367円安と続落した。取引レンジは81.241円から80.774円。
9月3日夜の米雇用統計発表直後のドル全面安局面で豪ドル米ドルが8月20日以降の最高値を付けて豪ドル円も82.023円へ上昇したが、米雇用統計通過後はドル全面高へと流れが変わり豪ドル米ドルが失速したために豪ドル円も下落に転じた。
9月7日の豪中銀理事会による金融政策発表を挟んでいったん豪ドル高に振れたところで豪ドル円は7日午後高値で3日夜高値に迫る81.982円へ上昇したものの早々に下落に転じ、8日も続落して日足は3日連続陰線=三羽烏(黒三兵)となっていた。
9月9日は米雇用統計後に上昇していた米長期債利回り低下したことでドル高一服となり、豪ドル米ドルも午後から夜にかけてやや戻したものの勢いは鈍く深夜以降はジリ安となり、ドル円が110円割れへ急落して10日未明に109.61円まで下げたことで豪ドル円は急激な円高と豪ドル米ドルの軟調さを背景に10日未明には9日午後安値を割り込む一段安となった。10日午前序盤はさらに安値を切り下げている。
注目ポイント 米10年債利回り低下するも豪10年債利回りも低下
豪10年債利回りは8月23日の1.05%から9月8日には1.30%まで上昇していたが、豪中銀金融政策発表から低下に転じた。9日は1.22%へ低下、10日午前序盤も若干水準を切り下げて続落気配となっている。
米雇用統計発表から米10年債利回りがいったん上昇していたところ、8日、9日と2日続けて低下したことでドル高に一服感が出ていたが、主要国の長期債利回りの動きとの差により強弱も分かれた。ECBがパンデミック対策としての資産購入規模を減速するとしたことで独10年債利回りが低下、南欧の主要国長期債利回りも低下したためにユーロドルは米長期債利回り低下による押し上げ効果も限定的で下げ渋り程度の持ち合いにとどまった。一方で英10年債利回りは上昇基調を継続したことでポンドドルが急反発となった。
豪ドル米ドルは豪10年債利回りも米10年債利回りと共に低下したために下げ渋り効果しか得られず9日夜へ若干戻したところから再び軟調な推移となっている。9月7日に豪中銀が量的緩和による資産購入規模を縮小したものの購入期限を延長したことで豪ドル安反応となっていることも豪ドル米ドル及び豪ドル円の反発を限定的にし、先安感の継続となっている印象だ。
短期テクニカル分析
60分足チャートにおいては概ね3日から5日周期での騰落リズムがみられる。
豪ドル円は9月3日夜高値と7日午後高値を60分足レベルのダブルトップ(日足では毛抜き天井)として下落期に入っている。ダブルトップの中間点にある6日午後安値を基準とすれば安値形成期は9日の日中から13日午後にかけての間と想定されるが、9月7日夜安値を基準とすれば安値形成期は10日夜から14日夜にかけての間へ延長される可能性もあるところであり、戻り高値切り下がりが続くうちは週明けへの一段安警戒とみる。強気転換は9日深夜の戻り高値81.191円を超えるところからとし、その際は10日午後から14日午後にかけての間への上昇を想定するが、戻りは短命の可能性もあるのでいったん強気転換してから7日午後高値以降の安値を更新するところからは新たな下落期入りとなる点に注意する。
60分足の一目均衡表では9月7日の下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落したが、その後も両スパン揃っての悪化がつづいているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。強気転換には先行スパンを上抜き返す必要があるが、先行スパンへ潜り込むところからは上昇再開の可能性ありとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。
60分足の相対力指数は右肩下がりの展開が続いているため50ポイントを抵抗として軟調な推移のため、強気転換は50ポイント超えからとし、50ポイント以下での推移中は30ポイント割れを目指す流れとみる。
9月10日の売買戦略
ダブルトップからの下落基調継続とみて戻り売り有利の展開と考える。81円台序盤は戻り売りにつかまりやすい水準とし、安値更新が続くうちは80.50円、80.25円、80.00円等を順次試す流れとみる。80.25円以下は突っ込み警戒圏として利食い優先とし、その後の戻り一巡からはまた安値試しへ向かいやすい展開とみる。
9月10日の注目経済指標
- ドイツ
- 15:00 8月 消費者物価指数改定値 前月比 (速報 0.0%、予想 0.0%)
- 15:00 8月 消費者物価指数改定値 前年同月比 (速報 3.9%、予想 3.9%)
- 英国
- 15:00 7月 月次GDP 前月比 (6月 1.0%、予想 0.6%)
- 15:00 7月 鉱工業生産指数 前月比 (6月 -0.7%、予想 0.4%)
- 15:00 7月 鉱工業生産指数 前年同月比 (6月 8.3%、予想 3.0%)
- 15:00 7月 貿易収支・物品 (6月 -119.88億ポンド、予想 -110.00億ポンド)
- 15:00 7月 貿易収支・全体 (6月 -25.14億ポンド、予想 -16.00億ポンド)
- 米国
- 21:30 8月 生産者物価指数 前月比 (7月 1.0%、予想 0.6%)
- 21:30 8月 生産者物価指数 前年同月比 (7月 7.8%、予想 8.2%)
- 21:30 8月 生産者物価コア指数 前月比 (7月 1.0%、予想 0.5%)
- 21:30 8月 生産者物価コア指数 前年同月比 (7月 6.2%、予想 6.6%)
- 22:00 メスター・クリーブランド連銀総裁、講演
- 23:00 7月 卸売在庫 前月比 (6月 1.1%、予想 0.6%)
- 23:00 7月 卸売売上高 前月比 (6月 2.0%)