ハーモニックパターンとは?見つけ方やFXで利益を上げるコツを徹底解説!

ハーモニックパターン

「ハーモニックパターン」とは、その名の通り「ハーモニック(調和)」「パターン(型)」という意味で、チャート上の値動きにフィボナッチを当てはめ、形成されたパターンから次の反発を予測するトレード方法です。

日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、欧米では多くのトレーダーが使用しているポピュラーなトレード方法になります。

日本人より投資やFXへの考え方が進んでおり、何より資金量も多い海外のトレーダーに勝つためには、海外で主流のトレード方法を取り入れることも重要です。

今回の記事では、そんなハーモニックパターンについて解説していきます。

基本さえ押さえるだけで、高勝率を狙えるトレード方法なので、ぜひご覧くださいね。

【FXハーモニックパターン】3つのメリット

ここからは、ハーモニックパターンの3つのメリットについて解説していきます。

メリット1:逆張りで高勝率を狙える

ハーモニックパターンのエントリーは、基本的に逆張りになります。

逆張りと聞くと無条件に勝率が低いイメージを持つ方もいるかもしれませんが、ハーモニックパターンに関してはフィボナッチを組み合わせているので、その優位性はものすごく高いのが特徴です。

大衆心理を逆手にとって大きく稼ぐ快感は、やはり逆張りならでは。その快感を味わいながら高勝率も狙えるのは、大きな魅力でしょう。

メリット2:リスクリワードが良い

そして、逆張りなのに損失が小さくできるのも大きな特徴の1つです。

通常の逆張りなら、エントリーして含み損が膨らむことも多いですが、ハーモニックパターンなら反発が起こるポイントを絞ってエントリーできるので、逆行することがほとんどありません。

そのため損切りを浅く設定することができるので、損切りになっても損失を極限まで抑えることができます。

メリット3:基本を覚えればいくらでも応用が効く

「ハーモニックパターン」と聞くと、特に初心者の方は「なんだか難しそう」と感じる人も多いかと思いますが、実は基本の型さえ覚えてしまえばとても簡単です。

例えるなら、小学校の算数で出てきた「距離」「時間」「速さ」を計算に使う「は じ きの法則」のようなもので、一度基本を覚えてしまえば、あとは組み合わせを変えるだけなので、本当にシンプルなトレード方法になります。

【FXハーモニックパターン】基本の考え方

ここからはハーモニックパターンの基本的な考え方を解説していきます。

ハーモニックパターンは「ダブルトップ」や「ダブルボトム」と呼ばれるものと同じようにM字、W字になっているチャートパターンです。

※ダブルトップ、ダブルボトムについてはこちらの記事をチェック!

ダブルトップ FXのダブルトップ・ダブルボトムとは?基礎知識と手法を解説

そんなハーモニックパターンを形成している「XAリトレースメント」「ABCDパターン」、これら2つを覚えることで、習得スピードは格段に上がります。

ハーモニック1

XAリトレースメント

XAリトレースメント

XAとはフィボナッチ・リトレースメントを引くための起点と終点になるポイントを指します。

M字やW字で例えるなら1画目の部分ですね。

起点となる底値X(高値)から、Aまでフィボナッチ・リトレースメントを引くことで準備は完了です。

このXAのフィボナッチ・リトレースメントが、ハーモニックパターンの要となるので、しっかり覚えておきましょう。

ABCDパターン

ABCDパターン

ABCDパターンとは、トレンドの推進波(AB,CD)が同じ長さになった時に、Dのポイントで反発が起きやすいという考え方です。

M字やW字で例えるなら1画目以降の部分ですね。

ハーモニックパターンでは、同じ長さになることはほぼありませんが、この考え方を知っておくことで、この先の理屈を理解しやすくなるので、ぜひ覚えておきましょう。

ハーモニックパターンが強力な理由

ここまでご紹介してきた「XAリトレースメント」と「ABCDパターン」を組み合わせることで、なぜ強力な反発が起きるのか?その具体的な理由についてここから解説していきます。

ハーモニックパターンで反発が起きる要因を大まかにまとめると、

  • X→Aにフィボナッチ・リトレースメントを引いて見ている
  • A→Bにフィボナッチ・エクスパンションを引いて見ている
  • B→Cにフィボナッチ・リトレースメントを引いて見ている

これら3つの視点で相場を見ているトレーダーたちの、エントリーをするポイントが集約する「D地点」を狙うことで大きな利益を狙える、という仕組みになります。

※フィボナッチ・リトレースメント、フィボナッチ・エクスパンションの説明はこちらから!

フィボナッチ フィボナッチの定義と有効的な使い方

おそらくテキストだけでは分かりにくいと思いますので、チャートを使って1つひとつ順番に解説していきますね。

まずはX→Aにフィボナッチ・リトレースメントを引いている人の視点です。

押し目になるポイントを買いで利益を狙っていく場面ですね。

ハーモニックパターン2

続いて、A→Bにフィボナッチ・エクスパンションを引いて見ている人の視点です。

C地点の次に反発するポイント(D地点)での買いを狙っていますね。

ハーモニックパターン3

最後にB→Cにフィボナッチ・リトレースメントを引いて見ている人の視点です。

これはX→Aと同じく、押し目となるポイントで買いを狙う戦略ですね。

ハーモニックパターン4

これらを重ねてみると、3つの視点のトレーダーのフィボナッチのラインが四角の中で被っていることが分かりますね。

ハーモニックパターン5

  • XAにフィボナッチ・リトレースメントを引いて、押し目買いを狙っているトレーダー(黄色)
  • ABにフィボナッチ・エクスパンションを引いて、押し目買いを狙っているトレーダー(青色)
  • BCにフィボナッチ・リトレースメントを引いて、押し目買いを狙っているトレーダー(赤色)

ここがハーモニックパターンのD地点です。

このD地点では3つの視点で相場を見ている各トレーダーたちが、一気に買い注文を仕掛けるポイントだということが言えます。

つまり、多くのトレーダーが買いを意識している=強い反発が起こる→逆張りで大きく利益を狙える、という展開が予測できますね。

これがハーモニックパターンの原理になります。

【FXハーモニックパターン】フィボナッチ比率の設定

ハーモニックパターンを探すための下準備として、ハーモニックパターンを探すために欠かせないフィボナッチ・リトレースメントの設定を整えなければなりません。

そのため、まずはその設定方法を解説していきます。

まずは、設定したいフィボナッチを展開させて、選択した状態で右クリック、「Fiboプロパティ」を選択します。

次に下記の画像の順番に設定を進めていきます。

ハーモニックパターンで使われているレベルは、

『0%、38.2%、50%、61.8%、78.6%、127%、161.8%』

これら7つがメジャーなので、不足している分は追加しましょう。

これで準備完了、いよいよ実践でハーモニックパターンを使っていきましょう!

出典:OANDA|フィボナッチ比率を表示する

【FXハーモニックパターン】基本的な4つの型

ハーモニックパターンは、実は現代でも新しいパターンが発見されるくらい、まだまだ未知数の世界ですが、今回はそんな中でも、ハーモニックパターンの基本となる4つの型をご紹介していきます。

基本の型①:バット

コウモリに似ている「バット」はハーモニックパターンで最もよく見られる型です。

XAに引くフィボナッチ・リトレースメントの38.2%~50.0%にB地点が当てはまり、88.6%にD地点が設定されます。

X地点よりも浅いところでエントリーの条件が揃うので、損切りをXの価格付近に設定するのがセオリーのようです。

さらに、もしD地点を突破したとしても、後ほど紹介する「クラブ」の型になる可能性もあるので、含み損になってもチャンスは続きます。

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基本の型②:ガートレー

H・M・ガートレー氏によって発見された「ガートレー」は、黄金比が絡んでいるのでかなり強力な型です。

XAに引くフィボナッチ・リトレースメントの61.8%にB地点が発生した際に当てはまり、78.6%にD地点が設定されます。

B地点の61.8%は黄金比とも合致することから、かなり強力な反転が生まれることが多いです。

また、トレンドの中で発生しやすいことから、トレンドフォローのロジックと組み合わせれば、さらに強力なものになるでしょう。

「ガートレー」も、後で「クラブ」の型になる可能性もあるので、こちらもD地点を突破してもチャンスは続きます。

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基本の型③:バタフライ

蝶の形に似ていることから命名された「バタフライ」も、トレンド中に発生しやすい特性があります。

XAに引くフィボナッチ・リトレースメントの78.6%にB地点が発生した際に当てはまり、127%にD地点が設定されます。

B地点は78.6%と深く、D地点は127%と、X地点よりもさらに深いことから、一見するとトレンドが崩れているかのように見えます。

しかし長期足に置き換えると、トレンドの押し目の底や戻りの天井に発生していることが多く、ここから大きく伸びる可能性を秘めているパターンです。

とはいえ、押し目の底、戻りの天井であることは間違いないので、サポレジラインや上位足のトレンドラインと組み合わせて、優位性が高いタイミングだけでエントリーしましょう。

フィボナッチ フィボナッチの定義と有効的な使い方

基本の型④:クラブ

左右非対称でいびつな形をしている「クラブ」は、4つのパターンの中では特殊な条件ですが、こちらもかなり強力なパターンです。

XAに引くフィボナッチ・リトレースメントの38.2%~61.8%にB地点が発生した際に当てはまり、161.8%にD地点が設定されます。

B地点が38.2%~61.8%と幅広く、さらにはD地点が161.8%と「バタフライ」よりもさらに深いのが最大の特徴です。

しかし、こちらも「ガートレー」と同じく黄金比に合致することから、かなり強力な反転が期待できます。

また、上記でもお伝えしたように、「バット」と「ガートレー」とB地点が被っていることから、Xの地点を突破するまでは、「クラブ」に当てはまると判断するのが難しいです。

こちらもX地点を突破していることから、トレンドが崩れているのでサポレジラインや上位足のトレンドラインを参考にしつつ、優位性を確認してからトレードしましょう。

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勝率を高めるワンポイントアドバイス

そしてここからご紹介するのは、さらに発展的なものになります。

先ほどの、4つのオーソドックスな型に加え、2つのポイントを意識することで、ハーモニックパターンでさらなる勝率アップも狙えます。

内容としては簡単なので、ぜひ取り入れてみてくださいね。

A地点とC地点の位置関係

チャート上で「これはハーモニックパターンかな?」と思うものを見つけたら、まずはAとC地点に注目してみましょう。

というのも、上記で紹介した4つのパターンには、「買いならC地点がA地点より下、売りならC地点がA地点より上」という共通ルールがあるんです。

実は、ハーモニックパターンをさらに厳密に調べようとすれば、XAリトレースメントとB地点、D地点の関係性だけでなく、ACとXDの関係性も考慮する必要が出てくるんですね。

このように、突き詰めるほど精度は上がりますが、あまりに細かい条件を加えていくとその分パターンに合致するチャートはがくんと減ってしまい、実践ではほぼ使えなくなってしまいます。

そのため、「A地点はC地点より内側に収まる」という位置関係を押さえるようにすれば、チャンスの数はしっかり確保しつつも、分析の精度を保つことができます。

X地点からB地点とB地点からD地点までの幅

そしてこちらも、詳細なルールを補うためのポイントです。

先程例に出したクラブの型のB地点を基準に縦にラインを入れました。
XBとBDの幅にご注目ください。

X地点からB地点を形成するまで60本のローソク足がかかっていますが、B地点からD地点を形成するまでは91本のローソク足がかかっていますね。

これはB地点からD地点まで、じっくり時間をかけて移動することで反転するパワーを溜め込み、D地点で一気に放出することで強い反転を生み出しているからなんです。

逆にX地点からB地点にかけた時間よりもB地点からD地点までにかけた時間が短かった場合、パワーが不十分で反転されない、という可能性があります。

ハーモニックパターンを探す際には、ぜひ「幅」も意識して相場をチェックしてみましょう。

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【FXハーモニックパターン】まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は、ハーモニックパターンの基本の4パターンに加えて、トレードで活用できる実践的なスキルまでお伝えしました。

知れば知るほど奥が深いハーモニックパターンですが、しっかり身に付けることで、様々な相場に対応できるトレーダーとして成長できるはずです。

ぜひこの記事をあなたのトレードに役立ててくださいね。

出典:OANDA|ハーモニックパターンとは?Trading Viewでの活用方法

よくある質問

勝率90%と聞いたのでやってみたのですが、勝てないです。これは勝てない手法な気がしますが、どうなんでしょうか。

ハーモニックパターンを取り入れる場合、損切の後での連続エントリーは控えるようにしてみてください。ハーモニックパターンは基本的に逆張りトレードになるので、損切に合うということはトレンドがまだ続いているということになります。そこでエントリーを控えることで、ハーモニックパターンで負ける要因を排除することができます。ぜひ参考にして高勝率を目指してくださいね。

組み合わせると良いインジケーターはありますか?

移動平均線はいかがでしょうか。短期の移動平均線を表示させて、MAのブレイクを確認してからエントリーしていくことで勝率を上げることができます。

ハーモニックパターンは株でも使えますか?

もちろん株式投資でも使えます。ハーモニックパターンはチャートを使うものでしたら、株式投資、仮想通貨、などさまざまなものに活用できます。ぜひ試してみてくださいね。