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ポンド円の8月19日終値は149.672円、前日比0.319円安と下落した。取引レンジは151.208円から149.624円。
日足は8月12日から17日まで4日連続陰線となったところから18日は陽線で下げ渋ったものの、19日未明の米FOMC議事録公開からのドル全面高によりポンドドルが下落、ドル円も19日昼へいったん上昇したところから夕刻へ急落したためにポンド円は150円を割り込む一段安となった。夕刻以降はドル円が戻したもののポンドドルは20日早朝へと続落したためにポンド円も20日朝には149.541円まで安値を切り下げた。
目次
注目ポイント FOMC議事録後のドル高と円高
8月19日未明に公開された米連銀(FRB)のFOMC議事録(7月27-28日開催分)では早ければ9月の次回FOMCで量的緩和縮小を決定する可能性が示された。発表後はドル全面高の様相であり、ポンドドルは8月18日朝安値を割り込んで一段安に入り1.370ドル割れから20日朝には1.360ドル台序盤へ下落している。
米連銀の量的緩和縮小への動きに対して英中銀は現状の緩和政策を維持する姿勢であり、両中銀のスタンスの差がポンド売りにつながっているが、ポンド安の他にもユーロドルが3月31日安値を割り込んで年初来安値を更新、豪ドル米ドルも2月天井以降の安値を更新、NZ中銀が利上げ予想に反して利上げを見送ったことでNZドル米ドルも一段安となっている。
総じてドル全面高の様相だが、ドル円は19日昼へ一段高してから夕刻に急落しており、必ずしもドル高円安基調が加速したとは言えない。19日夕安値からやや戻し気味の推移ではあるが110円台回復には至らずにいる。ドルストレートでのドル全面高がクロス円の全面安を招き、円の買い戻しの勢いが勝るとドル円においても円高が優勢となる。そこにデルタ株の感染爆発による先行き不安でのリスク回避的な円高感が重なるとドルストレートでのドル高とドル円を含むクロス円全般の円高が並走するケースも発生しうる。ポンド円にとってはポンド安ドル高に加えて円高による圧力も重なる可能性がある局面と注意したい。
テクニカルポイント 三尊天井の右肩形成
ポンド円は昨年3月18日底からの大上昇が5月27日高値156.061円まで続いてきたが、その後は下落基調に転じており、7月20日安値148.458円からの戻りも続かずに失速しており、底割れへの余裕が乏しくなっている。
日足チャートでは、5月27日高値を頭、4月6日高値を左肩、7月29日と8月10日の戻り高値をダブルトップ気味の右肩とすれば三尊型を構成しているといえる。7月20日安値をわずかに割り込んでもその後の反騰が勢い付けば三尊天井にはならずに「中段の三尊」として5月27日高値からの二段下げ調整にとどまって上昇再開へ向かう可能性も多少残るが、7月20日安値を割り込んでから続落に入る場合は三尊天井完成となって先安感が強まると思われる。その際は三尊天井形成期の値幅の倍返しによる下落で145円割れを目指す可能性も出てくると注意したい。
短期テクニカル分析
ポンド円は8月18日朝安値でからいったん戻していたが、19日未明高値で戻り一巡となり19日夕刻への下落で18日朝安値を割り込んだため、底割れによる下落期に入っている。概ね3日から5日周期で目先の底を付けやすいが、8月18日朝安値を基準とすれば次の安値形成期が21日朝から25日朝にかけての間と想定されるので20日夜、21日早朝へ続落しやすい時間帯にあると思われる。
60分足の一目均衡表では19日夕刻の下落で先行スパンから転落、遅行スパンも悪化しているので遅行スパンの悪化中は戻り売り有利の展開とみる。強気転換は先行スパンを上抜き返す反騰からとし、その際は遅行スパン好転中の高値試し優先の展開と考える。
8月20日の売買戦略
8月20日夜から21日朝ないしは週明け朝へ向けて安値試しを続けやすい時間帯とみて、150円から150.50円にかけてのゾーンは戻り売りにつかまりやすいとみる。149円前後はいったん打診買いも入りやすいとみるが、149円割れをスルーで続落する場合は148円に迫る可能性もあるとみる。
8月20日の注目経済指標
- ドイツ
- 15:00 7月 生産者物価指数 前月比 (6月 1.3%、予想 0.8%)
- 英国
- 15:00 7月 小売売上高 前月比 (6月 0.5%、予想 0.4%)
- 15:00 7月 小売売上高 前年同月比 (6月 9.7%、予想 6.0%)
- 15:00 7月 小売売上高・除自動車 前月比 (6月 0.3%、予想 0.2%)
- 15:00 7月 小売売上高・除自動車 前年同月比 (6月 7.4%、予想 5.7%)