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こんにちは。YEN蔵です。
今週の為替相場振り返りです。
目次
今週(6月28日週)の振り返り
今週は比較的小動きの中で米雇用統計に向けてドルが上昇した週となりました。ドルの強さを表すドルインデックスは昨日6月18日の高値92.405を上抜けして92.68まで上昇してきています。
ドル円は110.40付近がサポートされて30日に111.12まで上昇し、レジスタンスになっていた111円を上抜けしました。
30日に発表された6月のADP民間雇用者数は69.2万人と5月の88.6万人からは減少しましたが予想の60万人は上回りました。
1日発表された新規失業保険申請件数は36.4万件と前週の41.5万件から減少しまました。総じて良好な労働指標で本日の雇用統計が待たれます。
一方で1日に発表された6月のISM製造業景気指数は60.6と前月の61.2,予想の61を下回り景況感がやや減速しています。雇用指数も49.9と前月の50.9から低下しています。
111円台は多くのオプションの権利行使価格があり、オプションにから売り需給もあるはずですがドル円は堅調に推移し111.60付近まで上昇しています。
雇用統計の注目ポイント
通常は米国金利が上昇していればドル高になるというのが割と教科書的な説明です。しかしよく知られている米10年債利回りは今週は1.52%付近から1.45%付近に低下しています。
一方で政策金利の動きに敏感な比較的短い金利である2年債利回りは0.26%と高値圏で推移しています。5年債利回りも0.89%付近とこちらも高値圏です。今回はFRBの金融政策が緩和から緩和縮小に向かう中で短期の米金利が上昇してドルはそこに注目している可能性があります。
雇用統計の注目は失業率と労働参加率
FRBは物価の動きと雇用の回復が金融政策を変更させるポイントになる点としています。物価に関してパウエルFRB議長をはじめ多くのメンバーが一過性だと述べています。確かに昨年の春ごろの物価が感染の拡大で大きく低下したために前年比だと物価の上昇が大きくなってしまうというベース効果の影響があります。これが徐々に薄れていくことで物価の上昇が落ち着く可能性はあります。
また最近のドル高は輸入が多い米国にとっては輸入物価が低下して物価を下げる材料になる可能性があるのでドル高も物価の上昇が沈静化する材料になるのかもしれません。
一方で雇用統計ですが、今回は失業率と労働参加率に注目したいと思います。前回の失業率は5.8%と6.1%から低下しました。しかし白人の失業率は5.1%、アジア系は5.5%に対してヒスパニック系は7.3%、黒人は9.1%と人種間で大きなばらつきがあります。
パウエルFRB議長としてはこの失業のばらつきを気にしており、失業率全体の低下とともにマイノリティーの失業率の低下を待っていることが予想されます。
また労働参加率は雇用されている人と失業はしているけど職を探している人の合計の割合ですが前回61.6%と前月の61.7%から低下してしまいました。感染拡大が広がる前の昨年2月は63.4%でしたの労働参加率はまだかなり低いレベルにいます。
FOMCとしては金融政策の変更には労働参加率の上昇を主張するメンバーもいますので、この数字も注目していたほうが良いでしょう。
このように本日の雇用統計で非農業部門雇用者数の数字とともに、失業率と労働参加率の改善があるのかが注目で、ここが改善していると市場はティーパリングが近いと判断するかもしれません。
注目通貨はドル円
ドル円はレジスタンスになっていた111円を上抜けして111円台中盤に上昇しています。本日のニューヨークカット(23時に消滅)のオプションは111と111.50,111.75にかなり大きなものがそろっています。このオプションの影響で雇用統計の結果にもよりますが23時まではもみ合いが予想されます。
111.50のオプションで7日期日のものもあり、この影響も予想されますが本日分ほどの規模ではありません。
ここまでレジスタンスになってきた111円が短期的なサポートとで、ここが維持できれば112円を目指す動きを予想します。
111円を下抜けした場合は一目均衡表の基準線が位置する110.50が短期のサポートとなり、ここが維持できれば上昇トレンドの継続を予想します。