ポンド円 ドル全面安の中、ポンドドルの反騰に勝る円高でポンド円は2日続落

ポンド円の8月13日終値は151.969円、前日比0.481円安と続落した。取引レンジは152.550円から151.926円。

8月3日夜安値151.151円を起点に上昇期に入り、8月10日高値で152.909円を付けて7月29日夜高値153.434円に迫ったものの届かず、12日夕刻までは153円を下値支持線として高値圏を維持していたが、12日夜の米PPI上昇率の上ブレからドル高がぶり返したことでポンドドルが急落したために153円割れから続落に入り13日早朝には152.328円へ一段安となった。

ポンドドルは8月13日夕刻に1.37908ドルまで安値を若干切り下げたもののの、その後はドル安感が強まる中でユーロドルの反騰と同調して上昇に転じて14日未明には1.38740ドルまで急伸して12日未明高値1.38867ドルに迫った。その一方でドル円が110円割れから売りの連鎖反応となり14日早朝安値で109.53円まで急落したため、ポンド円はポンドドルの反騰に勝る円高に圧されて14日早朝には152円割れまで一段安となった。

中勢のテクニカルポイント 三角持ち合いの下値支持線を割り込む

ポンド円の日足は7月20日安値からのリバウンド基調での推移が続いてきたが、7月29日高値153.434円に対して8月10日高値153.319円で届かずにほぼフラットな上値抵抗線を形成していた。また7月20日安値から8月3日安値へと底上げをして両安値を結ぶラインが下値支持線となり、フラットな抵抗線と共に三角持ち合いの様相を呈していた、しかし8月12日の下落により三角持ち合いの下値支持線を割り込み、8月13日も2日連続の陰線で続落となったために三角持ち合いから転落し始めた印象となっている。

7月20日安値に迫る展開となれば、5月27日高値を中心=頭として4月6日高値とその対になる8月10日高値を両肩とした三尊天井型となる可能性も考えられる。三尊完成には7月20日安値を割り込む必要があるためまだかなり余裕はあるので、現状から151円前後までの水準で下げ止まって切り返しに入れば押し目形成として上値抵抗線突破へと持ち直す可能性も考えられるが、仮に8月16日も日足陰線での続落となれば三羽烏(黒三兵)となり下げ足も早まり三尊形成感が優勢となりかねないところと思われる。

注目ポイント 米長期債利回り低下による円高圧力

8月13日夜に発表された米ミシガン大の8月消費者信頼感指数は70.2となり7月の81.2から大幅に低下した。水準としては2011年12月以来9年8か月振りの低水準だが、前月からの下落規模としては過去50年間で三番目の大きさという。市場の事前予想が81.2で前月からほぼ横ばいという想定だったために為替市場には大きなサプライズとなった。

6月15-16日の前々回米FOMCにおいてテーパリング=量的金融緩和政策による資産購入の縮小開始について議論が始まったことが示され、7月27-28日の前回FOMCでも議論が進んでいるとされたが、8月5日にはウォラー米連銀理事が「7月分と8月分の米雇用統計で就業者増加数が80万人から100万人の水準を実現すれば10月にもテーパリング開始が可能」との見解を示したため、市場はより具体的な目安を得たと受け止めて8月6日の米7月雇用統計で90万人を超える就業者増加数となったことでテーパリングが急がれるとみて米長期債利回り上昇とドル全面高の反応を見せた。
しかし8月11日の米7月CPI上昇率は全体の前月比が5.4%で6月と変わらず、コア指数では前月比が0.3%で6月の0.9%から低下、前年同月比も4.3%で6月の4.5%から低下したために物価上昇率の上ブレもそろそろピークアウトとなるのではないかとの受け止めて米長期債利回り低下とドル安への揺れ返しが発生した。

ポンドドルは8月11日の米CPI発表からの上昇が続かずに12日には失速していたのだが、13日夜のミシガン大消費者信頼感指数の悪化には大きく反応し、ドル円も急落で反応した。暫くは米経済指標の良し悪しでテーパリング開始時期を巡る思惑も錯綜してドルの強弱も一喜一憂となりやすいと思われるが、8月13日の反応をみるとポンドドルやユーロドルの上昇に対してポンド円やユーロ円は下落しており、円高圧力がかなり勝っている印象を与えている、このため、米経済指標からの反応時には原市場の動向と共にドル円の強弱が通常よりも重要になってくると思われる。

今週の注目材料

先週は8月13日に英国の4-6月期GDPの発表があり、前年のコロナショック初期の不況からの回復により前年同期比は22.2%増となり1-3月期の6.1%減から大幅に改善し、前期比も1-3月期の1.6%減から4.8%増へと改善したが、市場予想に近い水準だったためにポンド円の反応は鈍かった。
今週は8月17日に7月の失業率、失業保険申請件数の発表があり、8月18日には7月の消費者物価上昇率の発表がある。特に物価上昇の勢いが各国中銀の量的金融緩和政策の縮小議論やエマージング諸国における利上げ要因となっている。
英国の6月の消費者物価上昇率は前年同月比で2.5%、コア指数で2.3%だったが、7月はやや鈍化するとみられているものの予想以上に上昇する場合には英中銀の金融政策スタンスにも影響を与えるものとして注目される。英中銀は8月5日の理事会で金融政策を現状維持とし、物価上昇についても一時的としてさほど警戒感を示さずに量的金融緩和規模も現状維持としている。

短期テクニカル分析

ポンド円は8月3日夜安値151.15円を目先の底として反騰入りしてきたが、10日夜高値153.31円に対して12日未明高値は153.29円にとどまって新たな高値更新へは進めずに153円割れから失速して8月9日夜安値152.578円を割り込み、8月13日もさらに続落している。このため現状は10日夜と12日未明の両高値をダブルトップ、6日夜高値も含めればトリプルトップ型を形成しての下落期と思われる。

短期的な騰落リズムでは概ね3日から5日周期で安値を付けやすいため、8月9日夜安値を起点とすれば12日夜から16日夜にかけての間が安値形成期と予想されるのでまだ一段安余地の残るところであり、さらに下落期が長引く可能性もあると注意する。152.50円を超えてくればいったん戻しに入るとみるが、戻りは短命の可能性もあり、直前の安値からの戻り幅の半値以上を削るところからは下げ再開注意とする。

60分足の一目均衡表では8月12日夜の下落で遅行スパンが実線を割り込み先行スパンからも転落した。その後も両スパンとも好転できずにいるため、先行スパンを上抜き返せないうちは戻り売り有利の状況が続きやすいとみる。26本基準線から先行スパン下限は売られやすい水準と注意する。

本日の売買戦略

8月3日夜安値を起点とした上昇トレンドが崩れて失速してきたため、て高値切り上げ後の安値も切り上げて上昇トレンドを形成していたものの、高値切りおり、すでに8月3日夜安値からの上昇幅の半値以上を削っているので8月3日夜安値151.151円に迫る流れとみる。このため152.30円から152.50円手前では戻り売り有利とみる。
152.50円を超えるところからはいったんリバウンドに入ったとみて152.70円台への上昇を想定するが、152.70円以上は反落警戒とし、その後に152.30円を割り込むところからは下げ再開と考える。

今晩の経済指標

8/16(月)
21:30 (米) 8月 ニューヨーク連銀製造業景況指数 (7月 43.0、予想 29.0)
29:00 (米) 6月 対米証券投資 (5月 1053億ドル)
29:00 (米) 6月 対米証券投資・短期債除く (5月 -302億ドル)